ある日突然、猫になってしまった主人公。
そこで思いつくのが「猫好きな思い人・真崎珠美の所に向かって可愛がってもらう、あわよくば飼ってもらう」という野望なあたり、なかなかに逞しい。
人間のままであれば珠美の彼氏・柚木孝雄に勝てるわけがなく、終ぞ味わうことはできなかったであろう彼女の温もり。一時はそれを手にすることに成功するのだが・・・・・・。
人間のままであろうが猫になろうが、相思相愛の二人の間に割り込む余地なんて無い。ぶっちゃけ主人公の立ち位置はただの「片思いこじらせてるだけの接点ない人」なのだから、当たり前っちゃ当たり前の現実。それをありありと突きつけられる様は、いっそ接点の人間のままだったときよりも惨めなもので・・・・・。
最後、せめて彼女の幸せを願うですらなく、ただただ絶望して去って行く様は、その深さをありありと感じられますね。
途中まではわりかしコミカルな語り口調もあったりするのが、最後ぎっしりとした絶望と虚無の独白に変貌する話の緩急や、ある種の教訓話を思わせるような話の展開が強く印象に残る。そんな一作でございました。
余談ですが、ぼんげさんはNTRはNG派です()