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第37話 堕落の狂宴

「さあ、ついにやってまいりました……最終競技!」


悪魔の司会者が、満面の笑みで叫ぶ。


「この競技はシンプル! 桜木、鬼塚、飯田を堕落させるか、それとも彼らが生き残るか!?」


「おおおおお!!!」


観客席の悪魔たちが大盛り上がりだ。


「ルールは簡単! 悪魔たちは、ありとあらゆる手を使って彼らを堕落させる! 彼らが堕落ポイント100になったら即終了! 逆に、競技終了まで耐え抜けば、彼らの勝ち!!」


「ヒャッハー! ぶっ潰せ!!」


「人間なんか、みーんな堕ちちまえ!!」


桜木、鬼塚、飯田の三人は、戦闘態勢に入る。


「……やるしかねぇな」


鬼塚が拳を握る。


「うぉおおおお! 絶対に堕ちねぇぞ!!」


飯田が鼻息荒く叫ぶ。


「さて……どう攻めようかしら♡」


ヴァレリアが妖艶に微笑む。


「ふふふ……計画は完璧です……♡」


セリーヌが不敵に笑う。


「全力を尽くすのみ! 我らが勝つ!!」


ジョンが高らかに宣言した。


──こうして、最終決戦の幕が上がった。


***


第一の攻撃:ヴァレリアの誘惑

「ねぇ♡ 鬼ちゃん……もう疲れたでしょ?」


ヴァレリアが、ゆっくりと鬼塚に近づく。


「ここまでよく頑張ったじゃない……だからさ、もう休んじゃいなさいよ♡」


「……は? 何言ってんだ、ヴァレリア」


鬼塚が怪訝そうな顔をする。


「俺がここで諦めたら、誰が……っ!」


「ほらほら、力抜いて♡」


ヴァレリアがそっと鬼塚の肩を撫でる。


「んふふ……ねぇ、鬼ちゃん。あたしはね、ずっとあなたが……♡」


ヴァレリアが、ゆっくりと鬼塚の耳元に囁く。


「大好きなのよ♡」


「きめえ!!!やめろ!!!」


鬼塚は、ガッとヴァレリアを突き放した。


「チッ……惜しいわねぇ……♡」


ヴァレリアが悔しそうに舌を打つ。


「……ッ、マジゾッとするわ……」


鬼塚は震えながら息を整えた。


***


第二の攻撃:セリーヌの貧乏作戦

「ふふっ……次は私の番です♡」


セリーヌが、桜木の前に立ちはだかる。


「桜木さん、ご存知ですか? 私……とても貧乏なのです……!」


「いや、知ってるけど」


桜木が冷静に答える。


「ご覧くださいませ、このボロボロの服!」


セリーヌがわざと服の袖を引っ張る。


「この貧しい生活……毎日パンの耳しか食べられません……!!」


「えぇ……」


「ですが、桜木さんが堕ちてくだされば!! 私たちは、もっと素晴らしい生活を送れるのです!!」


セリーヌが桜木の腕をギュッと握る。


「お願いです……♡ 桜木さん、お堕ちになって♡」


「断る」


桜木は即答した。


「えぇええええ!? 何故です!?」


「お前が貧乏なのは俺関係ないだろ!!」


「そんなことありません!! もし桜木様が堕ちてくだされば、私の生活も良くなりますのよ!? お金も手に入るし、美味しいご飯も食べられますのに!!」


「いや、どういう理屈!? そもそも、お前悪魔側だろ!!」


「うぅぅ……桜木さん冷たいですぅ……!」


セリーヌが涙目になった。


「ちょっと可哀想だけど、そんな手には乗らねぇよ!」


桜木は冷静にかわした。


***


第三の攻撃:ジョンのオタクトラップ

「最後は、我が行くぞ!」


ジョンが大きく手を広げる。


「……飯田よ!」


「なんだべ?」


飯田が警戒しながらジョンを見る。


「貴様は、我が持つ秘蔵のコレクションを見たくはないか?」


ジョンがニヤリと笑う。


「な……っ!」


飯田が息をのむ。


「これは……今では絶版となった、伝説のエロ本『天使たちの禁断』……!!」


ジョンが、金色に輝く古びた本を取り出す。


「しかもこれは……初版の未開封……! おそらく世界に数冊しか現存していない貴重品よ!!」


「ば、馬鹿な……! そんなものがまだ……!?」


飯田の目が輝く。


「どうだ……これを読めば、お主の人生観が変わるぞ?」


ジョンがニヤリと微笑む。


「……ぐぬぬ……っ!!」


飯田が葛藤する。


「こ、ここで負ければ……おらの人生は終わる……! だが……この一冊が……っ!!」


飯田の手が、ゆっくりと本に伸びかけた──が。


「……ちがう……!」


飯田が、ギリッと歯を食いしばる。


「おらは……おらの魂は……この程度で堕ちるほど、安くねぇべ!!!」


バンッ!!


飯田は、思い切り本を叩き落とした。


「な……!?」


ジョンが驚く。


「エロ本は自分で買う!!!」


飯田が拳を握りしめる。


「おらは……おらの誇りを守るべ!!!」


「ぬぅぅぅ……!」


ジョンが悔しそうに唇を噛む。


***


勝敗決定

「……っ、よし……!!」


鬼塚、桜木、飯田の三人は、満身創痍になりながらも立っていた。


「おおおおお!!!」


「すげぇ!! 誰も堕ちてねぇ!!」


観客席がざわめく。


「クソッ……最後のチャンスだったのに……!」


ヴァレリアが悔しそうに言う。


「終わりましたわね……」


セリーヌがため息をつく。


「無念……」


ジョンが肩を落とした。


「勝者、桜木たち人間だ!!」


──こうして、最終競技は幕を閉じた。


堕落するまであと81ポイント。

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