”こんりんりーん!”
”久しぶりの配信うれしいっ”
”穂花ちゃんもいるじゃん! こんほのー”
”こんほのー!!”
「こんほのーって……。勝手に私の挨拶を作らないでもらってもいい?」
配信が始まるとともに、空中に投影されるコメントたち。
そんなコメントたちが作り出した謎のあいさつに苦言を呈していると、そんな私の様子を見た凛子は少し楽しそうに笑う。
「でも、こんほのってなんだか可愛くない? 私は良いと思うよ」
「まぁ、可愛いとは思うけど……。でも、私にはちょっと合わないでしょ」
「そんなことないよ! 穂花ちゃんはすっごく可愛いんだから、可愛い挨拶だって似合うにきまってるじゃん!」
”そうそう。穂花ちゃんマジ可愛い”
”今までリンリンちゃん派だったけど、今じゃすっかり穂花ちゃん派です”
”こんな可愛くてめちゃくちゃ強いとか、一粒で二度おいしい”
”リンほのマジてぇてぇ”
私の言葉になぜか興奮してまくしたて始めた凛子と、それに便乗するように盛り上がるコメントたち。
「はいはい、ありがとね。私のことより、今日は凛子からお知らせがあるんでしょ?」
「あっ、そうだった! 今日はみんなに、嬉しいお知らせがふたつもあります!!」
”ふたつもっ!?”
”嬉しいことで良かった。最近なにかと物騒だから、もしかしてって思ってたから一安心だ”
”最近探索者が襲われる事件が増えてるみたいだけど、ふたりは大丈夫なの?”
「そういえば、なんかそんな事件があるみたいだね。ちょっと怖いけど、私たちは今のところ大丈夫だよ」
「まぁ、リンには私がついてるから。そんなふざけた真似したら、ただじゃ置かないわ」
”怖すぎて草”
”まさに最強のボディーガードじゃん”
”穂花ナイトに守られるリンリン姫とか、控え目に言って最高ですね”
”これほど安心できる言葉もなかなかないな”
「と言うわけで、私たちは心配しなくても大丈夫だよ! それでは、嬉しいお知らせ第一弾を発表します!」
そこで一度言葉を切ると、凛子は気合十分と言った表情を浮かべて再び口を開く。
「なんと、このたび『リンリンちゃんねる』は『リンホノちゃんねる』に改名して穂花ちゃんと私のふたりで活動していきます! それと同時に、このチャンネルが管理局の公式チャンネルとして活動することになりました!!」
”リンホノちゃんねるキターーーー!!”
”美少女ふたりの配信とか、マジで俺得すぎる”
”しかも公式!? 管理局が配信者探してるって噂は聞いたことあったけど、まさかふたりが公式認定されるなんてビックリ!”
”管理局も分かってるじゃん。これも穂花ちゃん効果かな?”
「まさに、全部穂花ちゃんのおかげだよ! ありがとうね!」
「ううん、そんなことないわ。リンが頑張ってるから、私も協力しようと思うようになったんだから。それもこれも、リンが今まで配信を頑張ってきた成果でしょ」
そのまま私たちは、手柄を押し付けあうようにお互いを褒め合うのだった。