その日、ジェイドと由花子は多目的ホールで行われるパーティーに参加した。
「いいですか、由花子。グラスは手にしても飲んではいけませんよ」
「はい」
ジェイドは部屋で再度年を押した。
「いったい、何のパーティーか教えてくれれば良いのに」
それは、麻薬・・・それも媚薬を主に取り扱う、乱交パーティーだった。
当然ながら、ドリンクやカクテルはもちろん、サンドウィッチなどの軽食にも媚薬は使われる。
(あれ、スタッフが船員さんじゃない)
あ!
由花子が気付いた時、誰かがぶつかる。由花子は驚き、グラスに入ったジュースを少し飲んでしまった。
「ケホゴボ・・・飲んじゃった?やば、ジェイドさ」
由花子は手を振るが、ジェイドは笑顔で振り返すのみ。
(どうしよ、何か入ったヤツかな)
とりあえず、ジェイドに話さなければと由花子は会場を歩いた。
んぁ・・・大っきい
悩ましい声に、由花子はギョとした。そこには下着だけを脱ぎ、激しく交わる男女がいた。
イク・・イクのぉ!
淫らに腰を振る人々に、由花子は「ヒェッ」と声をあげた。
「由花子、どうしました?」
「ジェイドさん、私・・」
「ジェイド!」
トマスが駆けてくる。
「捕獲だ、シャロンを捕まえた」
「そうか!」
弾けるような笑顔に、由花子はキョトンとする。
「じゃ!また基地でな。良い休暇を・・由花子、またな」
「はい」
朗らかなトマスに、由花子も笑顔になる。
「由花子、何か話があったのでは?」
「あ、そうだ。ジェイドさん、私」
んぁ、だめぇ・・・っ
何度目の絶頂だろうか。
ソファの背もたれを掴み、由花子は深い交わりに耐えた。
「全く、君は・・」
ジェイドが吐精し、由花子は痙攣する。
「出てる、ジェイドさんの」
「なんで、そんな可愛いんだ」
媚薬の力を借りなくても、由花子は情事に溺れることが出来る。
「こんなに濡れて、可愛い声で泣いて」
「言わないで」
「あのパーティーは、ドラッグの密売人の企画したパーティー。キメセクの会場なんですよ」
「キメ?」
ふふ、とジェイドは口づける。
「飲めば、君が乱れる羽目になりますからね。だから、飲むなって。薬なんかに頼らなくても、君を満足させる自信はありましたから」
「ばかぁ」
由花子は紅く染まる。
「どこを触れば、君が感じるかは知り尽くしています。君は私の教えた通りの反応をする。知らない男のクセはない」
「・・・」
「大丈夫、君は他の男には抱かれていない。君を愛してもいない、下衆には」
由花子の顔がぐしゃぐしゃになる。
「ジェイドさ・・・」
怖かった、と由花子は泣いた。
何より恐れるのは、汚されて嫌われたらと想像した。