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ep.9 懺悔③

「湖の奥の洞窟、湖の奥の洞窟……」


 ミユのセリフを復唱しながら洞窟を探す。

 弓矢と魔法を使い、妖精界に生息している魔物。それはオークだ。魔物の中でも頭のいいほうだから武器や魔法なんかが使える。厄介だけど、弓使いと魔法使いだけなら、引き寄せる魔法アトラクトで近距離先頭に持ち込めば簡単に勝てる。

 ついでに魔物に対する幻想のナイフミラージュナイフの実験もしてみよっと。


 夜の森はもっと不気味だと思っていたけれど、大きな月と満天の星空で神秘的な雰囲気だった。気温もちょうどよく、夜風が心地いい。ずっとここにいてもいいくらいの場所だ。


 気持ちい夜の散歩も終わりを迎え、目的地に到着した。洞窟の中はよく見えないけれどオークが数匹眠っている。

 あれだけならちょろいのだけど、近くの木の上に見張りらしきオークがいる。角笛を腰にぶら下げてしっかり見張っている。だけど一匹だけだし、殺して断末魔でほかのオークに起きられても面倒だから実験で使おう。

 賢さに感動しながら木に上り、背後から幻想のナイフミラージュナイフを刺す。


 再び目を開けると、玉座の目の前だった。守護者もいないし、額縁には三大欲求が描かれているだけだった。あっけなさに少しがっかりしながら、絵をナイフで刺す。絵は消えて、代わりに私の写真に入れ替わる。貴族のころの写真なのでいい笑顔だ。家族を失ってからは一度も写真を撮っていないからだろう。

 ほかにすることもないので帰ることにした。


「帰る」


 扉をくぐり、魔界へ戻る。


「さて、何をお願いしようかな?」

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