「ねえ、桜木さん、私のことどう思ってるんですか?」
俺は今、セリーヌに押し倒されている。
「どどどどどうって…。」
「ねえ、私のこと、好きですか?」
ブカブカのTシャツから下着がのぞく。
いやいやいや、俺はやましいこと考えていないからな????
本当だからな????
目のやり場に困る。
「えっと…。尊敬はしているかな…?家族のために頑張っているし。」
「ふーん。そうですか。『色欲』を上げようと思ったのに。でも負けません!!!どんな手を使ってでも私は上級悪魔になります!!!」
ふんっとセリーヌは意気込んだ。
さらに、『怠惰がダメなら色欲でもポイント稼げますよ』とセリーヌが冗談っぽく言った。
本当に辞めてくれ。
俺の心臓が持たない…。
俺は必死に目をそらしながら、セリーヌを見つめる。
「な、なあ、セリーヌ、ちょっと待ってくれ、落ち着いてくれよ…!」
「落ち着いてますけど…?」
セリーヌは完全に無表情で、俺を見つめ返してくる。
「いや、落ち着いてないだろ! それに、『色欲』を上げるとか、なんでそういう方向に行こうとしてるんだよ!」
「だって、桜木さんが見てるから、どうしても…」
セリーヌの声が、どこか照れくさそうに聞こえる。俺はさらに目を逸らし、心臓が爆発しそうな勢いでバクバクと音を立てていた。
「俺はただ…普通に、家族のために頑張るセリーヌを尊敬しているだけだよ!」
「ふーん…そうですか。」
セリーヌが俺の顔をじっと見つめ、突然、フッと微笑んだ。
「やっぱり、桜木さんは面白いですね。冗談のセンスがいい。」
「冗談じゃないから!!」
「うふふ、わかってますよ。」
セリーヌは俺をからかうように言って、ようやく俺から離れる。
「…でも、桜木さんがそう言ってくれるのは嬉しいです。もっと頑張らないとね。」
そう言って、セリーヌはちょっと照れくさそうに手を振った。
「でも、悪魔になって上級悪魔になるのは無理だと思うよ…」
「いや、絶対になりませんけど!悪魔になるために必要なのは、心の強さですよね!それに、最終的には自分の信念が大切です!」
セリーヌの顔には真剣さが浮かんでいて、その目の奥に決意が見えた。
「それが上級悪魔を目指す理由…」
「お前は一体、何を目指してるんだよ…」
俺が呆れながらも言うと、セリーヌは軽く肩をすくめて言った。
「まあ、家計のために頑張りながら、日々の小さな幸せを見つける、それが今の私の目標かな。」
「…それなら、悪魔にならなくても十分幸せじゃないか?」
セリーヌは少し考え込み、そして小さく笑った。
「そうですね。あとは、桜木さんみたいに、信頼できる人が周りにいれば、もっと頑張れるかも。」
俺は思わず顔が熱くなったが、何とか冷静を装う。
「俺も、あんまり期待されるようなことはできないけど…、できる限り力になるよ。」
「それが一番大事ですよね。」
セリーヌはにっこりと微笑み、何か少し心が落ち着いた。
その後、俺たちはまた何事もなかったように話を続けた。けれども、セリーヌの言葉が心に残った。
— 俺も、もっと頑張らないとな。
堕落するまであと91ポイント。