「へえ~そんな便利なものを神樹はくれるのか。それがあれば魔物の大群も夢じゃないのか」
「ふふ~ん♪」
すごいのは
恥ずかしい。
「すごいのは
的確なつっこみに私は
恥ずかしいし、悔しいけど、何か大事なことを忘れている気がして本気で恥ずかしがれなかった。本気で恥ずかしがるとはそもそも何なのかという話だけど……
「あ……!あんたの荷物のほかにオークが持っているものなかった?」
「なんかはあったと思うぜ。大分ボロボロになってたけど、用があるのか?」
ある。その事実がうれしい。オークは賢いからもしかしたらと思ってたけど、やっぱりあったんだ!
衝動に駆られて何も言わずに走り出してしまった。
自分の愚かさに気づいたのは大分進んでからだった。
荷物の場所が分からない!どうしよう。もどって教えてもらおうかな。それともついてきてもらったほうが……なんて考えていると、リュシェの声が聞こえた。
「まっすぐ進んだ一番奥にあるぞ~!」
本人が案内しに来てくれたわけではなかったが、情報だけでもありがたかった。
というか、入り口で叫んでここまで届くってどんな声量なんだろう。私がここで叫んでも、届かないので洞窟から出てからお礼を言おう。
リュシェの言う通り、まっすぐ進んだ先の部屋にそれはあった。錆びた鉄の剣。ボロボロで何と書いてあるか読めないけれど、ここにはこれしかないので、多分これで合ってる。そばにあった鞘を拾って剣をしまう。
「リュシェありがと」
「いいってことよ!ところで、そんなボロ剣どうするつもりだ?」
「まあちょっと贈り物をね。待ってて、すぐ戻るから」
♦
行く時と同じ道を通って村に着く。
ミユの部屋をノックすると、すぐに返事が返ってきた。寝れなかったのだろう。
「これ。たぶんお兄さんの」
洞窟で拾った剣をミユに渡す。
「これは……お兄の。でも何で?」
「賢いオークなら妖精の落し物は放っておかないとおもってね」
彼女はボロボロになった鞘を抱きしめている。泣き兄の形見に会えたのだ。当然といえば当然か。
「それじゃあ。ご飯おいしかったと伝えてくれ」
そう言い残し扉を閉めようとすると、扉が反発してきた。扉に意思が芽生えた訳もなく、ミユが閉じまいと必死に扉を抑えていた。
「どういうこと?どっか行っちゃうの?」
涙ぐむ彼女の目は必死に何かを求めていた。私もこんな目をすることができるだろうか。
「いかなくちゃいけないんだ」
「なんで?ミユたちが妖精だから?ノアが魔族だから?」
今にも泣きだしそうな口調で問いかけてくる。胸が痛いけれど、ここで止まるわけにはいかない。
「そんなの関係ないさ。ミユたちもそう接してくれたでしょ。私の夢のために行かなきゃいけないの。だから……泣かないで」
「夢のため……なら私、応援する。笑って送り出してあげるから、ちゃんと叶えてきてね」
ミユの言葉に静かにうなずき、ミユの家を後にした。
当初の目的は、子供に
リュシェを待たせているので、早く戻らないといけない。
♦
「遅かったな」
「だから、届け物に行ってたの!そう言うあんたこそ準備はもういいんでしょうね」
「ばっちりだぜ!」
リュシェも準備OKとのことなので、魔界に出発することにした。
「妖精界と、魔界の間にはでかい崖があるだろ。どうやって突破するんだ?」
「来るときはどうしたのよ」
「……それが、疲れすぎてて記憶がない」
あきれた。なんでそんなになるまで歩き続けたのだろう。あげくオークの洞窟で寝るし、バカなのだろうか。
「ならこのまま進んで、魔防壁があったらそれに沿って北へ向かうわよ」
「何で北?」
妖精界では崖沿いに魔法で防壁を作ってる。危険な魔物や魔族が入ってこないように。だけど……
「この世界は神樹と共に
「確かにそうか!そこなら気にせずに飛べるのか!いや待てよ、オク太郎はどうすんだよ」
「二人で持ち上げれば何とかなるわ。たぶん」
「何とかなるか!そっか!ところで、俺はどうやって
「しらないわよ!!!」