「ふぃ~~サッカー頑張ったからお腹減ったぁ」
カブちゃんが僕の方に身を乗り出してきた。
「おっ、湯山くん今日のお弁当は男らしく肉丼?いいじゃん精がつくね!!」
鋭い八重歯がきらりと光る……この牙の餌食になりたくなければ肉をよこせと言うのか?弱肉強食の摂理に従い、弱き者は強きUMAに食べ物を献上しろというのか?
「よかったら食べる?」
「え?いや、いいよいいよ……私お肉あんまり食べないし」
「いやいや、どうぞどうぞ。美味しくどうぞ」
自分の肉が食われるくらいなら豚肉くらいいくらでもくれてやる。
そう思っているとカブちゃんが少し照れた様子で頬をかいた。
「えっとじゃあ……そこまで言うなら………お言葉に甘えていただこうかな?」
「どうぞぉぉ!!!」
よし、これで僕の身体は守られた。豚肉君、お前は僕の身体の一部にはならなかったけれどそれ以上に大切な役目を全うしてくれたよ!!
そんなことを思っていると首筋にガブリと食いつかれた。
「え?」
チューチュー音を立てながら僕の血液をドンドン吸い取っていく……抵抗したいが目を見張ることくらいしかできない。
「うわぁぁ、湯山君の血液おいしぃぃぃ♡人間の分際でやるじゃん!!!」
しまった…………意識が…………
「なんてこった!!」
おお……雄一郎………助けてくれ。
「いきなり首にチューされるなんて……お前どんな手を使いやがった幸一!!!」
この豚野郎……お前が血を吸われれば良かった………のに………
消えていく意識の中、チューチューという音だけが鼓膜を揺らしていた。