目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報
悪魔学校へようこそ!
悪魔学校へようこそ!
マカロー
現代ファンタジー都市ファンタジー
2025年03月01日
公開日
5.7万字
連載中
第一志望、第二志望、第三志望、すべて落ちて流れ着いた底辺高校・私立南亜久学園。
真面目だけが取り柄の桜木翔太は、平穏な学園生活を夢見ていた――しかし、それは入学式で崩れ去る。

「みなさんには悪魔見習いと仮契約してもらいます!」

まさかの悪魔育成制度!? 強制的に契約させられた翔太の相棒は、金髪碧眼のお嬢様系悪魔セリーヌ・マーガレット。

「お願いです、桜木さん。堕落してください」

どうやら、彼女たち悪魔は人間を堕落させることで出世するらしい。
だが、翔太は大学進学を目指す健全な高校生。

「俺は……絶対に堕落しない!!」

こうして、「堕落させたい悪魔」VS「堕落したくない高校生」の奇妙な学園生活が幕を開けた!

第1話 悪魔と仮契約!?

私立南亜久学園へようこそ


俺の名前は 桜木翔太。


勉強も運動も特に得意ではなく、どこにでもいる普通の高校生――いや、むしろダメな方だ。


第一志望、第二志望、第三志望……全部落ちて、最後に辿り着いたのが 「名前を書けば入れる」 で有名な 私立南亜久学園。


「……マジで俺の人生終わってんな」


せめて、普通の高校生活を送りたい。ヤンキーに絡まれず、余計なトラブルにも巻き込まれず、平凡に三年間を過ごす。

そんなささやかな願いは、入学式開始3分で打ち砕かれることになる。


悪魔召喚、強制参加!?


「えー、みなさん、ご入学おめでとうございます!」


壇上の校長が満面の笑みで演説をしている。

俺は仏頂面だが。


「みなさんには、特別な使命があります」


ぼんやりと聞き流していた俺は、次の言葉で思考が停止した。


「皆さんには、悪魔見習いと仮契約してもらいます!」


……。


…………は?


「校長マジで言ってんのかよ!?」


「ど、どうなってんだべ!? おら、東京に来たくて特待生で入ったのに!」


体育館が一気にざわめき、騒然となる。

俺も驚いたが、夢だと思った。


「もちろん、契約の代償として 悪魔の力 を得ることができます」


「例えば――悪魔に変身してもらい、代わりに学校へ登校させるとか」


「億万長者になれるとか」


本当になれんのかよ。


「宿題を一瞬で終わらせたり、テストの答えを見えたりする力とか」


学校の意義とは?


「悪魔に頼めば好きな相手を堕落させて恋人にできるとか」


それは本当の愛なのか?


「すげええええ!!!」


すげえな。

すげえな。


「俺、悪魔の力で人生イージーモードにする!」


いやどう考えてもハードモードだが?


「悪魔で金持ちとか最高じゃ〜ん!テンアゲ〜!!」


テンション上げることテンアゲって略すんじゃねえ、ギャル。


一部の生徒は興奮し始めたが、俺の頭の中では危険信号が鳴り響いていた。


"こんなの、絶対ロクなことにならない"


そんな騒ぎの中、校長の背後に謎の影がチラつき、体育館の扉がゆっくりと開く。


ぞろぞろぞろ……


黒いマントを羽織った、どこか人ならざる雰囲気の少年少女たちが入ってくる。


「……本当に悪魔がいるのかよ……」


「それでは、悪魔見習いとペアになって 仮契約 をしてください!」


俺の平穏な学園生活、終了のお知らせ。


金髪碧眼の悪魔、降臨


「桜木翔太さんですね」


ふわっ――


優雅で落ち着いた声が、すぐ後ろから聞こえた。


振り向くと、そこには 金髪碧眼の少女 が立っていた。


透き通るような白い肌。品のある佇まい。まるで西洋の貴族のようなオーラをまとっている。


「セリーヌ・マーガレットと申します。よろしくお願いします」


彼女は柔らかく微笑み、優雅にお辞儀をした。


「え、あ、いや……」


ま、待ってくれ。


俺は 女子とペア!? 免疫ないんですけど!?


「では、仮契約を始めてください」


「ちょ、ちょっと待っ――」


ポワッ――


シューン!


手を合わせた瞬間、魔法陣が発動し、俺の体に熱が走る。


……あっさりしすぎじゃないか?


「契約完了ですね」


"ちょ、ちょっと待ってくれ、何を契約したんだ俺は!?"


悪魔の使命と、俺の選択

「契約について説明します」


教師の松井が淡々と話し始める。

先生たちの目が死んでるのは気のせいか?

というか担任の松井、めちゃくちゃ若くね?


「みなさんには 悪魔見習いの育成 を手伝ってもらいます」


「育成?」


「悪魔見習いは、人間を堕落させることでランクアップします。1日サボれば1ポイント、1週間なら10ポイント貯まり、悪魔の力を使うと+5ポイント。一度契約すると破棄できず、死後は悪魔に魂を管理されます。1年以内に100ポイント堕落すると強制契約となり、契約しなければ卒業できません。」


なんだそれ???

聞いてねえぞ!!!


「また、堕落ポイントが上がると、実際に性格や価値観が変わります。真面目な生徒が急に不良になったり、節約家が散財するようになったりね。」


松井はニヤリと笑う。

松井が「ポイントが100ポイントになると自分も堕ちるよ」と笑ったのを聞いて、俺はゾッとした。

そして、松井が「堕ちると戻れないよ」とニヤリと笑ったのが頭から離れない。


「つまり、皆さんには できるだけダメな人間になってもらいます」


「は!?」


「真面目に生きるなんて、くだらないですよね? 皆さんはどうせ社会のゴm――」


「先生!?」


……嫌な予感はしていたが、これはマジでヤバい。


ギャルが早速悪魔に「金持ちにして!」と絡み始めた横で、特待生が「おら、もう帰る!」と泣き出す。

ギャルの悪魔が「金ならやるよ」と札束を出した瞬間、体育館がさらにパニックになる。

どうなってんだよ、この学校…。


「桜木さん」


セリーヌが申し訳なさそうに俺を見つめる。


「どうか、堕落してください。怠け者になってください。」


「……は?」


「私たちは、人間を堕落させることで、ランクが上がるんです。兄が初級悪魔になれず消されました。それもあるし、家族がつらい時に支えてくれたから、まずは、100ポイントで初級悪魔になって仕送りしたいんです。」


彼女の瞳は真剣だった。

彼女の声が一瞬震えた気がして、俺は目をそらした


「だから、どうか……」


「……ご、ごめん。俺は、堕落したくない」


俺はしどろもどろになりながらも答えた。


「……そうですよね。でも、私は諦めません!」


セリーヌは、決意に満ちた眼差しで俺を見つめる。

「明日から本気で堕落させますからね!」


彼女が不敵に笑った瞬間、背筋が寒くなった。


こうして、俺と 悪魔見習い の少女による 静かなる戦い が始まった。


俺は、彼女の思惑に負けず 普通の高校生活を送る ことができるのか?


……いや、それ以前に、この ヤバすぎる学園 で 生き残ることはできるのか!?

俺はダメ人間でも、平凡なら幸せだった親父みたいになりたいんだ。

俺は平凡を守るためなら、悪魔だろうが教師だろうが抵抗して、絶対契約しねえ!!

そして、この学校の真実を暴いてやる!!


堕落するまであと100ポイント。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?