執務室で待機していると‥‥‥パソコンがなる。堀田が俺のIDでログインした合図。執務室をでて堀田がいる営業部に急ぐ。営業部につくとデータをコピーした堀田がいる。
「あっ。あっ。これは‥‥。」
「堀田さん、話はゆっくり聞きます。」と大和が穏やかに言う。
「お前等に話す事はない。」堀田が声を荒げる。
「なぜ、俺等がここにいるかわかるか?」陸が堀田を睨む
「‥‥‥。」
「岡田さちって知ってるよな?」
「さち‥‥‥‥。」堀田は項垂れて静かに執務室について行く。
「動機は岡田さちさんから聞いています。」大和が話しだす。
「我々は堀田製作所との契約解除はやむを得なかったと考えています。」
「はい。頭では当然の事だとわかっているんですが‥‥‥親父を亡くした喪失感を復讐にかえてしまった。」っと嗚咽混じりにいう。
「そうですか。」
「‥‥‥。」
「あなたがコピーしたデータは偽のデータです。だから‥‥‥処罰対象にはしないようにしたい。」
「専務‥‥‥。」
「しかし、このままここにおいておくことはできません。」
「はい。」
「広島に帰る気はありますか?」
「広島ですか?」
「広島に取引している会社がありまして‥‥‥ちょうど人が足りないそうです。」
「優秀な職人として推薦しました。どうですか?」
「職人ですか?」
「あなたは、営業マンより職人の方が遥かに優秀です。あなた自身も分かってますよね?」
「はい。ありがとうございます。」
「お礼はあなたを犯罪者にしたくないと1人尋ねてきた岡田さちさんに言ってください。」
「はい。」
「あっ!あと、みすずに2度と近づくな!分かってるよな?」陸が言う。
「はい。」
「後の事は人事から連絡します。」
3人で‥ロビーに降りてくると岡田さちが1人入り口で待っていた。
気付いたさちは、大和、陸に頭を下げる。
立ちどまった堀田の背中を大和が押す。
2人はもう一度、頭を深く下げて駅の方に歩いていく。
「終わったな。」っと大和が言う。
「あぁ〜。」
「飲みに行く?」
「やめとく!明日はみすずとデートやから帰る!じゃな〜!」
「はぁ!!俺もいく!」
あの人‥‥‥こないだ陸と料亭に入った人だった。
みすずは部屋で1人でモヤモヤしていた。
誰だろう??どうしよう。陸を取られたら‥‥‥。
陸だけは、誰にもとられたくない。
今頃‥‥‥会ってるのかな??
っと思うと涙が出てきた‥‥‥。
陸が帰ってきたら分かるように玄関近くで床に座り込んだ。
ガチャ!陸だ!
「陸!」みすずは飛び出した。ガチャンって扉が閉まる。
「みすず!扉!オートロック!」陸が言うけど‥‥‥そんなのどうでもいい〜。
陸の胸に飛び込む。
「みすず?どうした?」陸はわけがわからず焦る。
「りくぅー。正直に教えて。あの人と一緒にいたの?」
「あの人って?大和といたよ。」
「ウソ!」
「ウソじゃない。みすずが言うあの人が分からない。」
「火曜日に見たの。陸が料亭に女の人と入る所を!」みすずは泣きじゃくりながら言う。
「今日もその女性が駅から会社に向かって歩くのを見た。」
「あ〜。」陸は項垂れる。
「陸。好き。どこにも行かないで。陸に好きになってもらえるように頑張るから!」
「もう。遅いよ。」
「いや〜。りく‥‥‥。」
みすずを抱きしめる。
「10年前からみすずだけが好きだよ。」
「えっ!まさか!そんな事ないよ。」
「そんな事あるよ。ずっと好きだよ。」
「じゃ〜あの人はだれ?」
「あ〜。大和と相談してみすずには言わないでおこうと思ってたんだけど、話すよ。入って!」
陸の部屋に入り。堀田の父親の会社の事。堀田の目的の事。岡田さちの事。依願退職にして広島の会社への就職を斡旋した事。堀田にはみすずには今後関わるなっと約束させた事を伝えた。
みすずは静かに涙を流す。
「そっか〜。また、騙される所だったな。会社の事はわからないけど、大和と陸がとめてくれてよかった。これで赤ちゃんも安心して生まれてこれるね。よかった。」
「あー。」
「これから先も、時には同じ決断を下すことがあり、堀田さんのような人が出てくるかもしれない。それは仕方ない事だと思う。だから、陸も大和も間違ったとか後悔する必要はないと思う。」
「みすず‥‥。ありがとう。」
「こちらこそ。いつもありがとう。ふふふ。」
「あー。部屋にかえれない。大和が鍵を持ってるからかりに行こう。」っと立ち上がると陸が手を引っ張って‥‥陸のひざの上に座ってしまう。
「もう!」
陸はみすずを抱きしめて。
「明日、早くから行くんでしょ?もう寝なきゃ。」
「うん。だから早く鍵を取りに行かないと‥‥‥。」
「ここに泊まって」
「‥‥‥。‥‥。うん。」
朝になり隣で寝る陸の頭をなぜながら‥‥‥
「コレが最後の恋でありますように‥‥。」っと強く願うみすず。