教室の騒がしい空気が続く中、ヴァレリアはますますセリーヌに近づき、ややからかうように言った。
「セリーヌちゃん、そんなに顔を赤くして…。それだけ鬼塚くんが気になるってことかしら♡」
「い、いえ、そんなことは…」
セリーヌは一生懸命に言い訳をしようとするが、ヴァレリアの笑顔は崩れない。
彼女はさらに加速して言葉を続けた。
「だって、セリーヌちゃん、いつも冷静で理知的な印象だけど、鬼塚くんに関してはどうしてそんなに動揺するのかしら? まるで恋に落ちた乙女みたいよ♡」
「そんな…!」
セリーヌは顔を真っ赤にして、何とかその場を切り抜けようとするが、ヴァレリアは楽しそうににんまりと笑う。
ちょっときもい。
「まあ、気持ちはわかるわよ? 鬼塚くんは男らしくてカッコいいものね。あんな荒っぽいところも、逆に魅力的なのよねぇ♡」
セリーヌは手で顔を隠すようにして、その場から逃げ出すように立ち上がった。
「すみません、少し用事が…」
「ふふふ、行っちゃったわねぇ♡」
ヴァレリアは一歩も動かずに、セリーヌの背中を見送りながら満足そうにうなずく。
お前はセリーヌの何なんだ?
「うふふ、まあ、あんなに恥ずかしがるなんて、可愛いものね。私があの子に気づかせてあげるわ。鬼塚くんがどうしてセリーヌちゃんを気に入っているのか、すぐにわかるわよ♡」
その時、鬼塚がやっとヴァレリアに声をかけた。
「お前、またセリーヌいじめてんのか?」
「いじめてるわけじゃないわよ♡ あの子にちょっとした刺激を与えてあげただけ。彼女、結構面白い反応するのよね。」
「まあ、いいけど…」
鬼塚は面倒くさそうに肩をすくめる。
「それより、お前の方が問題だろ。なんか最近俺にべったりじゃないか。」
「フフフ、だって鬼塚くん、私にとっては本当に魅力的なんだもの♡」
ヴァレリアはわざとらしく体をひねりながら、鬼塚に近づく。その顔はどこか挑戦的だ。
「お前、俺が好きって言ったらどうすんだ?」
鬼塚は少し真剣に返す。ヴァレリアはその言葉にニヤリと笑って、
「言われたら…きっとドキドキしちゃうわ♡」
その言葉に、鬼塚は思わず顔を赤くしたが、すぐに取り繕うように目をそらした。
「ちょ、そんなこと言われても困るんだよ…。俺はただのヤンキーだぞ?」
「ふふ、ヤンキーだからこそ、魅力的なんだわ♡」
ヴァレリアはしっかりと鬼塚を見つめ、その目はまるで彼を捕まえた獲物のように輝いていた。
その時、ジョンが口を開いた。
「フフフ、我にはよくわかるぞ。鬼塚くん、お前はヴァレリアの手にかかると、意外にも絆されてしまう運命にあるようだな。」
「うるせぇ! お前、またそうやってニヤニヤしてんじゃねぇよ!」
鬼塚が怒りながらも、ジョンの言葉にどこか照れ臭そうにしている。
その様子に、ヴァレリアはますます楽しそうに笑う。
「フフ♡ あら、鬼塚くん、そんなに照れちゃって。あまり素直じゃないんだから。でも、それがまた可愛いのよね。」
鬼塚はますます不機嫌そうな顔をして、ヴァレリアの言葉に返す。
「俺は…お前には絶対に引っかからねぇからな。」
「ふふ、言ってくれるわね。鬼塚くんが私に引っかからないわけがないわ♡」
その時、飯田が不意に口を挟む。
「おらは…もういい加減、こういうの見てるの飽きたべ。」
飯田はまったく興味なさげに、机に戻って手を振った。
「まぁ、鬼塚がどうなろうが、おらには関係ねぇべ。」
ジョンは嬉しそうに顔をほころばせ、
「我も、他の皆の恋模様を見守るのが楽しくてたまらんのだ。」
「お前ら、全員おかしいべ…。」
飯田は呆れた顔をして、再び自分の世界に戻った。
セリーヌが逃げ出した後、教室には再び静けさが戻る。
だが、ヴァレリアの視線はまだ鬼塚に向けられており、その目にはまるで獲物を狙うような輝きが宿っていた。
「鬼塚くん、私は待ってるわよ。いつでも、あなたが私を受け入れてくれる日を。」
鬼塚は黙ったまま、その言葉に何も答えなかった。
堕落するまであと91ポイント。