======== この物語はあくまでもフィクションです ========
日野本第三帝国。
かつては、この国は、「民主主義」の国だった。
同盟国の「米利軒」から教えて貰った新しい考え方の世界だった。
昔、日野本第二帝国だった頃、境戦争に巻き込まれ、敗れた、この国は、米利軒国の占領下に置かれ、統治された後、独立した。かつての占領国は「同盟国」となり、「仮想敵国」から守る礎(いしずえ)となった。
だが、日野本民主主義国は90年で終った。
「白蟻国」の侵略に負けたのだ。いや、飲み込まれたと言っていいだろう。
石橋主席は、流行菌のお陰で大金持ちになった。
白蟻国の紫影総統の策略に加担し、流行菌を持ち込んだ元志田主席の『マッチポンプ作戦』のナンバー2だったからだ。
先々代の阿部知主席は、何も知らずに国際組織『ふー』が推挙した『予防注射』を輸入した。石橋は、阿部知を『無為無策』の主席だと笑った。
そして、どさくさに紛れて志田は『白蟻国』のヒットマンを特別会計から雇い、暗殺させた。
補欠選挙の応援演説に外遊した阿部知は、ヒットマンが狙いやすいような場所にマイクスタンドを置かれ、戸惑った。
応援演説を依頼した新人は、実は志田の情婦だった。
県警本部長は、志田の後援者である二階家議員の遠縁だった。
囮のヒットマンは、やはり二階家の遠縁だった。
暗殺後、囮のヒットマンは、簡単に捕まった。
実は、阿部知が撃たれ、致命傷になったのは、本当のヒットマンだった。
全てはシナリオ通りだった。彼らが想定外だったのは、すぐに外国から弔問に訪れる程、阿部知は人気者だった。外国から弔問に来た要人はSPだけでなく、スパイを連れて来た。
要人は、『真実』を知ったが、あまりにも問題が大きいので、世界の要人に報せると共に『箝口令』を提言した。その中には、米利軒国も入っていた。
そして、国民の大きな声を無視出来ずに、次の主席瓦斯は、『自分の地位』と引き換えに阿部知の国葬儀を行った。『大臣総意』と言う名前の『伝家の宝刀』を抜いたのだ。
『ガス抜き』と言われた瓦斯は、流行菌を収束出来なかった責任を取る形で、主席の座から降りた。
次に党総帥と主席の座に着いたのは、阿部知が『ダメ、絶対!!』と言っていた相手は志田だった。志田は白蟻国と、古参の議員二階家や余剰の後押しがあって、党員の大半が選ばなかったのに選ばれた。
所謂『穴馬』だと、御用記者達は絶賛した。
志田は、阿部知が反対していた法案を片っ端から通した。ゴリ押しした。
『大臣総意』と言う名前の『伝家の宝刀』は便利だった。
だから、国葬義の前例を盾に取って、志田は次々と法案を国会議決ではなく、『大臣総意』で決めた。
最早、米利軒国に教えて貰った『三権分立』の民主主義では無かった。
独裁者だったら、まだ良かった。バックグラウンドでは、白蟻国出身の官製諒、通称カンリョウが政策から、風呂の入り方まで主席に『一筆啓上』していた。
それで、記者会見では、主席は『不規則質問』には逃げていた。
官製諒で一番賢いのが、税金を徴収する年貢省で、『官製諒中の官製諒』と言われた。
年貢省は、本来は金融精査省、金精省なのだが、国民に還元しないで徴収のみを行い、どんどん膨れ上がった金は、外国に寄付し、キックバックをまた『大金庫』にしまうので、シェイクスピアの作品『ヴェニスの商人』に引っかけて、『銭承認人』と官製諒は揶揄され、『年貢省』と、お役所は揶揄された。
性平等法と謳われた法律は、阿部知が嫌った稲葉智子がやはり、阿部知没後『性の武器』で、同じ党の議員や他の党の議員を巻き込んで成立させた。だが、結果は『女性を否定』するものだったので、『女の敵』と、女性に嫌われた。
だが、志田は重用した。
選挙で負けた志田は、『選挙の責任を取る』名目で、実際は、週刊誌に『きわどいネタ』を掘られたので、退陣し、身代わりに、同じく重用していた石橋を主席にした。
阿部知暗殺のような『舞台』を用意し、暗殺未遂事件を起こして、支持率を束の間上げた。
犯人は、やはり用意された人間で、裁判で判決が降りても、実行はされない約束だった。
模倣犯では無く、『模倣犯役』だった。
今回も、二階家や余剰が暗躍した。『党の底なし沼』に沈められた議員は皆、正当民主主義の議員だった。
石橋は、文字通り売った。この国を。『移民政策』の仕上げとして、この国を『大臣総意』の名の下に、『白蟻国日野本自治区』に改名したのだ。
『戸籍廃絶法案』と揶揄された、『夫婦別名字法案』が、ゴリ押しに進められる中、『年貢省解体デモ』の参加者を中心に、『政府解体デモ』を全国で始めた。
突如、リーダーが現れた。どう見ても、その顔は『豚』だった。
皆、どこから仮面を入手したのか、と記者達は訝ったが、それは、皮膚だった。
リーダーと思いをシンクロした者は『豚人間』になったのだ。
それは、殺人菌とあだ名された流行菌よりも急速に『感染』して言った。
人から人へ、『見ただけ』で感染するのだ。
豚人間達は、テレビ局に殺到し、ブヒー!!と鳴くと、視聴者は皆、豚人間になって言った。ならないのは、心がシンクロしないからだ。
そして、シンクロしない者は死んで行った。
豚人間達は、『天上人』のように振る舞い、流行菌対策をしなかった『学者会議』という団体のメンバーを探し出し、睨んだ。睨まれたメンバーは、すぐ絶命した。
同じく対策をしなかった、尾頭会長初め、『専門的会議』のメンバーは絶命した。
官製諒は、残らず絶命した。
行進を止める者はいない。心がシンクロした警備員や警察官が豚人間化してしまうから。
オールドメディアを利用して『アベチガー』を操っていた、事務官は官製諒と共に葬られた。睨まれて。年貢省のラスボス、矢沢与一も例外では無かった。
最後は大臣、元大臣、主席だった。
半日もかからない、仕事、だが、大仕事だった。
主席を、その席から引きずり下ろした、リーダーの豚人間は、三度雄叫びをした。
すると、まるでCGのように、リーダーの豚人間の顔は、人間の顔に戻って行った。
何と、その顔は阿部知貴惠だった。
「今から、我々が統治する。国の名前は『日の丸国』、略して、『日本』!!」
貴惠は、それから5年、国の建て直しに腐心し、首相以下は、『国民直接投票』で選ばせた。
外国から、白蟻国も、それ以外の外国も、日本民族にシンクロしない者は入国出来なかった。何故、入国出来なかったか?入管は『豚人間』だったから。
国民に選ばれた総理は、電波オークションを行い、新聞社を国営にした。
総理の名は、『嘉市早苗』だった。
―完―