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第12 気づく??

仕事が終わり、いつものように駐車場に行くと陸じゃなくて大和がいた。

「陸は??」

「うんー。陸は仕事があるんだって。ってか毎日、みすずを送ってから会社に戻って仕事してるんだぞ!陸に感謝しろよ!」

「分かってるよ。じゃ〜今日もそうしてくれてもよかったのにな〜。」

「俺じゃ不満?俺に送られて不満なやつはみすずぐらいだからな!」

「はい。はい。2人ともに感謝してます。」

車が走りだすと‥‥いつも行く料亭の前で陸を見つける。えっ!陸‥‥‥。陸の横にはストレートロングの綺麗な女性がいた。陸が女性をエスコートして店に入っていった。

「ね!陸の仕事って会食?」

ヤバっ!みた?しまった〜道の選択間違った。

「嫌。会社で資料づくり。明日の朝イチで会議が入って資料づくりをしないと急遽しないといけなくなった。」

「ふ〜ん。なんか言い訳みたいにめっちゃ説明したね。別にいいけど」

はじめて陸が女性と一緒にいる所を見た。なんだ??なんか重いかんじモヤモヤする。何なんだろう?考える間もなくマンションに着く。

「ありがとう。」っと車を降りる。

ソファーに倒れ込む。足をバタバタして考えるけどわからない。ただただ、しんどい。あの場面だけが頭に残っている。

ピンコーン。堀田さんからメッセージが入るが返信する元気もないが‥‥‥。既読をつけてしまったから返信しないと‥‥‥。

【今週の土曜日あいてる?】

ゔ〜ん。あいてるけど、今は何かわからないけど〜行きたい〜ってならない。あれ??堀田さんからの誘いなのに。とりあえず今週は断っておこうかな‥‥‥。【すいません。今週はお友達と約束がありたす。また、誘ってください。】っと返信する。

陸を見るまで元気だったのにな‥‥‥。

おかしいな‥‥‥。とりあえず、今日は頭を空っぽにしてご飯食べて早く寝よう!!


先に料亭に行って待っていようと思って早めに行くが先方も同じ事を思ったのか店の前で会い一緒に店に入った‥‥‥。

店に入る飲みものの注文を聞くと‥‥俺にも酒を進めないし自分もウーロン茶を希望する。

女将を呼びウーロン茶を2つ頼む。料理はおまかせと言う。その時、携帯がなる。大和からのメッセージだ。

【すまん。みすずを送る時に料亭の前を通ってしまった。みすずが陸を見たかも‥‥。時間早いし違うよな?】

【5分前に着いてる。】

【まじか‥‥。みすず見たかもしれない。会社で資料づくりって言ってる。】

ハァ〜。っと思わずため息が出る。「失礼しました。」断りをいれて

【道の選択!!バカか。】っと入れて携帯をスーツの内ポケットにしまう。

前菜と飲みものがきて〜岡田さちを見て

「お話とはなんですか?」っと単刀直入で聞く。

「世間話はなしで早速ですか?せっかちなんですね?」

「時間の無駄なんで、無駄な話はいらない。」

陸が先ほどより不機嫌になった事をかんじとり

「先ほどのメッセージで何か問題でも?もしかしてうちの堀田があなたの大事なみすずさんにチョッカイでもかけたという報告ですか?」フフッっと笑う。

「うちのとはどう意味ですか?」

‥‥‥。岡田さちは口を開かない。

「堀田は有川コーポレーションの社員なので、どちらかというと、うちの堀田ですが‥‥‥。」

「フフッ。何も知らないんですね。会社でいうと森下さんがおっしゃる通り、そちらの堀田さんでしょう。フフッ。プライベートで‥‥‥っと言うとどうしますか??」

「えぇー。存じています。あなたと堀田が以前婚約者同士だったこと。」

「以前で今は関係ないと?」

「一緒の時期に上京してそれぞれ就職をして今も恋愛関係にあると認識している。」

パチパチ。さちは拍手をする。

「さすがですね。ちゃんと調べているんですね。」

‥‥‥‥。

「森下さんは、みすずさんが大事ですよね?」

「そうですね。自分の命より大事にしてます。」

ハハハハハハ(笑)

「自分の命より大事なのに、あんなクズとの結婚を止めれなかったんですね~。」さちは笑う。

「そうですね。だから次はないと思ってる。」さちを睨む。

「そう。だったら、私と協力しない?」

「協力?」

「そう。」

「何の?」

「堀田の復讐をとめる。」

「復讐だと?」

「そう。堀田は有川コーポレーションと有川社長とあなたに復讐をしようとしてる。」

「会社と社長と俺に??」

「そう。」

「だったらなんでみすずなんだ?みすずは関係ない。」

ハハハハハハ(笑)

「あなたと社長にダメージを与えるのなら、みすずさんをボロボロにした方が手っ取り早いよね。考えなよ!」

「卑怯すぎるな。正々堂々と来いよ。」

「真正面から行ったら勝ち目ないでしょ。そっちこそ頭つかいな。」

ふー。一呼吸置いて気持ちを落ち着かせる

「で!協力って??」

「本当に協力してくれる?」

「堀田をとめる協力はする。」

緊張の糸が切れたのか‥‥さちはホッとしたように表情が穏やかになる。

「堀田を犯罪者にしたくないんです。」

「犯罪者‥‥‥。復讐のために犯罪をしようとしてるのか‥‥‥。」

「はい。まず会社への復讐です。そちらの開発しているビルの建築方法のデータを盗み。私の上司を通して佐藤建設に渡すつもりです。来週の月曜日に私の上司との席がセッティングされてます。恐らく金曜日にデータを盗み出すつまりです。」

「わかった。」

「あなた達への復讐は今週の土曜日です。友人がやってるシェアハウスでみすずさんに乱暴してその動画をあなた達に送信するつもりです。」

「ゲスだな。あなたもはじめは、この計画に協力したんですよね?」

「‥‥‥‥。」

「だから、ライバル社に入社して上司を紹介できるまでの成績を残したんですよね?」

さちの目から涙が落ちる。

「だって〜。直哉と一緒にいるためには、そうするしかなかった。有川コーポレーションから契約を切られて、お父さんは酒に溺れて倒産後、すぐに亡くなった。その後、直哉には復讐する事しか頭になかった。反対したら別れを切り出される。犯罪者になるから結婚は出来ないと言われたけど協力したら同じ犯罪者。一緒にいられると思った。」

「なぜ、直前で止めようと??」

「‥‥‥‥‥‥。」

「なぜですか?言ってくれないと信用出来ない。」

「直哉も知らないんですが‥‥‥。」

「‥‥‥。妊娠してるんです。2人だけならよかったんです。直哉の気がすむなら。でも‥‥‥。」

「この子を犯罪者の子供にしたくない。」

両手でお腹を抱きその手に大つぶの涙がとめどなく落ちる。

陸はハンカチを渡して

「協力します。堀田直哉をとめましょう。」



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