3年前‥‥‥両親が事故にあった日。
私は‥‥‥‥新さんに連絡をとろうとしたが‥‥‥急な出張でワシントンに行くとメールが入っていた。
その時は両親の事は知らなくて急な仕事っていうこと‥‥‥‥タイミングが悪い‥‥‥としか思っていなかった。2度と会えない‥‥‥‥‥‥‥会いたくないと思うとはその時は知らなかった。
私の父は有栖川コーポレーションの社長で取引会社であるロイヤルビールとの結束を強めるために、有栖川コーポレーションの長女の私とロイヤルビールの長男である新さんは婚約関係であった。
はじめは決められた関係だったが次第に惹かれ合い愛し合ってると思っていた‥‥‥‥。それは、私の思い違いで私だけが好きになってしまっていたことになる。
新さんからのメールを受け取った直後に‥‥‥まだ誰も知らないはずなのに新さんのお義母さんが両親が運ばれた病院に来た。そこで‥‥‥‥‥‥新さんからの伝言を伝えてきた。
「有栖川コーポレーションの令嬢でなくなった貴方には用がない。2度と電話も顔を見せる事もしないでくれ!やっと解放される。よかった。」
新さんがそう言っている。ゴタゴタに巻き込まれたくないからワシントンに行ったっと聞かされた。
あの時のえぐられたような心の傷みは一生忘れられないだろう。
新さんのお義母さんが口にした通り‥‥‥会社は父の弟に乗っ取られて私達姉弟は家も追い出された。その時に携帯番号もかえた。
両親が私達名義で残してくれていた貯金があったので2人での生活はスタートできた。
2人の生活が落ちついてきた時に妊娠に気づき途方に暮れていた時に光希が「元気な赤ちゃんを産むことだけを考えろ!俺が何とかする。」
っといって‥‥‥‥やっていたモデルの仕事の幅を俳優にまで広げて本当に何とかしてくれた。
光希に無理をさせていると思うと情けなくも申し訳なく思ってしまっている。
光希は俺が助かっている。っと言ってくれている。
光希は事故に関する悲しい事だけ記憶がなくなっている。幸いな事に新さんの記憶も消えている。
新さんに会って記憶を取り戻したら光希が傷つくかもしれない。私達のために頑張ってくれている光希を私の事で傷ついてほしくない。だから、記憶を取り戻してほしくない。
そして新さんに2度と会いたくないし、私達姉弟に2度と関わって欲しくない。
だから、光希のロイヤルビールとの仕事には胸騒ぎがした。