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第14話 ヒーロー

手を摑まれる‥‥‥っと思った瞬間に周平との間に誰かが入ってきた。

誰??

将太くんだった‥‥‥。

「邪魔しないでくれる?」

「嫌がって見えたのですみません。」

「妻だから!どいて?」

「はぁ?元だろ?今は関係ない。」

ヤバイ!どうしよう。人の目も集まってくる。こんな事で将太くんの日本代表にキズがついてはいけない。私がしっかりしないと!?

「要件は弁護士を通してください。失礼します。」

っと周平の目を見て言った。どこに歩き出せば良いかわからないけど‥‥‥Uターンして歩きだす。将太くんも横に並び歩く。

「どこに行くんっすか?」

「わからない。とりあえず隆くんあっ!弁護士さんね。電話したい。」

「わかりました。後、理事長にも指示を仰ぎましょう。」

「うん。どうしよう。とりあえず前に見えるご飯屋さんに入ろう!」

「わかりました。」

和食の店が目に入り、そのまま入る。後ろを振り返るが周平の姿は見えない。はぁ~よかった。

女将さんが「赤ちゃんおってやから和室がえぇね。」って個室に案内してくれた。

「ってか!将太くんが大阪に?っていうか〜日本代表なんやから行動を気を付けて。」

「日本代表の研修で大阪に‥‥‥。めっちゃ退屈やった。あんな事もできんのんやったら日本代表なんてならん。人助けやし!」

「そっか〜。そうやな。ありがとう。助かった。」

「うん。」

もう大丈夫と思うと手が震えてきた。

「見て!」手を将太の前に出す。

「落ち着いたら、怖さがぶり返して手が震えてきた!!」

「ほんまやな。もう大丈夫や。ってか早く連絡しよう。俺は理事長に連絡するから〜弁護士さんにでんして。」

「うん。」

隆くんに電話する。

「もしもし?もう、奈良に着いた?」

「ううん。まだ、大阪。ちょっと困った事になってて、マリと別れた後に奈良に帰ろうと駅に行ったら周平が待ち伏せしてて‥‥‥手を摑まれそうやったんやけど、たまち大学の柔道部の学生がいて助けてくれたんよ。恐くなって学生と一緒に近くの和食屋さんに入ってるんやけど‥‥‥。どうしよう??」

「何もケガがなくてよかった。怖かったやろ?周平のヤツ‥‥‥。そのお店を今は動かないで近くにいて付けられたら奈良の大学がバレたら厄介だから。」

「あっ!そうなったら大学にいられない。」考えたら悲しくなり涙がたまる。

「大丈夫!そうならないように周平を確保して事務所で話を聞くから!周平を捕まえたら連絡するからそれまではそこにいて。ゆっくりご飯食べてて!」


「どうだった?」将太が心配そうに聞いてくる。

「付けられて、今の生活圏域がバレたら大変だから、弁護士さんがとりあえず、確保して事務所で話を聞くから、確保したら連絡するからそれまでは動かないでって‥‥‥。時間大丈夫??先に帰っていいよ。」

「イヤイヤ。帰れない。一緒にかえります。」

「ありがとう。じゃ〜何かたべよう!」

「ウッス」

「真央さんはなんて?」

「弁護士さんの指示に任せようっとは言ってたけど今からすぐにここに迎えに来るって‥」

「そっか。また、迷惑かけちゃったなー。」ちょっと落ち込む。

「大丈夫ですよ。理事長も俺も助けられて良かった。って思ってるから!」

「ありがとう。真央さんが着く頃には周平も隆君につかまってると思う。」

「そうっすね。理事長に連絡しときます。」

「あっ!私が‥‥‥。」「え〜ん。え〜ん。」愛梨奈が泣き出した。

「俺が連絡しとくんで愛梨奈をお願いします。」

「はい。」愛梨奈を抱っこする。あ〜ミルクあげないとな‥‥‥。って思ってたら将太くんが愛梨奈に手を出して抱っこを代わってくれた。

ケラケラ笑う愛梨奈の声が響く。

良かった。愛梨奈は恐くなかったかな??母親の異変をくみ取って今まで大人しくしてくれてた。しっかりしないとな‥‥‥。将太くんがいなかったら、家に連れて帰られてたかも‥‥‥。




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