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第11話 うんざりする面々2

教室の騒がしい空気が続く中、ヴァレリアはますますセリーヌに近づき、ややからかうように言った。


「セリーヌちゃん、そんなに顔を赤くして…。それだけ鬼塚くんが気になるってことかしら♡」


「い、いえ、そんなことは…」


セリーヌは一生懸命に言い訳をしようとするが、ヴァレリアの笑顔は崩れない。

彼女はさらに加速して言葉を続けた。


「だって、セリーヌちゃん、いつも冷静で理知的な印象だけど、鬼塚くんに関してはどうしてそんなに動揺するのかしら? まるで恋に落ちた乙女みたいよ♡」


「そんな…!」


セリーヌは顔を真っ赤にして、何とかその場を切り抜けようとするが、ヴァレリアは楽しそうににんまりと笑う。

ちょっときもい。


「まあ、気持ちはわかるわよ? 鬼塚くんは男らしくてカッコいいものね。あんな荒っぽいところも、逆に魅力的なのよねぇ♡」


セリーヌは手で顔を隠すようにして、その場から逃げ出すように立ち上がった。


「すみません、少し用事が…」


「ふふふ、行っちゃったわねぇ♡」


ヴァレリアは一歩も動かずに、セリーヌの背中を見送りながら満足そうにうなずく。

お前はセリーヌの何なんだ?


「うふふ、まあ、あんなに恥ずかしがるなんて、可愛いものね。私があの子に気づかせてあげるわ。鬼塚くんがどうしてセリーヌちゃんを気に入っているのか、すぐにわかるわよ♡」


その時、鬼塚がやっとヴァレリアに声をかけた。


「お前、またセリーヌいじめてんのか?」


「いじめてるわけじゃないわよ♡ あの子にちょっとした刺激を与えてあげただけ。彼女、結構面白い反応するのよね。」


「まあ、いいけど…」


鬼塚は面倒くさそうに肩をすくめる。


「それより、お前の方が問題だろ。なんか最近俺にべったりじゃないか。」


「フフフ、だって鬼塚くん、私にとっては本当に魅力的なんだもの♡」


ヴァレリアはわざとらしく体をひねりながら、鬼塚に近づく。その顔はどこか挑戦的だ。


「お前、俺が好きって言ったらどうすんだ?」


鬼塚は少し真剣に返す。ヴァレリアはその言葉にニヤリと笑って、


「言われたら…きっとドキドキしちゃうわ♡」


その言葉に、鬼塚は思わず顔を赤くしたが、すぐに取り繕うように目をそらした。


「ちょ、そんなこと言われても困るんだよ…。俺はただのヤンキーだぞ?」


「ふふ、ヤンキーだからこそ、魅力的なんだわ♡」


ヴァレリアはしっかりと鬼塚を見つめ、その目はまるで彼を捕まえた獲物のように輝いていた。


その時、ジョンが口を開いた。


「フフフ、我にはよくわかるぞ。鬼塚くん、お前はヴァレリアの手にかかると、意外にも絆されてしまう運命にあるようだな。」


「うるせぇ! お前、またそうやってニヤニヤしてんじゃねぇよ!」


鬼塚が怒りながらも、ジョンの言葉にどこか照れ臭そうにしている。

その様子に、ヴァレリアはますます楽しそうに笑う。


「フフ♡ あら、鬼塚くん、そんなに照れちゃって。あまり素直じゃないんだから。でも、それがまた可愛いのよね。」


鬼塚はますます不機嫌そうな顔をして、ヴァレリアの言葉に返す。


「俺は…お前には絶対に引っかからねぇからな。」


「ふふ、言ってくれるわね。鬼塚くんが私に引っかからないわけがないわ♡」


その時、飯田が不意に口を挟む。


「おらは…もういい加減、こういうの見てるの飽きたべ。」


飯田はまったく興味なさげに、机に戻って手を振った。


「まぁ、鬼塚がどうなろうが、おらには関係ねぇべ。」


ジョンは嬉しそうに顔をほころばせ、


「我も、他の皆の恋模様を見守るのが楽しくてたまらんのだ。」


「お前ら、全員おかしいべ…。」


飯田は呆れた顔をして、再び自分の世界に戻った。

セリーヌが逃げ出した後、教室には再び静けさが戻る。


だが、ヴァレリアの視線はまだ鬼塚に向けられており、その目にはまるで獲物を狙うような輝きが宿っていた。


「鬼塚くん、私は待ってるわよ。いつでも、あなたが私を受け入れてくれる日を。」


鬼塚は黙ったまま、その言葉に何も答えなかった。


堕落するまであと91ポイント。

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