「ところで、飯田の悪魔はどんなやつなんだ?」
鬼塚がふと思い出したように聞く。
「おらの悪魔か? ……ジョンだべ」
飯田がそう呟くと、どこからともなく聞こえてきたのは――
「フッ……ようやく我の名を呼んだか、我が主よ」
何か……来る!!
ゴゴゴゴゴ……
不穏な空気とともに、食堂の隅から現れたのは――
黒いローブを纏い、やたらとポーズを決める男。
「我が名はジョン・アークフェルド! 悠久の時を超えし闇の眷属……」
「……また始まったべ」
飯田がげんなりした顔をする。
もう伝統芸能の域なんだろうな、これ。
「我はかつて、千の財宝を収めし黄金の書庫を管理していた者……」
「違うべ、お前はおらの『強欲』ポイントを稼ぐために、レアグッズの収集を強制する悪魔だべ」
「ちょ、レアグッズ!? それ、どういうことだよ?」
俺が尋ねると、飯田はため息をつきながら説明した。
「こいつのせいで、おらは毎日オークションサイトをチェックして、限定フィギュアとか買わされるべ……」
「フハハハ! その通り! 希少なる財は、この手に収めることで価値を成す!!」
「それで『強欲』ポイントを稼いでるってわけか……」
「ジョン、お前、まさか……転売ヤーなのか!?」
鬼塚が叫ぶ。
「愚問!! 我は収集家にしてコレクター! すなわち、転売はしない!」
「そこはちゃんとしてるんだな……」
「当然! 我が求めるのは真の価値を持つ至高の逸品! ふぉぉぉ……この魂が震える!!」
「おらの財布は震えてるべ……」
飯田が遠い目をする。
「お前、強欲ポイントってそうやって稼いでるのか?」
飯田が『1個5000円以上使うと1ポイントだべ』と愚痴った。
「……まぁ、金に関しては抜け目ねぇもんな、飯田」
鬼塚が苦笑する。
「フッ……それが『強欲』の王たる者の宿命よ」
「嬉しくないべ…。このままじゃ、おら、人生破滅まっしぐらだべ…。」
「弱み握られてんだべ…。」
「見ろ!!このエロ本の数を!!」
「やめろ〜〜〜!!!」
飯田は顔を真っ赤にして怒った。
みんなキャラ濃すぎだろ…。
「セリーヌ…なんとかならないのか?」
俺は尋ねた。
しかし、セリーヌは、
「一円でも節約しなくては…。家計が火の車だわ。今日もうんまい棒で我慢しましょう。」
この見た目で極貧家庭出身らしい。
お前も濃くないか…?
俺は『平凡を守るため、こんな濃い連中とは距離置くぞ』と心に誓った。
堕落するまであと100ポイント。