「ねぇ湯山くん、良かったら一緒に帰らない?」
「え?」
動ける程度に回復した僕が帰り支度を進めているとカブちゃんが気さくに話しかけてきた。このUMAは先ほど僕に何をしたのか覚えていないのだろうか?
「いやでも……なんで僕なの?一緒に帰るなら同じ女の子の方がいいじゃん」
「いやいや、だってあれから皆の匂いをクンクン嗅いでみたんだけど湯山くんが一番好みなんだよね!!」
好みってなんだ?血か?僕の血がお口に合ってしまったのか???なんてこった、今すぐ血液全部取り出して新しい血を輸血してぇ。
「私この辺に詳しくないし、湯山くんのおすすめスポットとか教えてよ」
勘弁してくれ、僕のおすすめスポットを知って何をするつもりだ?待ち伏せか?それとも人気のないところに連れて行ってミイラになるまで吸いつくすつもりか?
「いや……でも………」
「なぁに?湯山くん、ひょっとして……」
カブちゃんが僕の耳元で囁く。
「照れてるの?可愛い―」
恐怖してんだよ!!
「安心して、湯山くんは私の好みだけどそんなすぐに取って喰ったりしないから!!」
すぐにってなんだ?お前は僕をいつ取って喰うつもりなのだ!!??
「あっ、私はお花つんでくるからちょっと待っててね」
「ふっ、ドキドキしているか?幸一」
「雄一郎!!ちょどいい、お前も一緒に」
すると雄一郎はくるりと踵を返した。予想不能な行為に固まっていると
「嫉妬で狂いそうだが…今日はお前に花を持たせてやるよ…雄一郎はクールに去るぜ」
何故か凛々しささえ感じる後ろ姿のまま教室から出ていった。
「妙な気を利かせるな…そういうんじゃないだろぉぉぉ!!!」
僕の絶叫は虚しくこだまするのであった。