目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第30話 「ルシファー・ゲーム」開幕!⑤〜最後の賭け、勝負の行方は!?〜

「……やるしかねぇな」


俺は息を飲みながら、ルシファーを真っ直ぐに見据えた。


「ダブル・オア・ナッシング、乗るぜ」


「ふふ、良い判断だ。じゃあ、最後のゲームを始めようか」


ルシファーが指を鳴らすと、テーブルの上に新たなゲームセットが出現した。


──"デス・ブラックジャック"


ルールは通常のブラックジャックと同じ。ただし、一つ違うのは負けたら魂を賭けるという点だ。


「……なるほどな」


「勝てば賞金倍増、負ければ無一文。**それどころか、負け続ければ"地獄行き"**だよ」


ルシファーはニヤリと微笑んだ。


「さぁ、君の運命のカードを引きなよ」


俺は深呼吸しながら、カードを手に取った。


***


それぞれの戦略

「翔太、お前、一人でやる気か?」


鬼塚が腕を組んで尋ねる。


「いや、ここはチーム戦で行こう」


俺は仲間たちを見渡し、それぞれの得意分野を活かすことにした。


「まず、ジョン。お前の"オタク知識"で、ブラックジャックのセオリーを解析してくれ」


「任せろ! 我は"賭博アニメ"の知識なら負けぬ!」


ジョンはすぐに頭を働かせ、確率論を叩き込む。


「……ふむ、ブラックジャックにおいて、16以下でヒットするか、17でステイするかが重要なポイント……」


「ふふ、それがわかったところで、運が悪ければ意味がないよ?」


ルシファーがクスクス笑う。


「次に、ヴァレリア」


「うふふ、なぁに?」


「お前の観察眼で、ルシファーがどんな仕草をするか見てくれ」


「OK♡ あたし、男の嘘はすぐに見抜くから♡」


ヴァレリアが妖艶に笑いながら、ルシファーの動きをチェックし始めた。


「飯田、お前はディーラーの手元を見てくれ。イカサマがないか確認してくれ」


「おらに任せろだべ!」


飯田が目を光らせ、ディーラーの指の動きを監視する。


「鬼塚、お前は……」


「ルシファーがズルしたら、殴る」


「おい、最終手段すぎるだろ!」


「……冗談だ。まぁ、最後の見極めは俺に任せろ」


鬼塚がドンと胸を叩いた。


「セリーヌ、お前は?」


「……えっと、私、お金がなくて賭け事の経験はないのですけれど……」


セリーヌがオロオロしながら言うと、ヴァレリアが優しく肩をポンと叩いた。


「大丈夫よ♡ あんたは可愛いから、それだけで十分♡」


「それ、何の役に立つのです……?」


「ま、まぁ、セリーヌには"直感力"があるからな。迷ったときは、お前の勘を頼るぜ」


鬼塚が適当なフォローを入れると、セリーヌは少し安心したようだった。


「それじゃあ……行くぞ!」


俺たちはそれぞれの役割を決め、ルシファーとの運命のブラックジャックに挑んだ。


***


第1戦:ルシファーのトリック

「さて、では最初のカードを配ろうか」


ディーラーがカードを配る。


俺のカードは【9】と【7】で、合計16。


(微妙な手札だな……ヒットするか、ステイするか……)


「君のターンだよ、翔太くん?」


ルシファーがにやりと笑う。


その瞬間、ヴァレリアがすかさず囁く。


「……翔太、気をつけなさい♡ ルシファーったら、さっきからほんのちょっとだけ唇を舐める仕草をしてるわ」


「……それがどうした?」


「これ、心理学的にいうと"優位に立ってる"ときに出る癖よ♡ つまり、あの男、自分の手札に相当自信があるってことよ」


「……なるほど」


俺はチラリとルシファーを見る。


(こいつの手札、強いってことか……なら、安易にヒットすると危険だ)


「ステイだ」


俺は静かに宣言した。


「フフフ……そうかい?」


ルシファーは笑いながら、自分のカードをめくる。


【10】と【7】


「……くっ、負けたか」


「おっと、一勝いただき」


ルシファーがニヤリと笑う。


しかし、俺は冷静だった。


(……まだ始まったばかり。ここから巻き返す)


***


第2戦:飯田の鋭い観察眼

2戦目、俺の手札は【8】と【6】。


(うーん、また微妙な手札……)


そのとき、飯田がボソッと呟いた。


「……なぁ、なんかディーラー、カード配るときにちょっと変なクセあるべ?」


「クセ?」


「手元をよーく見てみるだべ。カードを置くときに、ほんの一瞬だけ指先で何かを弾いてる感じがするべ」


「……おい、それってつまり」


「……多分、こっちに不利なカードが来るように調整してるだべ」


俺はディーラーを睨んだ。


「おい、ディーラー。カードを配る前に、"もう一回よく切れ"」


「……何のことかな?」


「今、お前、カードを弾いただろ」


「……」


ディーラーは無言のまま、ルシファーをチラリと見る。


すると、ルシファーが「仕方ないね」と肩をすくめた。


「バレちゃったら仕方ないな。ディーラー、ちゃんとシャッフルし直しなよ」


──結局、ディーラーは再びカードを切り直し、俺の手札はまともな状態になった。


結果、この試合は俺の勝ち。


「……ふぅ、何とか五分だな」


「やるねぇ、翔太くん」


ルシファーが楽しそうに笑う。


「次が最後の勝負だよ?」


***


最終戦:天使(エンジェル)の奇跡

「さて、最後の勝負だ」


俺の手札は【10】と【5】


「ヒットするかい?」


ルシファーが優雅に微笑む。


(……15か。あと6以上引いたらアウト。どうする?)


「う、うーん……」


俺が迷っていると、天使(エンジェル)がスッと近づいてきた。


「翔太様、落ち着いてくださいませ」


「エンジェル……?」


「私は"幸運の天使"です。こういうときこそ、私の"ご加護"を信じてみてはいかがでしょう?」


「……お前、ギャンブルの加護なんかあんのかよ」


「ええ、多少は」


エンジェルが優雅に微笑む。


(……ここまで来たら、信じるしかないか)


「……ヒットだ」


俺は意を決して、カードを引いた。


めくられたカードは……


【6】!!!


「21! ブラックジャックだ!」


「……な、何っ!?」


ルシファーが驚きの表情を浮かべる。


「バ、バカな……このルシファー様が……!」


「やったぁぁぁ!!!」


仲間たちが歓声を上げる。


ヴァレリアが飛びついてくるし、鬼塚はガッツポーズ、飯田は「おら、すげぇもん見たべ!」と大興奮していた。


「……ふふっ」


ルシファーは負けを認めるように、静かに笑った。


「まさか、ここまでやるとはね……お見事、翔太くん」


そう言って、ルシファーは手を鳴らすと、俺たちのチップが倍になった。


「君たちは正式に"ルシファー・ゲーム"をクリアしたよ」


「……へっ、当然だ」


俺たちは勝利の喜びを噛みしめながら、チップを換金するためにカジノを後にした。


***


後日──

「はははっ! こんなに金が手に入るとはな!」


鬼塚が袋いっぱいの金貨を抱えて笑う。


「これで貧乏生活ともおさらばですわ……!」


セリーヌが目を輝かせる。


「さて……次はどうする?」


ジョンが聞いてくる。


「まぁ、しばらくは……遊ぶか!」


俺たちは大金を手に、次なる冒険(?)へと進んでいくのだった──!


これでいいのか?


堕落するまであと91ポイント。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?