只今治療中の猫ナナヨさん。
やけに細いなぁと思ったら、なんとマンソンとコクシのダブル寄生でした。
飼い主に棄てられて24時間以内にボランティアに保護された猫が、内部寄生虫を抱えているとはどういうことなのか?
毎週のように猫が棄てられている石垣島の緑地公園。
ナナヨが棄てられたのは2月の終わり頃でした。
時期的に引っ越し都合で棄てられた飼い猫と思われます。
とても人懐っこく初対面のボラにすり寄る猫だったため、すぐに保護されて避妊手術を受けました。
引っ越し先で猫が飼えないなら、親戚や知り合いに預けるとか、里親を探すとか、何故しないのでしょうね。
道具か何かと同じに考えているのでしょうか。
ペットの遺棄は法律で犯罪とされています。
それなのに、この緑地公園では10年以上前から猫の遺棄が続いています。
1年間に棄てられる猫の数は100匹を超えることもあります。
ナナヨが棄てられた月には、他にも棄てられた猫が複数いました。
この公園に棄てられた猫たちは、大体1~2年で姿を消したり、病気や事故で死んでいきます。
避妊手術時の体重1.8kg、仔猫に見えるナナヨ。
しかしその胎内には、新たな命が宿っていました。
残念ながら目視では分からない初期の妊娠だった為、開腹してから妊娠に気付いた獣医師はそのまま堕胎手術を施したそうです。
もしも事前に分かっていれば、うちで産ませてから避妊手術したのに。
細くて小柄、妊娠の気配を感じさせなかったナナヨ。
術後保護中に下痢をしたのでボラが病院へ検便に出したところ、マンソン裂頭条虫とコクシジウムのオーシストと呼ばれる虫卵が検出されたのでした。
マンソンとコクシは、それぞれ違う駆虫薬が必要です。
マンソン裂頭条虫の駆虫薬はプラジクアンテルまたはプラジカンテル系の薬で、経口投与または皮下注射で投与します。
コクシジウムの駆虫薬はメトロニダゾール(製品名:フラジール)という抗生剤を使うことが多いですが、ラリマーではプロコックスを使用しています。
異なる薬を同時投与は効果を打ち消し合ったり猫の健康に問題が出たりする可能性があるため、先にマンソン薬を投与、1週間ほど経ってからコクシの薬を投与する予定です。
ナナヨは3/9にマンソン薬を投与したところ、吐いてしまって投薬失敗。
錠剤は体外に出てしまったものの多少は影響があるだろうとのことで、3/28にマンソン薬の注射を打つことになりました。
痩せすぎ猫からマンソンが見つかることはよくあります。
仔猫からコクシジウムが見つかることもよくあります。
猫を保護したら、必ず検便をしましょう。