引っ越しの片付けを終えて‥‥‥愛梨奈と一緒に道場に行く。働くのは来週からと言われていたが、少しでも早く顔と名前を覚えたい。
今は羽野将太君しか覚えてない〜〜。早く覚えたいな〜。
緑が多い大学で散歩するのも楽しいな〜。
道場に行ったあとで真央さんに会いに大学にも行ってみよう。
「愛梨奈!ばぁー!」才木監督が声をかけてくれる。
「お疲れ様です。」
「オツカレ〜!どうした??」
「あっ。少しでも早く顔と名前を覚えたくて‥‥‥。気が散りますか??」
「いいや。大丈夫。でも、肩の力抜いて楽にな!」
「ありがとうございます。」
バーン・バーンと畳に倒れる音が響く。
めっちゃ汗だな。水分補給は大事だなー。
柔道とスポーツ栄養の本を買いに行きたいな〜。
本屋さんってあるのかな?聞いてみよう。
「休憩!」っと声がかかると学生が集まってくる。
「何歳?」
「31歳です。おばさんでごめんなさい。」
「全然。見えない。」「かわいい」
はぁ〜なんて良いコ達なんだろう!!!
「イヤイヤ。ありがとう。飴あげる!」ハハハハハハハハハハハハ。
皆、良いコ達っぽくてよかった。
「よかったら、名前を教えて欲しい。」
「オレ‥‥坂本ケンシロウ1回生です。」
「坂本くん。ありがとう。」
「自分は瀬戸祐希です。」
「瀬戸くんありがとう。」‥‥‥。10人の名前を聞いた。よしっ!!覚える。
「あっ。本屋さん近くにある?」
「「あります。一緒に行きましょう。」」
「練習は?終わり?」
「終わりじゃないよね??自分、終わりなんで行きます。」
「羽野くん。ありがとう」
「えぇー俺も行きたい。」「自分も行きます。」
「えぇーえぇー。そんなについて行ってくれるの??ありがとう。柔道の事を勉強しようと思ってるの。良い本を探して!」
「「「はい」」」心強い。
結局‥‥羽野くんと坂本くんと瀬戸くんがついて行ってくれる事になった。おかげで無事に本を購入できた。
帰りにみんなでコーヒーショップに寄って休憩する。
甘いものを注文する3人に聞く。
「甘いもの食べて大丈夫?才木監督に怒られない?」
「試合がないので今は大丈夫っす」羽野くんが答えてくれる。
「そっかー。ずっと減量してるわけじゃないんだね‥‥。」
色々きいたりきかれたりしてたら時間はすぐに過ぎて‥‥‥。
「練習再開だな‥‥」
「帰るか〜。」
道場に帰ってくると3人はすぐに練習に戻った。
汗を袖口で拭って‥‥‥みんな輝いてるな‥‥‥。
すごいな。
私って、こんなに何かにかけた事はなかったな‥‥。何となくで大学に行って‥‥就職したけど妊娠した時にアッサリ辞めた。何かにのめり込みたいな〜。何かをみつけてみたい。
理事長室の前でノックする
「はぁ〜い。」
「リサです。」
「りさ?入って!」
「はい。」
「どうしたの?」
「散歩がてら真央さんに会いにきた。」
「えぇー。うれしい。えりな〜〜。」
真央さんは愛梨奈を抱く。
「毎日かわいいね。どう?寝れた?」
「私も愛梨奈もぐっすりです。」
「よかった。何かいるものあったら言ってね。」
「ありがとう。さっき本屋に行ってきたんですけど‥‥‥羽野くんと坂本くんと瀬戸くんがついて行ってくれました。」
「すごい。3人とも日本代表よ!」
「すごい!!3人とも??」
「日本代表の合宿地にも選ばれるから〜これからたくさん日本代表に会えるよ。」
「そうなんだー。ますます勉強しないと!」
「勉強??」
「うん。柔道もスポーツ栄養もわからないから勉強しようと本を買ってきまさした。」
「そっか〜。ムリだけはしないでね!!」
「はい。」
「えりな保育園どうするの?」
「はい。あした、申し込みしてきます。」
「3歳まではうちの託児所をつかわない??」
「いいんですか?」
「もちろん。私が暇な時はここで私がみるから!」