寝る愛梨奈を見ながら静かに涙をながす。

もう、一緒にはいられない。

頼れる両親も実家もない。

浮かぶのはマリだけ。

マリの所はすぐに見つかるだろうな。

すでに、周平が隆くんに連絡してるかもしれない。

考えてるうちに朝がきた。

周平が仕事に出るまでは寝室をでずに愛梨奈をあやしていた。

「行ってきます。」っと寝室の扉をあけて声をかけてくるが‥‥‥何も言わなかった。

ふー。っと深呼吸をして‥‥愛梨奈と一緒にリビングに出る。

今日‥‥‥家を出たいな‥‥。行く所‥‥‥。周平も行く所がないのを知っていて‥‥‥仕事に出掛けたんだろうな。「行ってきます。」とワザワザ寝室の戸をあけて。頼る所がないのをわかっているから、愛梨奈を連れて離婚なんかないと高を括っているんだろうな。悔しいな‥‥‥。っと考えていると涙が溢れてきた。上を見上げる。もう、泣かない。

その時に携帯がなる。マリだった。

「もしもし？リサ？大丈夫？」

「マリ‥‥‥。」涙がとまらない。

「昨日、周平くんから隆に電話があったの。隆もすごく怒ってた。」

「うん。」

「とりあえず、今からそっちに行っていい？?」

「うん。お願い。」

少しするとまりが来てくれた。

「リサ」っと抱きしめてくれた。声を出して泣いた。

「とりあえず、うちに愛梨奈ちゃんと一緒においで！」

「いいの？」

「いいに決まってる。隆が迎えにいってこいって言ってくれた。1週間分ぐらいの荷物を用意しよう。後はどうするか考えてどう決めても隆が中に入ってもいいんだけど、隆だったら周平くんなめそうだから隆の先輩にまかせればいいって！」隆君は弁護士。

「うん。ありがとう。助かる。」

「うん。荷物準備しよう。」

「うん。」

愛梨奈と一緒にマリの家にお世話になる。

愛梨奈は海君と一緒にあーあー。って話してる。

かわいいなぁー。っと思うのと同時に愛梨奈に申し訳なくて泣きそうになる。

「ただいま〜。」っと隆君が帰ってくる

「おかえりなさい。お邪魔してます。」

「うん。いっぱい食べて、いっぱい寝て、元気になれ！！いつまでもいてくれていいから。」

「ありがとう。」優しさがしみて、また泣きそうになる。それを見てたマリが

「あーあーあー。隆が泣かした！！」っと騒ぐ。

ワッハハハっと笑う。私‥‥普通に笑える大丈夫！っと思えた。

海君と愛梨奈を寝かしてから3人がリビングに集まる。

「隆くん。私離婚したい。もちろん親権も渡さない。」

「うん。そうだよね。当たり前だよ。」っとまりは言う。

「今すぐ結論を出さなくて良いんだよ。もっとゆっくり考えても‥‥‥。」隆君は諭すように言う。

「うん。でも、盗聴器を警察に届ける事を拒否した瞬間に私は決心したんだ。」

「「‥‥‥。」」

「迷いなく届けるって言ってくれていたら違う結果になっていたかもしれない。」

「うん。わかった。条件は決めてる？」

「ううん。どんな条件があるかもわからない。」

「うん。そうだね。」

「慰謝料と養育費があるね。」

「慰謝料は取りたい。」

「うん。養育費は？」

「養育費をもらうと会わせないといけないんだよね？？」

「いけない事はないけど面会を主張してくるだろうね。」

「だったら慰謝料だけでよい。」

「うん。相手からも取れるから最大限にとろう。あと‥‥‥財産分与も請求できるから。」

「うん。ありがとう。」

「俺なら周平がなめるだろうから先輩に頼むね。費用の心配はいらないから。費用も上乗せで周平に請求するから！」

「何から何までありがとう。」

「辛かったね。りさは強いよ。」っとマリが抱きしめくれて、また泣いてしまう。

「ゆっくり寝てね。おやすみ。」っマリが言ってくれる。2人がいて本当によかった。

部屋で愛梨奈を見ながら‥‥これからの事を考える。

まず、仕事と住む所を探さないと‥‥‥‥。

携帯で探していると〜〜。子供の頃に住んでいた所の求人を目にする。

住み込みの大学の柔道部の寮母さんか〜。家事は得意だし出来るかな？？3ヶ月の赤ちゃんがいるとムリかな？？って見ていると責任者の所に大学の理事長の名前が書いてあり‥‥‥。この名前に見覚えある。誰だったかな‥‥‥。考えても出てこずそのまま寝落ちしてしまった。