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第11話 鴨ネギか囮か?

「出ます。繋いで。」

「はい。有川コーポレーション森下です。」

「佐藤建設の営業部岡田と申します。」

「失礼ですがお会いしたこともお話したこともないですよね?」

「はい。失礼を承知でアポなしでお電話させて頂きました。申しわけありません。ですが、出て頂けるとは思いませんでした。何か思いあたる節でもおありでしょうか??」

「そうですね。ないような‥‥あるような‥‥‥。」

「電話では申しあげにくいので今夜、お時間いたたけないでしょうか??」

「わかりました。こちらの指定した場所でよければ‥‥。」

「どちらでも結構です。」

「承知しました。後ほど時間と場所を連絡します。」

「お待ちしております。失礼します。」

なんだ?何をたくらんでいる?わからない。ヴ〜〜。額に右手をあてて唸っているとドアが開く。

「どうした?唸ってたけど?」

「あ゙〜。何も仕掛けてないのに仕掛けてきた。」

「はぁ?」

「佐藤建設の岡田さちから会社に電話があって今夜、会う。」

「えっ!面識あったのか?」

「いや〜。ない。突撃電話。電話では言えないから会いたいだって!」

「企みは?」

「わからん。」

「場所はこっちが指定する事にしてるから、いつもの料亭つかう。」

「あ〜。わかった。」

「みすずの送り頼む。」

「ふんっ。俺の姉だから頼まれなくてもする。」

「ふんっ。」

料亭の名前と場所と時間を岡田さちにメッセージに送る。

調査会社から報告があがる。

岡田さちは広島出身で堀田直哉の元婚約者。

元か‥‥‥‥。婚約解消の時期が堀田の親の会社の倒産の時期と一致している。

わからん。会社への逆恨みなら社長か大和を狙らえばいい。大和なんか簡単に騙せそうなのに‥‥。

しかも、俺に電話してくるあたり、狙いはみすずなのか?

俺を酔わして、ベッドインの写真をみすずに送るとか?

念の為、俺の飲みものは相手にわからないようにノンアルコールにしてもらえるように料亭の女将に頼んでおこう‥‥‥。



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