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第17話 遥香の想い…

「お姉ちゃん…。」

遥香は未央奈を見た。


「何?」

未央奈も遥香を見た。


「実はね…」

と、遥香は未央奈を見つめた…。



━━2019年8月7日の夜。


「……。」

未央奈は、黙って遥香を見た。


「悠理に…。」

遥香は少し間を置いて、

「大っ嫌いって言っちゃったの…。」

と、呟くように言った。


「え?」

未央奈は目を丸くして、

「あんなに大好きだったのに?」

と訊いた。


「うん…。」

遥香は未央奈を見つめて、

「ちょっと…悲しく…なっちゃって…。」

と言った。


「……。」

未央奈は、黙って遥香を見た。


「悠理に最初に会ったのは…。」

遥香は思い出に浸るように、

「去年の6月…。」

と言った。


「……。」

未央奈は、黙って頷いた。


「手術を勧められていたけど、嫌がっていた頃で、生きる気力もなかった…。」

と、遥香は言った。


「そんな時に、公園のブランコで悠理を見かけたの…。」

と、遥香は続けた。


「すっごく可愛い子なんだけど、何処か思い詰めている感じだった…。」

と、未央奈を見た。


「……。」

未央奈は黙って頷いた。


「栃木に引越して来たばかりで、前の学校で、何かあったみたいだった…。」


「そうだったの?」

と、未央奈は訊いた。


「うん…。」

遥香は少し間を置いて、

「その時に…思ったの…。」

と言った。


「何を?」

未央奈は訊いた。


「この子を笑顔にしたい…。

この子との思い出を作りたい…。

その為に、生きてみたい…。」

と、遥香は言った。


「……。」

未央奈は、黙って聴いていた。


「長生き出来ない…って知って、人生諦めてから…。」

遥香は少し間を置いて、

「初めて…【生きたい!】って、思えたの…。」

と言った。


「……。」

未央奈の頬を涙が伝った。


「それから、悠理と色々な思い出を作れた…。」

遥香は少し間を置いて、

「でも…。」

と言葉を濁した。


「でも?」

未央奈が訊いた。


「今年の5月に、バイトでミスった悠理が、死にたいって言ったの…。」

遥香の頬を涙が伝った。


「え、でも…それは…。」

と、未央奈が言った。


「うん、分かってる…。

ウチらくらいの子なら、テストの点が悪いとかでも、死にたいって、意味もなく遣う事も…。」

と、遥香は未央奈を見た。


「でも、悠理の口から聞いた時…。」

遥香は声を震わせながら、

「よく分からないけど、凄く悲しくなっちゃったの…。」

と言った。


「……。」

未央奈は遥香を見た。


「私に…生きる…希望をくれた…。

悠理から…悠理の口から…。

聞いて…悲しくなって…。」

と、遥香は泣きながら言った。


「悠理に…大っ嫌いって…。

きっと辛い思いを…いっぱい…してきた…悠理に…。

私は…大っ嫌いって…。

酷い事を言っちゃったの…。

悠理を…傷付けちゃったの…。

私は…最低なの…。」

と、遥香は言った。


「は、遥香…。」

未央奈は遥香を見つめた。


「その後も…悠理は…電話をくれたり…。

メールをくれたりしたけど…。

最低な自分を見せたくなくて…。

私は…何も…出来なかった…。」

と、遥香は泣きながら言った。


「そうだったの…。」

未央奈は呟くように言った。


「……たいよ。」

と、遥香は声を震わせながら呟いた。


「え?」

未央奈には、最初の言葉が聴き取れなかった。


「謝り…たいよ…。

悠理に…悠理に…謝りたいよ…。

もう一度…悠理に…会いたいよ…。」

と、遥香は声を震わせた。


「遥香…。」

未央奈は遥香を見つめた。


「明日…悠理に…謝る…。」

遥香は少し間を置いて、

「許して貰えないと思うけど…謝る…。」

と言った。


「きっと悠理ちゃんなら、許してくれると思うよ…。」

と、未央奈は言った。


「うん…。」

遥香は、泣きながら頷いた。


「明日…パレットタウンに行って来るね。」

と、遥香は言った。


「パレットタウン?」

と、未央奈は訊いた。


「うん、去年のクリスマスに約束したんだ…。

来年の誕生日に、また来ようねって…。

もし悠理が、まだ私の事を…思っていてくれてるなら…。

パレットタウンで会える気がするの…。」

と、遥香は言った。


━━翌日、遥香はパレットタウンへと向かった…。

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