アサシンクリード。
フランスに本社を置くゲーム開発、販売会社『UBISOFT』が手掛けた作品です。この企業は他にもウォッチドッグス、ファークライなど多くのヒット作を生み出しています。
創業者は驚き農家さん。ギユモさんという家の5人兄弟が家業の多様化を目指した矢先、ある一人が「イギリスじゃゲームがフランスより安いんだな」という理由でビジネスチャンスを見出し、兄弟が1980年代に起業したことで端を発しました。
その後ゲームの通信販売だけにとどまらず開発に参入。ユビキタスの単語を参照して『UBI Soft』と命名し営業開始。古参のゲームマニア向けに書くと『怒』っていうSNKのアーケードゲームあるじゃん? あれも輸入してたんだよ。あと超マニアック? な方向けに書くと『レイマン』ってゲームを開発してたりしましたね。世界中で売れたのよ?
90年代にはフランスを代表するゲーム販売会社になってたようです。で、メタルギアシリーズに対抗して『スプリンターセル』を作ったり上場してアメリカ進出したりスケールアップ。世界を代表するゲーム企業になっていきます。
そして2007年。今回のタイトルにもなった『アサシンクリード』がPS3、XBOX360向けに発売されました。時代設定こそ現代(2012年)ですが、主人公は暗殺者であった自分の先祖(暗殺者)の記憶を追体験することになります。
これ、発売してそう期間をつかず100万本突破。さらに売上を伸ばして現在も続く超人気シリーズとなっております。
待望の新作『アサシンクリード シャドウズ』は日本を舞台にしており、その発表を心待ちにしていた人は熱狂の渦に巻き込まれました。とうとうアサクリが日本を舞台に! いったいどんな世界観だ? どの時代のだれをモデルにするんだ? ――そんな期待膨らむなか、2024年にトレーラーが公開されました。
からの、四角い畳。
からの、板張り信長。
からの、花咲く季節に稲刈り
からの、神道と仏教のコラボレーション。
からの、弥助。
うーん忍べない。純日本人ほぼ100%の世界に黒人ひとりいるだけで注目の的よな。
さて本題。当時SNSほかいろんな界隈で話題となった『アサシンクリード シャドウズ』に関するいろいろを書いていこうと思います。
:ひどくもおもしろい前評判:
ファーストトレーラーからして散々な評価だったねぇ。うん、でもまあわたし個人としては『外国人が考える日本』ってけっこー好きだから受け入れちゃったりするんだけど、さすがにあの出来で「これが"日本"です。わたしたちは日本を忠実に再現しました」って言われたら引っ込みがつかなくなるよね。
って騒動が、いわゆる『アサシンクリードシャドウズ炎上騒動』の発火ポイントだったわ。いや、開発者が「わたしたちがイメージする架空の日本を作りました! だけど日本はわたしたち外国人にとって遠い国。だからわたしたちの目線になりうるキャラを探して弥助に出会った」的な流れだったらヨイショできそうだったけどモームリって感じ?
ちなみに、英語版ウィキペディアだと日本での炎上騒動が記事化されてますがフランス語版だとないっぽいね。
しょーじき言っていい? たぶん、ファーストトレーラーが
わたしも初見思ったもん。あれ、畳が四角だって。ちなみに、琉球畳っていう正方形の畳があるのは事実ですが、あれは江戸時代にはじまったヤツだからギリギリアウトなのよね。しかも桜? のそばで稲刈りとかどーゆーこっちゃと。
そしてUBIさんのインタビューですよ。これはひっさびさにホンモノの炎上を見たよね。
わたしアサクリシリーズ未就学児なんだけど……まさか、これまでの作品も
個人的に思ったのは「UBIさんは"日本"をターゲットにしていなかったのかな?」ってこと。いいやさすがにソレはないだろうけどなんとなく。いやだってさ、日本向けのトレーラーのはずがないもんアレ。たぶん欧米向けのムービーをそのまま日本用の動画として使ったんだよ。んで欧米向けの宣伝文句をそのまま日本にもいやそれはねーな。
でも、そう考えなければ欧米向けのインタビューで日本の歴史を学べるよ的なコメントしないと思うしぃ、言うて日本向けにあわててフィクションです言うたってのも想像しにくいしぃ……ぐぬぬ。
最もありそうな可能性が「こんくらいのフィクションなら"史実"とアピールしてもいいよね」パターン。まあ主人公が歴史改変する流れなんて創作物じゃよくあることだし、たとえば三國無双とかでもいろんなIFがありすぎてもはやどれは正しい歴史かわかんなくなっとるし、いやあれは"演義"か。
いやでも待てよ? ――この世界がほんとうに架空の世界だったら? アサクリはすべての作品が同じ世界観のなかで存在するらしい。過去には神話の世界の存在も登場したようだ。
つまり、これまでのアサクリシリーズはすべて日本であって日本でない、フランスであってフランスでない世界だったんだ! あくまでアサシン組織とテンプル騎士団を軸としてのフィクションで国や歴史は舞台でしかないから好き勝手に改変しちゃっていいと思ってるんじゃないか? ってところまで妄想してメンドくさくなったのでやめました。
:発売してあらびっくり:
当時は2024年内に発売予定だったんだけど、いろいろな都合で延期になったんだって。なんでだろうね?
いやまあ、最近のゲームは当たり前のように発売延期するし、そもそも作る発表してずぅっと音沙汰なかったりするしねぇ。ところでエルダースクロールの続編まだぁ?
とはいえ時間は止まらぬのですよ。これを書いてる時点で2025年3月31日なんだけど、もう既にアサクリシャドウズが発売されて、クリアした人もちらほらいるようです。それらの感想を見てみると……あら、意外と好評じゃないすか。
YouTubeや各種SNSで検索してみるとけっこー評判いい感じ。二礼二拍手一礼も実装してるし神社仏閣の備品も壊せなくなってて「奈緒江のストーリー良い」と評価してる方が多いですね。
特筆すべきはグラフィックの美しさ。とある配信者は歴代トップレベルと称しており、四季折々の日本を楽しめるシステムもあるそうです。なお冬。
わたしはプレイしてませんが、それでも「アサクリシャドウズは神ゲー」とだけ断言しておきます。はい、断言です。それはなぜだって?
犬をよしよしできるだけで神ゲー確定なのじゃよ。
犬というか動物を撫でるっていうモーションをわざわざ用意するという心意気! そして犬のディテール! これはかわいい(確信
あ、犬を連れて戦うとかそういうのは求めてません。だってわんちゃんがイタい目に遭う姿なんて見たくないでしょ? ってことで、犬は愛でるに限る。アサクリはそういう意味でも神ゲーだよね。
さて、いろいろ賛否両論(否だけ?)ありアサクリシャドウズですが、みなさまはプレイしましたか? 積みゲーの一角になってますか? プレイしたって方はぜひ感想をおしえてください。
冒頭でもチラッと書きましたが、アサシンクリードシリーズは『暗殺組織 VS テンプル騎士団』のあれこれを中心に物語が展開されるという事情があるんだね。主人公はあくまで現代人。それが記憶を頼りに歴史上の世界を舞台に駆け回っているという背景があります。
故に、これまでのアサクリでも見栄えのためか建立されてない時代に建物を設置したり、細かい設定に差異があったりします。それは『主人公の記憶が"そう"だった』と考えればなかなか筋が通ってるような気がします。なおそれまでのUBIのインタビュー記事。
まあ、いろいろ炎上問題ありましたが、無事にゲームが発売されてみんなで楽しくやってるところ、ここまできて人の楽しみに水を差すわけにもいかんよね?
ってことで、わたしはアサクリシャドウズを応援していきたいと思います。世の中のゲーマーに光あれ!