相沢蒼依
BLオメガバース
2025年03月05日
公開日
5,990字
連載中
青陵高校2年B組の西野陽太は、クラスでは委員長、バスケ部ではシューティングガードで活躍する、明るい自信家のアルファ。
フェロモンで周囲を惹きつけるアルファの陽太は2年のクラス替えで、目の前にいる月岡悠真の足元に消しゴムを落とした。悠真が消しゴムに気づきそれを拾い、そこではじめてお互い会話を交わす。
その日の放課後、図書室で本を落とした悠真を陽太がタイミングよく助けた。目の前で柔らかくほほ笑みながらお礼を言った悠真の笑顔に、陽太は一目惚れする。
なにげない出来事で胸の高鳴りを感じた陽太は、悠真を『運命の番』と認定。次の日からアルファのフェロモンを使いまくり、悠真を落とそうと試みるが、ベタの悠真はフェロモンを感じることができない体質だった。
果たして恋に不慣れな高飛車アルファの陽太は、恋をまったく知らないド天然ベタの悠真と『運命の番』になれるでしょうか⁉
(ネオページ契約作品:月水金曜日更新予定)
(表紙イラスト:ひゃくさん)
第1話
この世には、アルファ・ベタ・オメガというバース性が存在する。近年、アルファの出生率が減っている中で、俺がアルファで生まれた際は両親はもちろん、親戚までそろって大喜びだったらしい。
「人の先頭に立って、あたたかく導ける存在になってほしい」――そんな願いを込めて、俺は『陽太』と名付けられた。
アルファの父から英才教育を受け、フェロモンを使ってほかのアルファを牽制したり、ベタやオメガを惹きつけて、自分の駒にする方法を教わった。
でも正直、そんなことに俺はまるで興味がなかった。俺はただ、出逢う人たちみんなと仲良くできればいいと思っていた。
それなのに、アルファのフェロモンはそれを許してくれなかった。感情が昂ると勝手に溢れ出て、オメガたちが俺を巡って取り合いをはじめたり、ほかのアルファが喧嘩をしかけてきたこともあった。
子どもの頃は、そんなことがしょっちゅうだった。だけど年を重ねるごとに、フェロモンも少しずつコントロールできるようになってからは、なんとか普通に学校生活を送れるようになった。
青陵高校に入学したとき、いつか運命の番に出逢えるかもしれないと、胸をワクワクさせながら、新しい日々をスタートさせた。
アルファのリーダーシップを活かしてクラスを盛り上げ、2年になった今ではクラスメイトから頼られる存在に。フェロモンがきっかけで時々騒ぎを起こしても、俺は笑顔でなんとか乗り越えてきた――クラスメイトの月岡悠真と出逢うまでは。