将太がリサを見る。リサがビックとしたのを見て話しだす。
「リサさんが言わないのなら俺が言います。道場の倉庫に愛梨奈を抱いたままリサさんが閉じ込められました。」
才木監督が将太の方に顔を向け口を開く。
「誰に?」
「女子2人組。」腕組をしながら将太が答える。
「学生かな?」泣きそうな怒りのような何とも言えない表情の真央(理事長)が聞く。
「たぶん。」将太が険しい顔で答え続ける
「たまたま、リサさんがポケットに携帯を持っていたから大事にならなくてすんだんですが持ってなかったら愛梨奈はあんな寒い所に閉じ込められて低体温症になってたかもしれないイタズラじゃなくて犯罪だぞ。」
「私が‥‥‥‥‥‥みんなとのキョリを間違ったから‥‥‥‥。」リサは俯き握った手に力が入る。
「「「違う!」」」
3人の声が重なる。
「監督、コーチでもない。先生でも親でもない。でも、自分を全力で支えてくれてるって思える存在がリサなんだよ。今までいなかった存在がみんなの支えになり力になってる。みんな強くなってるし強くなる事に貪欲になっている。それが今の良いキョリだ。」監督が‥‥リサの頭をグシャっと撫ぜる。
「悩んでる時に‥‥‥買い物手伝って!って必ず声をかけてくれる。毎回なんで‥‥‥ちゃんと見て分かってるな。って思えて‥‥‥‥‥‥‥うれしい‥‥‥。」
最後は小さい声で照れたように言う将太の肩をボンっとたたいて真央が口をひらく。
「私もリサはよくやってる。間違ってない。それに私は、リサと学生の恋も良いと思ってる。」
将太は頷くがリサと才木監督は‥‥‥ビックリして真央をみる。
「あ〜未成年はダメよ。そこは20歳まで待ってもらうしかないけど成人なら大丈夫!18歳でも成人なんだけどね。なんとなく20歳かな‥‥(笑)
だからキョリは関係ない。やってしまった2人が悪い。防犯カメラがあるからすぐわかると思う。甘いかもしれないけど‥‥‥‥処分は1週間の謹慎でお願いしたい。処分なしでは後から真似をする子が出たら困るから〜処分はする。良い?」
「だったら余計にもっと重たい処分にしたほうが‥‥‥」将太は言いながらリサをみる。リサが自分自身を責めてるように思えて最後まで言わなかった。
「それでお願いします。」っと才木が言う。
「リサ?いい?」真央が優しく頭を撫ぜながら言う。
「はい。」リサは返事をする。