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第八話

 その日、ジェイドと由花子は多目的ホールで行われるパーティーに参加した。

「いいですか、由花子。グラスは手にしても飲んではいけませんよ」

「はい」

 ジェイドは部屋で再度年を押した。


「いったい、何のパーティーか教えてくれれば良いのに」


 それは、麻薬・・・それも媚薬を主に取り扱う、乱交パーティーだった。

 当然ながら、ドリンクやカクテルはもちろん、サンドウィッチなどの軽食にも媚薬は使われる。


(あれ、スタッフが船員さんじゃない)


 あ!


 由花子が気付いた時、誰かがぶつかる。由花子は驚き、グラスに入ったジュースを少し飲んでしまった。

「ケホゴボ・・・飲んじゃった?やば、ジェイドさ」

 由花子は手を振るが、ジェイドは笑顔で振り返すのみ。

(どうしよ、何か入ったヤツかな)

 とりあえず、ジェイドに話さなければと由花子は会場を歩いた。


 んぁ・・・大っきい


 悩ましい声に、由花子はギョとした。そこには下着だけを脱ぎ、激しく交わる男女がいた。


 イク・・イクのぉ!


 淫らに腰を振る人々に、由花子は「ヒェッ」と声をあげた。

「由花子、どうしました?」

「ジェイドさん、私・・」

「ジェイド!」

 トマスが駆けてくる。

「捕獲だ、シャロンを捕まえた」

「そうか!」

 弾けるような笑顔に、由花子はキョトンとする。


「じゃ!また基地でな。良い休暇を・・由花子、またな」

「はい」

 朗らかなトマスに、由花子も笑顔になる。

「由花子、何か話があったのでは?」

「あ、そうだ。ジェイドさん、私」


 んぁ、だめぇ・・・っ


 何度目の絶頂だろうか。

 ソファの背もたれを掴み、由花子は深い交わりに耐えた。


「全く、君は・・」

 ジェイドが吐精し、由花子は痙攣する。

「出てる、ジェイドさんの」

「なんで、そんな可愛いんだ」


 媚薬の力を借りなくても、由花子は情事に溺れることが出来る。

「こんなに濡れて、可愛い声で泣いて」

「言わないで」

「あのパーティーは、ドラッグの密売人の企画したパーティー。キメセクの会場なんですよ」

「キメ?」

 ふふ、とジェイドは口づける。


「飲めば、君が乱れる羽目になりますからね。だから、飲むなって。薬なんかに頼らなくても、君を満足させる自信はありましたから」

「ばかぁ」

 由花子は紅く染まる。


「どこを触れば、君が感じるかは知り尽くしています。君は私の教えた通りの反応をする。知らない男のクセはない」

「・・・」

「大丈夫、君は他の男には抱かれていない。君を愛してもいない、下衆には」

 由花子の顔がぐしゃぐしゃになる。

「ジェイドさ・・・」

 怖かった、と由花子は泣いた。

 何より恐れるのは、汚されて嫌われたらと想像した。




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