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僕と同居している自称健全的ストーカーのアプローチは恥を知らない
僕と同居している自称健全的ストーカーのアプローチは恥を知らない
曇りの夜空
恋愛現代恋愛
2025年03月07日
公開日
7.8万字
連載中
「大丈夫ですか?おっぱい揉みますか?」って笑顔で言えるタイプの元ストーカーです!!

僕と同居している白髪の美少女、初川真絹は僕和倉詠史の元ストーカーである。
この女僕に対する羞恥心ってやつをさっぱりもっていないようだ。
この物語はそんな真絹が僕を篭絡するために悪戦苦闘するお話……あくまにも健全的にね。


和倉詠史
本作の主人公にして主にツッコミ役
自分は比較的常識人であると信じているが、結構ズレているところが多々ある。自分の決めたことには頑固で無責任なこととプライドが許さないことは絶対にしたくない質
身長が低いことが軽いコンプレックス
異様なまでにタフなメンタルが一番の武器だと自負している
真絹のことは好意的に思っているが、恋愛感情が湧いていないので付き合うつもりは今のところない。
生半可な覚悟で付き合ったなら自分の肉体が終わると悟っている。

初川真絹
本作の主人公兼ヒロイン そして元ストーカー
詠史のことを狂気的に愛していることとそもそもの価値観がかなりズレているタイプの女の子
健全的に生きることを信念にしているが、あくまでも自分の中で形作られた健全的なので一般的なそれとはずれがある。
出生や親族関係に色々秘密にしていることがあるのだが全てを詠史に教えたいと考えている。ただ、明かすにもタイミングを計っているのが現状である。

第1話 元ストーカーと一緒に暮らしてます

 僕にはストーカーがいた。昔は謎のピッキング技術を使いこっそりと部屋に入ってきたものだが、今では堂々と部屋に入ってこれる立場になってしまっている。


「チュンチュン、チュンチュンです」


 爽やかな風の音と、綺麗なアホの声が僕の鼓膜を揺らした。半分夢の中に意識を残しながらも僕は目を覚ます。


「チューチューしてくださいです」


 フィクションの世界では、朝起こしに来るのは母親か幼馴染だと相場が決まっている。だが、現実というものはよっぽど奇なり。僕を起こしているのは、幼馴染でも母親でもなく本性を知らなければ、うっとりしてしまうほどの美貌を放っている…しかしこいつが僕の元ストーカーなのだ。ちなみに厄介度で言えば、ストーカーでなくなった今の方が上だ。


 最近はこの顔を見ないと完全に目が覚めなくなってしまった。


「おはよう真絹」


「おはようございます!!昨日は可愛がってくださってありがとうございました!!」


「まるで僕がお前に手を出したみたいに言うな」


「いつ手を出してくださってもいいんですよ♡朝チュンどんとこいってもんです!!」


 胸を叩く代わりなのか、白魚の様な指で自分の胸元をグイっと引っ張って美しい白の双丘を見せつけてくる………朝一番にしては刺激的すぎる。夢から完全に帰ってきた意識君がさらに覚醒してしまうではないか。


「何せ私は身も心もついでに人権も全て詠史さんに捧げた女ですから」


 ついでで人権を捧げるな。


「全部まとめてお返しするわ」


 僕の名前は和倉詠史、手を出したら精も魂もまとめて吸いつくされそうな元ストーカーに適量を大きく超えた純愛を注がれてしまっている男だ。


「返品不可になっております♡」


「そもそも頼んでねーよ」


 この物語は、そんな僕と元ストーカー女、初川真絹の日常を描いたものである。



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