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パクリ疑惑の真実 ~音楽心理学を添えて~

 もの書きをしてると必ずブチあたる問題が「それ〇〇のパクリじゃん!」ってヤツ。


 キミも経験ある? はたまた読書家のキミは「あれ? この展開どこかで読んだような気が――あ、あの本にあったヤツと同じじゃん!」的な経験あるでしょ?


 あるんよ、だれでもそういう経験。わたしもあります。パクられたと感じたことはありませんがね。


 創作界隈で日常のように繰り返されるパクリ疑惑の数々。それらはほんとうにパクリなのか? なぜそのようなことが起こってしまうのか? そのほかモロモロなあれこれに関してお話していこうと思いました。






:先に結論書いたほうがいいよね?:


 〇〇は□□のパクリなのか? ――これ、だいたい勘違いです。書いたものがたまたま似ていただけです。


 もちろん、そうでなくガチのマジでパクリやがった作品だってあるでしょう。でもだいたい偶然です。これはもの書きしてる方ならだいたい経験済みのことでしょう。


 ものを書くというのは、実はわりかし脳をフル活用する必要があります。物語を書く際のアイデア、ストーリー、そこに登場するキャラのライフサイクルなどは、作者の頭の中でしか描けません。日本人の場合、四季があってあたりまえな日常を送っているので春夏秋冬を意識した物語が展開されてくよね?


 巷で流行りのナーロッパ。これ土台に中世ヨーロッパや指輪物語の世界観があるのだけれど、それでも年間通して季節が変わらない国的な描写をしてる物語は(ないとは言わないけど)少ないですよね。


 たとえば、世界にはあたりまえのように1日の寒暖差がウン十度を超えるような地域があったりします。さっきまで暖かかったのに次の瞬間雪降ってきたんだけど? 的な場所もあります。みなさんおなじみアメリカのラスベガスは、夏場は平均気温が40度にも達します。


 平均が、だからね? 乾燥してるから蒸し焼きにはならんけど平均40度だからね?


 って感じに、実は世界っていろーんな"ちがい"がある。じゃあそういった差異を描けばオリジナリティ溢れる作品になるんじゃないのか? ――って意欲的なもの書きさんが奮闘していただけるのですが、あまりに日本人の感覚からズレると読まれないというか受け入れられないというか、まあ読者が離れてっちゃう事情があったりするようです。


 ギャンブルをするなら今はやりのテンプレを書く。その積み重ねがパクリ疑惑に拍車をかけてる可能性も否めませんねぇ。






:オリジナリティなんてない:


 ってのは言い過ぎでしょうか?


 むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。こんなくだりから始まるストーリーは日本古来からあります。それと同じように、世界にはたくさんの形で物語が存在します。


 そのなかでも特に有名なのは『神話』でしょう。


 おなじみのキリスト教、ナーロッパ作品ではキリスト教の概念が多分に登場し、みんなだいすき北方神話やケルト神話、中国やインドの神様だって登場しまくります。もちろん、日本の神様だってね。


 さっきも書きましたが、もの書きはけっこー労力がいるものです。だからこそテンプレという存在はありがたく、そして神話というパクr、いえとても参考になる創作物がメタクソ重宝されます。


 過去の偉人だってインスピレーションを引き立ててくれますよね? 織田信長はこれまで何度女体化されてきたかわかりませんが、まあ今後もいろいろ弄られるんじゃないですかね? 男性向け作品だけでなく、彼は森蘭丸という、まあ、いろいろ創作の燃料を投下してくれる方を近くに侍らせていたのでソッチ方面でも大活躍です。


 人は経験したことしか書けないってのは前回書きましたね。日本人は日本の学校で織田信長について学びます。みんなが同じ織田信長像を構築します。そういった経験が生かされて作品が生まれるのだから、彼を題材にした作品はどこでも似通った部分があるのはしゃーないもんよ。


 ナーロッパは中世ヨーロッパや指輪物語を土台にした世界観です。なのでヨーロッパの神話の影響が多いにありけり、神話に登場するキャラたちのエピソードを取り込むことが多くあります。


 テキトーな例を書くと、たとえば『フラガラッハ』とかいう武器があっちの作品じゃ洞窟の奥に眠ってたり、こっちの作品じゃ主人公が偶然見つけた剣だったり、あるいはそっちの世界では最終クエストをクリアした後にもらえるボーナスアイテムだったり――読者はそれを見て「フラガラッハって武器こっちにもあった。これはパクリだ!」となる可能性がありそうですが、しゃーない、それ同じ神話をもとにしてるだけやねん。


 日本人読者の好みがあって、それに沿った作品を書かなアカンくて、参照する神話がいっしょなら似たような展開があるのもしかたなし。創作は自由だなんて言いたいですが、実際は幾重もの縛りプレイだったりするのですねぇ。


 その中でオリジナリティを演出できれば最高なのだけど……キミはどの作品に『オリジナリティ』を感じたかな? 自由にお話してみてください。






:テンプレ:


 パクリ疑惑が絶えない理由のひとつに『展開がだいたいいっしょ』ってのがありそうですね。


 お姫様がさらわれて、勇者が立ち上がって、魔王をやっつけてハッピーエンド。これはとある配管工からなろう系まで幅広くカバーしてるテンプレでございます。個人的に、こういった王道展開はわかりやすくて好きだったりするけどみんなはどう?


 創作界隈には便利なテンプレがたくさん並んでます。それらをまとめてる方もいたり、もの書きさんはテンプレをもとに展開を考えていくことになります。古典的な知識としてはシェイクスピアさんがテンプレを書き尽くしていたり、昨今はどのようなテンプレがより感動を誘えるのか? 的な研究論文もあったりするようですが、まあとにかく「創作にはテンプレがあるんだな」程度に受け止めていただければ幸い。


 別々の作家が同一テンプレを同じ順番に参照して同じような世界観で書いちゃったら、まあパクリ疑惑をもたれてしまうでしょう。お互いの存在をまったく知らなかったとしても。


 ってことで、作家さんたちはテンプレのほか、その人が経験してきたいろいろなもろもろを作品に詰め込んだりします。異世界で料理店を営んだり農家やってみたり……ダンジョン経営はテンプレのひとつになった感じ?


 ちょっと関係ある話として、音楽界隈でもパクリ疑惑がありますね。あの曲がこの曲と似てる的な。


 音楽は基本『リズム・メロディ・ハーモニー』という三要素で成り立っています。こんなかんじ。


・リズム

  一定間隔の音を出す

  ドラム担当

・メロディ

  様々な高さの音を出す

  ボーカル担当

・ハーモニー

  ふたつ以上の、異なる重なった音を出す

  和音担当


 リズム、メロディはわかるけど最後のハーモニーはなんのこっちゃ? ――これはいわゆる『ドミソ』です。ピンときた?


 人の耳にゃあ聴いててきもちよーくなる音の重ね合わせがあります。ドミソはいわゆるキモティー音。ドミソ、レファラ、音楽をちょっとかじってる方向けの言葉だと『コード』って書き方もできますね。ちなみに、オーギュメントという耳障りのわるげな和音もあったりしますが使い方次第でエモい響きに昇華したりジャズなどで活用され閑話休題。


 コード進行。音楽はかならずドミソ、レファラのような伴奏音がウラに響いて、それに乗って歌声がメロディを奏でます。キミが好きな歌を思い出してみて? ――歌のウラで聞こえてくるコード、どんな感じかな?


 聴いててキモティよくなるのがコード。で、実はそれぞれのコードやつなぎ方によっていろいろな心理的効果がありまして、日本ではよく『王道進行』なるコードが使われています。とくに2000年代のアニソンじゃひっぱりだこで、涼宮ハルヒシリーズの『God Knows...』、けいおんの『Don't say lazy』、初音ミクの古典的有名曲『みくみくにしてあげる』それぞれのサビ部分などまあたくさんあります。


 たくさん使われてるってことはこの進行をもとにした楽曲がたくさんあるわけで、その中にゃあ似てるのもとーぜん出てきちゃうよねってのがイメージしやすいでしょう。さらに同じテンポだったらもう「これパクリじゃね?」言われることうけあいですよ奥様。






:法的な問題:


 上記のような要員などなどがあって、創作物はいろんな『パクリ疑惑』があります。実際にパクってなくてもパクリ認定されることはままあります。


 疑惑だけでなく、実際にパクリで訴訟された例もあるんだよね。そもそも近ごろ巷ではやりのAIさんも訴訟されてます。あと有名どころではハリー・ポッターシリーズ関連の訴訟がすさまじく「いやぁ~世界的に有名になるといろいろタイヘンなんだなぁ~」と他人事のように思いました。まあ他人事なので。


 著作権。これは知的財産権のひとつで――難しい話はやめよう。えっといろんな意味をまとめて述べた言葉です。ざっくり一例。


・それを作った人じゃないと複製できない

・それを作った人じゃないと演奏できない

・それを作った人じゃないと公表できない


 要は著作物に関して"いろいろ"できる権利は、著作した人だけにあるってことです。だから作曲した人じゃないと演奏できないし、本を書いた人じゃないとそれを販売したり映画化したりなどできません。


 自分で本書いて映画つくってってムリでしょ? だから、著作権をアニメ化したい場合はアニメ会社などに「キミたちにアニメ化する権利を売るよ」的な感じで約束してアニメ化してもらう。


 パクリは複製だね。上記の権利を侵害するし、著作物で生まれるはずだった利益を削ぐ結果になってしまうのでアウトです。


 ただ、著作権ってこのまんま運用すると強すぎる・・・・のよ。ほんの少しでも似てたらはいパクリアウト。コードひとつ似てたらはいパクリアウトなんてヤバすぎるよね? そんなんじゃ本能の赴くままに創造できないじゃん?


 ってことで、著作権はいろいろな注釈というか条件というか、まあそんなんがあります。わたしたちにとって身近な条件は『個人使用の範囲内』ってヤツね。たとえばCD買って、それをパソコンに取り込んでオリジナルマイリストをつくるとか。これ複製してるけどアウト扱いされたらアレじゃん?


 パクリに関係する話だと、音楽のリミックスなどは合法になるパターンが多いというか訴訟された例を知らない。また尊敬する作家の文章を一部書き写して訴訟されちゃったっていう話も聞いたことないね。


 法的にパクった、つまり複製しやがったなコンチクショウ案件になる条件はこんな感じ。


・以前、その作品に触れたことがあるか?

・類似してる点が多いか?

・金が絡んでるか?


 たとえば『ファリー・ポッチャンと愚者の涙』という作品があったとしましょう。主人公は黒髪でメガネの冴えないボーズです。実は両親が魔法使いで、ひょんなことから魔法学校に通うことになりました。


 友人にブロンドの少女とこれまた冴えない陰キャ男子が登場します――いろいろ察するでしょ? じゃあ次の場合どうでしょう?


 トラックに撥ねられて死んだと思ったら異世界に転生してた。よくわからんがかわいい女の子と冒険してハーレムになって、魔王を倒してダンジョン経営者になってた。


 これはパクリでしょうか? おそらくパクリではないでしょう。ってかこれパクリだったら創作界隈終わるわ。っつーかパクリ元どれだよ。


 こういう『ありふれた設定』などはパクリ認定を受けません。アイデアやシステムに関してもパクリ認定は基本されず、されるとするなら特許として申請されたものになるでしょう。さて、パルワールドの件はどう進展するものやら。






 あークソやっちまった。軽いノリにするつもりがわりとマジメな話にかたむいちゃった、反省。本来は2000文字程度にするつもりだったのに。


 ここまで書いたんで、ひとつ参照としてとあるサイトを最下部につけときます。あ、ネオページさん。もしこのやり方がダメだよって場合はメールにてご連絡いただければと思います。みなさんはあたまに"h"をつけてね☆


 あっちこっちで創作できる時代なので、今はオリジナリティっていう概念はなくなってるんじゃないか? とさえ思いますね。文章オンリーで勝負する世界なので表現方法は限られてしまうんじゃないかなぁと。


 15年前くらいかなぁ……以前、一部を1ページ1文字フォントで書いた作品を応募したことがあるんですよ。当時のわたしは「オリジナリティ溢れる作品を書いたぞ!」くらいの意気込みでしたが、たぶん同じように1ページ1文字にしてる作品はたくさんあると思うので、みなさんもどうぞ探してみてください。


 パクリ疑惑は永遠の問題でしょう。どのみちパクリ言われるなら、さいしょからキミ自身の感性にしたがって書きまくればいいじゃない? ってことで、アナタの創作人生に幸多からんことを祈ります。


 きっといい話が書けますよ。じゃあまた。


参照:特許情報プラットホーム

ttps://www.j-platpat.inpit.go.jp/

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