白い天井が僕に清々しい圧迫感を与えていた。保健室と言うのは独特の空気感があるものであるが、意外とこれが嫌いではない。
「もともと血の気は少ないタイプだが……死ぬかと思ったぁ」
「ごめんね湯山くん、人間なんて血が無くなったら死ぬ雑魚い生き物だって知っていたのに、あんまり美味しかったから致死量ぎりぎりまで飲んじゃった」
雑魚い生物ですいません。そして吸わないでください。
「へーー」
と言うか、ギリギリ命の火を燃やしているようなヤバい状況なら保健室ではなく然るべき医療機関に担ぎ込むべきだと思うのは素人考えなのだろうか?
「にしても湯山くんったら普段何食べていたらあんなに美味しい血になるの?人間を養殖するときの参考にしたいから教えてよ」
さり気にとんでもないこと言ってない?チュパカブラに管理されたディストピアの門が開きそうになってない?
「いやぁ、そんな特別なものは食べてないよ。強いていれば人より豚肉を多く食べてるくらいで」
「ふーん、でも豚の血ってあんまり美味しくないんだよね……でも人の血を美味しくする酵素とかは入ってるってことなのかな?」
その後、一人でうんうんとうねった後にカブちゃんが大きく手を振って「バイバイ、また吸わせてね」と不穏極まりないことを言いながら保健室から出ていった。僕としては人類に、特に僕に危機をもたらす存在にならないことを祈るだけである。
「緊急事態だな」
「雄一郎!!??」
ベッドの下からにゅるりと雄一郎が這い出てきた。こいつは一体いつからそこに隠れていたのだろう?って言うかなんで隠れてたんだこいつ。
「流石のお前でもヤバさが分かったか!何か対抗策を「幸一てめぇ!!俺をさし置いて彼女が出来そうだなんて許さねぇぞ!!!!俺たちはいつでも一緒だって誓ったろうが」………」
肩をぶんぶんと前後に揺らされながら鬼気迫る顔を見せられる……そんな誓いしてねーよな……
「今具合悪いから身体動かすの止めろ。頭が………ボーっとする………」
「あっすまん……つい」
人間を養殖するなら是非ともこいつを最初にしてほしいと願う僕は人でなしでしょうか。