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第六話

 子供のように泣きじゃくる由花子に、ジェイドは抱きしめる歯科出来なかった。

「ごめんなさい、ちょっとだけ浩二さんに似ていて。でも、すぐに別の人と分かったの」

 涙を流し、小さく震える由花子が不憫でならなかった。


「バカよね、死んだ人は還らないのに。・・ごめんなさい」

「大丈夫、君は悪くない。私だって、浩二が戻ればと祈る気持ちはある」

「でも、前とは違うの。浩二さんは好きだった、だけど―――今は大切な思い出なの」

「わかっている。君は誠実な人だ、きっと似ている知人に大切な人に会えば―――心が揺らぐのは無理はない」


 最後までは、されてない。

「え?」

「その、挿れられてはないの。私が騒いだ、から―――かな。怖くて、気を失った」

「わかった、もういい」

「ごめんなさ・・」


 助けて、ジェイドさ


 気を失う前、浩二ではなくジェイドの顔が浮かんだ。優しく、陽だまりのような笑顔が。

「私は、由花子を愛している。だから、安心して眠りなさい。帰りが遅くて、すまなかった」

「ふぇっ」

 由花子は泣いた、声を上げ小さな子供のように泣き続けた。


 すやすやと寝息を立てる由花子の顔には、幾筋も涙のあとがある。

(いったい、誰なんだ。死んだ浩二にうり二つ―――それも、由花子が錯覚するほどに似た)


 最後まで、されてない。


 由花子の言葉が気になった。なぜ、最後までしなかったのか。

「由花子、生きていてくれて、ありがとう」

 小さく呟いた声に、由花子が目を開く。

「死にたい、って思った。このまま、他の人にされるならって」


 !


「未遂だから、身体を洗えば――忘れ、られるかと。でも、洗えば洗うだけ、汚れるみたいで」

「もう、いい」

「助けて、って―――浩二さんじゃなく、あなたに」

「もういい、言わなくていい」

 泣きじゃくる由花子に、ジェイドは口づける。


「やっぱり、嫌じゃない」

 由花子は笑った。

「私、もう二度とキス出来ないかと怖かった。だけど、大丈夫・・ジェイドさんなら平気」

 ふふと、泣き笑いに歪む。

「由花子」

 再び口づけられ、由花子はそれに答える。

「して、ください」

 涙に濡れた瞳で、由花子は言った。


「――ン、大っきい」

 太い先端を、懸命に口に含む。

「まだ、太くなり―――君の中に挿入れば」

「口に、挿入らな・・」


「無理しない、君の口は小さい」

 下も、囁かれた言葉に由花子は、茹で上がったタコのように紅くなる。

「大丈夫?やめようか」

 まだ震える由花子に、ジェイドは訊ねた。

「大丈夫、です。ジェイドさんなら、怖くありません」

 ベッドに横たえられ、由花子は涙を流す。


(襲われた時、血が凍る思いだった。もう二度と、触れてもらえないかと、悲しくなった)

 由花子は自ら、ジェイドに口づけた。

「大好き、ジェイドさん。好きなだけ、してください」

「知りませんよ?後で泣いても、やめませんよ」

 笑い合い、二人は繋がった。


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