注:映画ヒプノシスマイクのネタバレを含みます
ある日、女性からお誘いを受けた。
デートのお誘いであれば喜ばしいことだったんだけど、残念ながら魅惑的なおねーさんではなく、よく見知ったふつーの知り合いから趣味に関するものだった。
一緒にヒプノシスマイクの映画を観に行かない? ← 誘いの内容はこれ。なにやら入場者特典で得られるブツが目的らしい。
最近の映画館はいろんなキャンペーンをやってるね。映画を作る側、そして映画館に来てほしい側としては何度でも入場してほしいので、あれやこれやらの手段を講じて客足を増やそうとしている。入場者特典もそのひとつだろう。
それを目当てに何度も足繁く映画館に通い、同じ映画を観る層もいるようだ。ヒプノシスマイクもその例に漏れず、その知り合いは何度も通い入場者特典を狙っている。なんとまあ同じ映像を何度もくりかえし……好きだなぁ。
幸いというか縁が合ったのか、その日は予定が空いてて別に相手しても構わぬ頃合い。とはいえ、なんでせっかくの時間を好き好んでヤローが歌って踊ってイケメンスマイルかます映画で潰さにゃあかんのか? ――そんな気持ちがふとよぎりつつ、また違う心持ちにもなった。
エッセイのネタとしていいんじゃないか?
そんな軽い気持ちで受諾し久々の映画館へと赴いてみる。それが、まさかこのような出会いを生むとは思わずに。
ってことで今回は『ヒプノシスマイク』の映画を観に行ったという話。ちなみに、わたしが映画を観に行く時点でヒプノシスマイクに関する情報は
名前からして音楽系? たぶんイケメンが歌って踊って女性がキャーキャー言うんだろうな、的なイメージでしかありません。そんなオッサンが映画を観てどう変化していくかどうぞお楽しみに。
:ひっさびさの映画館:
映画本編は次の段落から。ここでは映画館に関するお話をします。それいらないって方は次の段落まで飛んでね。
オッサン、映画館はひっさしぶりなのだ。独特の甘い香りと別世界にやってきたような雰囲気に戦々恐々としつつ、その知り合いにチケットを買ってもらった。
「ん? ――発声あり?」
映画の案内板にヒプノシスマイクの名があり、その冒頭に(発声あり)との注意書き。えーっとつまり「キャー!!」とかそういう声援ありだってことかな?
なるほど、つまりプリキュアのクライマックスと同じか。当時のわたしはそんなことを考えてた。きっとクライマックスで主人公のイケメンたちを応援するターンがあるのだと。まあ、後になってそれが間違いであると知ったのだが。
今はなんでもインターネットでできちゃうのね。わたしは現場でチケット代を求めるタイプなのでちょっとそういうの難しいです。で、時間まで近場待機だったのですがその時点でお客の9割以上は女性なのな。
やっべーマジで。アウェー感ハンパない。それでもいちおう男性の姿がちらほらあって、ほとんどは別の映画目当てだったけどヒプノシスマイクにも数人男性客がいた。
ずーっと前『艦隊これくしょん』の映画を観に行ったことがあった。その時はこの逆でほとんど男性客だったなぁ。まあターゲット層が違うんだからあたりまえか。で、この時点でヒプマイ(知り合いに略称を教えてもらう)に関して「あぁ、つまり逆アイドルマスター的な作品か」というイメージをもった。美少女動物園ならぬイケメン動物園だ。
せっかく映画館にやってきたので雰囲気を味わいたい。知り合いも上機嫌で奢ってくれるそうなので、じゃあありがたくドリンクなどをお買い求め、アナウンスと共に列へと並んだ。
入場者特典を受け取った知り合いはテンションMAXのさらに上を行った。お、おう、そんなにうれしいのか。約束通り自分のも手渡してシアター内部へと向かう。知り合いは「飽きたら途中で出てってくれても構わない」と言うが、せっかくチケット代を出してもらったのだしそんな不義理はよろしくないだろう。という事情もあり最後まで視聴するつもりでいた。
もちろん、ここで書くネタになるというのもあるが、それ以上に物書きとして活動してる以上、こういった作品からも何らかの学びを得たいのだ。これほどの人気なのだから、きっと男性/女性に限らず"にんげん"の琴線に触れる何かがあるはずだ。
ってことで、映画館あるあるの本編前のあれこれをすっ飛ばして本編の感想を書いてきましょう。
:え? まだ始まりじゃなかったの?:
冒頭からラップバトル開始! みたいな雰囲気で驚いた。あ、もうクライマックスですか? みたいな。
と思いきやナゾの軍服女性がこんにちは。なになに? インタラクティブバトルとな? ――なんと、スマホを使って投票するシステムがあるそうな。
スマホを使うのでくれぐれもマナーモード設定を忘れずに! という女性からの注意を受けた。まあ、わたしは当該アプリをインスコしてないどころか投票システムがあること自体はじめて知ったので用意するまでもなく電源OFF。とはいえみんなやっとるのか? ……最前列のすみっこに席をとってたわたしはさりげなーくシアターを見渡す。
なるほど、みんなしてスマホいじってる感がある。あとチカチカ光るの持ってるね。なにあれペンライト?
でも投票システム興味ある。わたし男子だけどやってみたいわ。えーっとなになに? 投票したいチームに10秒以内に投票するんだと。で、勝ったチームが次のステージに上がると、なるほどなるほど……えっ。
ちょっとまって。ここでわたしの頬に冷や汗が。
つまりコレ、あのチームが勝ったパターンとこのチームが勝ったパターンとみたいなのを全パターン用意してるってこと?
制作陣の負担やばくね? と思った、まる。いやすげーな金かかってんなーなんて呑気なことを考えております。っていうかこんな企画してたの平沢進氏のコンサートくらいじゃね? リハーサルのとき全パターン打ち合わせしないといけないの大変だったっていうエピソードを聞いたことがある。映画は完成してる作品だからまだマシだろうけど全パターン網羅するのかぁと、まあ意味もなく制作陣に「ありがとうございます」とこころのなかで呟いておきました。
で、アプリの準備をしてください。なお、無断撮影などしやがったらしょっぴきますよ? という忠告も流れつつ待ち時間――――――――ながくね?
体感5分。まだー?
眠くなってきたなぁ、なんて考えてたら新しい映像が。あ、いままでの本編じゃなかった感じですねこれ。
ってことで、えーヒプマイはわたしが今まで観た映画のなかでも初体験がたっぷりの思い出となりました。
:キミはどの男子がお好み?:
冒頭でも書きましたが、わたしはヒプマイに関する事前情報や予備知識をまったく持たぬまま来ました。
タイトルからして、なんかイケメンが歌って踊って、女子たちが黄色い声援をおくる系の作品だと思ってたんですよね。なので、プロローグのお話をちょろっと見た時は「わりと壮大な設定で草」となりました。
戦争は変わった――どこぞのステルスゲームを思い出した。えー、なんか物理でなく精神に訴えかけるマイクが登場して、戦いは物理でなくそっちで行うようになったと。で、今はもっぱらラップバトルで決着をつける形式となっており、日本の内閣総理大臣はじめ幹部たちは女性で揃えられているとのこと。
冒頭に登場した長髪ぱっつんが総理大臣ね。んで赤髪とさっきの軍服女性が取り巻きさんと――あっ。
えーっと、べつにイヤらしい意味はないんですけどね? えっと、わ、わたし男子なので、その、だから不可抗力というか、さ?
目がいっちゃうじゃん? おっぱいに。
いや違うんだよ。主張強すぎじゃん? あれむしろ狙ってやってるよね? 女子からしても「あれは狙ってやってる」と思うよね?
だからセーhいやごめんなさいすみません。
まあでも彼女たちがボス的な存在だということはわかった。うーんと女性向けであるからこそ女性のデザインが重要になると思うの。
だってほら、あまり女性ウケしないキャラ出すといろいろアレじゃん? ヘイト集めちゃうのは制作側からしても望ましくないと思うしね。話がかわっちゃうけど、とおい昔『アイドルマスター2』ってのが発表された時にですね? えーっとボスというか対抗アイドルとしてイケメン3人が登場したことがあるのですわ。
いまでいう炎上かな、うん。本編と関係ないのでくわしくは『アイマス2 事件 ジュピター』あたりでググっていただければ。
男性向けに男性を、女性向けに女性を登場させるときは別の苦労がある。とはいえ彼女たちのデザインはわたし個人的には良好。すこし華やかさというか色? 的なものが足りないような気がしたけど、まあ女性向けやしこんなもんかと思いました。むしろ女性方にウケそうなデザインよね。
それはそれとして本編さらに進む。第一村人ならぬ第一イケメン発見。いまさら気づいたがデザイン3DCGだね。
主人公かな? オッドアイ? ふーん。んで名前が山田一郎ておま、まだ選択肢いっぱいあるやろ。
いっしょに登場したみなさまも総じてオッドアイ。彼らは血縁者かなにか? んでチームに順番なんてカンケーねえと。あらこの男子好きかも。
まずはキャラ紹介のターンってことですね。そんな大量の男子登場されても覚えらんないです。おっかしーなぁ艦これのキャラなら覚えられるんだけどなぁ。
とりあえず印象強かったキャラをいくつか。いかにも大阪っぽい糸目キャラ、中の人が桐生ちゃん(龍が如く)のヤクザ? っぽい人、ショタ枠のクソガk、いやかわいらしいラムダくん(この子だけ初見で覚えられた)、中の人がレインフォルス(ラングリッサー)の年長者枠、パチンカス、くらいかな?
うーん、こういう作品は男性向け女性向けに限らず、その層の性癖に刺さる属性が提供されてるものなんだろうけど……ギャンブル好きなああいうだらしない系って女性に
彼のどういうところがイイの? ちょっと教えていただけますとありがたいです。コメントよろしくおねがいします。
ちなみに、わたしの知り合いの推しキャラはジャクライさんだそうです。漢字? 書けないです女性向け作品ややこしい漢字おおくない?
あとなんか女性苦手っぽいホスト? も気になった。ジャケットを着るとキリッとするギャップがまたいい。ああいう"仕事モード"に切り替わる仕草も人気の秘訣かのかな。僧侶が耳にすっげーピアス穴つけてるの草だった。
うん、わりと覚えてるもんだね。
:レッツ・ラップ・バトル!:
ヒプノシスマイク。その世界観的にミュージックが推しポイントのようですね。みんな登場してオープニングが流れたのですがいやぁすばらしい!
ノリノリで各種キャラの声が立っていい感じ。個人的にラムダの歌声が、見た目とのギャップで惹き込まれる感じがありました。
高くやさし気な声から低く身体を響かせるような声。いろんな"声"がいろんな歌詞で表現されていく。なるほどこれは興味深い。男性向けの作品では決して出会えない感覚ですね。楽曲だけでなく歌詞も惹きつけられそうな雰囲気だったのですが、残念ながら視聴時のわたしは曲調にノリノリだったのでよく覚えてませぬ、不覚。
で、ここで気づいた。みーんな瞳が"T"の字なことに。
アレはなんだ? ヒプマイ世界の設定に関わるものなのか? それともオシャレ的ななにか? とくに意味はなし? うーん気になる。あとで調べよっかなぁ? ……と書きつつ調べてないでごわす(爆
まあ気が向いたらね。んで視聴中にさらに気になったのがヒプマイ女性陣に関するもの。
彼女たちのデザイン。総理大臣は黒ないし青髪ロングぱっつんだったけど、ああいうスタイルだと女性的にどんな印象があるのだろうか?
高校生だと学級委員長とか生徒会長とか? やっぱガリ勉強的なイメージ? それとも、いわゆる
軍服女性のキャラもなんだろう、まだマジメでカタそうで融通がきかなさそうだなぁという印象しかない。いやでもそこからめっちゃ逆転する可能性がある。ああいうタイプほど表裏のギャップが萌えるし燃える。
赤髪のキャラは申し訳ないがおっぱいのイメージしかないですほんっとオトコでごめんなさい。いやでも「男性がきらい?」っていう考えにはなりました。
女性からしたらおっぱいは「ほら? どーせコレがいいんだろ?」みたいな感じで見せつける体もありそうですからね。彼女の場合おろおろする男性を嘲笑う、というスタイルではなく男性にある種の嫌悪感的な印象があり、そういった相手を"倒す"というか、まあ打倒する的なイメージであのスタイルになったんじゃないかなぁという妄想をしてました。
オープング終了後、観客から拍手が巻き起こりました。おぅ、なるほどさすが声出しOKシアター。異なった雰囲気なかなか良いですぞ?
で、早速ラップバトルが始まりました。ファーストバトル……っとつまり、やっぱり組み合わせ全パターン用意してる感じなのかな? → (後に知り合いから「ファーストステージの組み合わせは固定」と教わりました
なんにしてもバトル開始。テーマ曲に合わせてそれぞれの熱い想いをぶつけ合います。おお! マイクが光った!
んでなんか出た! どうやら、それぞれのキャラを象徴するアバターが登場するようです。んで音響鳴らして現実のラップバトルが如く先攻/後攻でそれぞれ語り合う。
んーやっぱ曲がすばらしい。わたしもひとつふたつ覚えてカラオケで歌ってみたいですね。ヒトカラいいぞ?
楽曲中にあたりを見渡してみるとピカピカひかるヤツ振ってたり、音が出ないように手拍子? してる方もいらっしゃる。そんな間にも時間が過ぎていき、いざ投票のターンがやってまいりました。
10秒以内にどちらかのチームに投票する。粋な演出の後に勝ち上がったチームは――ッ!
耳ピアスボーズの勝利! えーっと正式名今調べたら『Bas Ass Temple』だそうです。スラング的にはバッドアスは「すげえ!」的なニュアンスですがそれぞれの単語の意味的に日常生活で使うことはおすすめしません。とくに女性の方は。
なんにしてもおめでとうクソボーズ! っていうかあれ? 主人公っぽい雰囲気だしといて初戦落ちかよオッドアイ!
いやまあでも、熱い男同士の戦いはキライじゃないッス。彼らは以前からの知り合いだそうで、まあ全力でぶつかりあったが故にさらなる友情が芽生えたようです。
この戦いを最後まで勝ち抜いたグループは総理になれる。つまり日本を支配できると同意なので、彼らの情熱や信念からして一生懸命になりますよね。ちょっとだけ、彼らのことがうらやましくなりました。
今回はここまで。まだまだ書き足らないこともありますが、それら含めて後半に用意しておきましょう。
ふとしたキッカケで視聴した映画『ヒプノシスマイク』。それは以外な出会いでもあり、いろいろな刺激をいただくことができました。普段自分がしないことをする。それがまた新しい道をつくりだす可能性を生み出してくれる。
どうでしょう? これを読んでくれたキミもぜひチャレンジしてみてはいかが? ――そんな第一歩を踏み出すキミの人生に幸多からんことを。