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正論だけじゃない"アナタ"に寄り添ったエッセイ
正論だけじゃない"アナタ"に寄り添ったエッセイ
犬物語
文芸・その他雑文・エッセイ
2025年02月23日
公開日
3.3万字
連載中
適当な題材をみつけ
 読書等で得た知識を交えつつ自由に書いていくコーナー。

いちおー免責事項? みたいなのかいとく? んじゃ『個人の感想だからエビデンスとかは各自で、どうぞ』

あとここの読書がどんな話してほしいのか? 的な需要知りたいのでコメント、評価をおねがいします。

つれづれなるままに、
ひくらし、
すずりにむかいて、
こころにうつりゆくよしなしごとを、
そこはかとなくかきつくれば、
なにやってんだおれってなる

作家は経験したことしか書けない

 タイトルに関する"答え"はすでにわかりきったことでしょう。そしておそらく、その主張をしてる人たちでさえ心の中では決着がついていて、それでもなお口にせずにはいられないという心情なのかもしれない。


 コレが結論になるが、それではい終わりというのももったいない。この題材を深く考えると、ただSNS上で繰り広げられる言った言わないウソホントいいわるいなどのレベルを超越した領域に到達できるかもしれない。ということで、ひとつ脳内で考えを巡らせてみましょうか?






:人は愚かだ:


 ずっとむかしから云われてることに「人は愚かだ」というものがある。哲学的なカッコつけた言葉だけど、だれが残したことばというより、多くの人が実感を伴って口にすることばではないでしょうか?


 アナタ自身「あぁ、にんげんっておろかだなぁ」と感じた瞬間があるはず。


 世の中多くの分野があるが、こと哲学、心理学、経済学のノウハウをペロリとひと舐めしただけで人は――脳はわりと適当に物事を考えているものだなと気づく。タイトルのような問いかけも、脳の不完全さがもたらした言葉なのかもしれない。


 人は『自分にとって都合の良いものしか信じない』という性質がある。


 SNS上でいろんな情報が錯綜してる。中にはちゃんとした論文や母数の多い、つまり多くの実験を経てより信頼性が増した研究を提示されているにもかかわらず、それらを信じないどころか根拠なく否定するアカウントも見られる。


 自分にとって都合の悪いニュース、情報、論文、意見などは「なにか思惑があったからそういう結果になったに違いない!」と評価し、自分にとって都合の良いそれらに関しては「ほらみろ! やっぱりそうだったじゃないか!」となる。


 矛盾してるように見受けられるが、これもまた『人間』であるからしかたない。ある意味、脳は人として"まっとうな働き"をしてるとさえ言えるかもしれない。誤解されるのは不本意なので書き足すが、これはアナタのことを言ってるわけではないのでご安心ください。わたしは『人は愚かな生き物だ』と表現しているのです。


 作家は経験したことしか書けない。それを本気で思ってる方は、まさか相棒、科捜研の女、十津川警部、名探偵コナン、金田一少年の事件簿、シャーロック・ホームズ、四日間の奇蹟をはじめ『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した作家の方々らを大量殺人犯とでも思っているのだろうか?


 異世界転生を創作する作家を異世界に転生してドラゴンにまたがり剣と魔法を使いこなしてきた勇者だと思っているのだろうか?


 ボーイ・ミーツ・ガールは彼氏彼女いない歴イコール年齢の人間に書けないとでも言うのだろうか? ――いいか? 童貞でも恋愛小説は書けるんだよ希望をもてよ!


 少しでも考えればこの矛盾点に気づくでしょう。SNS上でもさんざん議論されてきたことなので、今更"答え"を提示する意味もないでしょう。これらのことを鑑みれば、いかに作家は経験以下略の主張をガチのマジでやってる人の愚かさというものを理解できるでしょう。


 ただ、冒頭でも書いたがそういった主張をする層が本気のほんきでそう考えているとは考えにくい。大事なことなので何度でも書くけど、ほんの少しでも考えればかんたんに否定できる主張であることは明らかで、それでもなお口にせずにはいられないという層がこれらの主張をしていると考えたほうが"スジ"というものじゃないか。


 なぜそんな主張をする? ――この部分に触れれば、人のこころがもっとわかるかもしれない。もの書きをする方ならぜひ追求しておくべき分野だと思う。






:人はことばにホンネを隠す:


 SNS上ではタイトルの主張をした方々を一笑に付すパターンが多いようだが、この『作家は経験したことしか書けないと主張する方々の本音』を考察することは物書きにとって大いに価値があるでしょう。


 多くの人はその主張をマジメにやってるわけではないだろうし、少し考えれば「ンなわけあるか」で終わらせられる話をこうも引っ張ることはないはず。


 では彼らを突き動かす衝動はなにか? 簡潔に書けば『一部肯定できる部分がある』ということだろう。


 経験とは記憶と解釈と想像だ。人は五感でインプットした情報を脳に保管し、それを脳という器官が勝手に解釈し「こういうものだ」と学習する。そしてそれらの情報や解釈をもとに「こうなのでは?」と予測する能力がある。足し算を教え繰り上がりの概念を教えたら「じゃあ、7+5は12になるの?」と一生懸命になって考える子どもたちがよい例だ。


 子どもは直接「7+5=12だよ」とは教わらない。足し算と繰り上がりの概念を教わったことでこのような式を想像し、そして正解できる。ボールを蹴ったら飛んでいくという事実をもとにその力と角度を調整し『ゴールに向かって蹴る』という方法を編み出す。


 掛け算九九を丸暗記し、それらをもとに発展問題を解いていく。こういった『学習したことの応用ができる』のが人間の強みだ。


 作家も同じようにそういった情報をインプットしていき、自分自身の作品に『経験』を詰め込むことができる。人間には成し得ない飛行能力をもつ鳥たちを眺め「もしあの鳥たちが巨大だったら――そして火を吹いたら」と考える。想像する。主張する方々の根底にこれ・・があるとすれば、わたしはそのような主張をする方々を否定できない。


 こういった部分的な肯定の余地があり、それらを認知してほしい層がある故に、SNS上では今もなおあちこちで火花が飛び散っているのだろう。もし、この考察通りであるとするなら、タイトルの主張をすこし修正して『作家は経験したことを"から"しか書けない』と主張すれば良いでしょう。






:じゃあどうすりゃええねん ~簡潔な自己紹介も兼ねて~:


 ここまで読んだのだから「なんだ自分語りかよ」とか言わずさいごまで付き合ってほしい。さいしょのエピソードだしこういうのも必要でしょう?


 タイトルの題材は論理的な題材としては弱い。なぜなら[Yes/No]の議論をするにしては答えがハッキリしすぎているからだ。しかし、なぜかこのようにSNSを沸かせる論争に発展するし、正直な話、わたしも「うん、たしかに」と思ってしまう部分がある。


 まるでスーパーの広告を見て「あ、これやすい、買お!」と一瞬思い、そのあとすぐ考えて「やっぱやめよう」となるような思考回路のようだ……人にはこういった切り替えスイッチがある。脳は思いの外エネルギーを使いすぎるため、普段はながし運動というか、今までの人生経験から自分にとって"良い"と思う選択肢を反射的に選んでしまう。


 スーパーの広告、テレビコマーシャル、通販番組、交渉術などはそれらをふんだんに活用してる。それらはほんの少しでも考えれば「それはねーだろ」とツッコミを入れられるが、人は愚かな生き物なのでわりと受け入れてしまう。


 それを回避するにはもうひとつのスイッチに切り替えるしかない。人はそれを"理性"と呼ぶようです。理性を働かせれば、人は経験してないことでも創作できる。すばらしい能力だと思いませんか? ただ、多くの人は最初のシステムの中で物事を判断してしまうので、作家は経験したことしか書けないという主張をわりと受け入れることができる――わたしは"受け入れてしまう"とは書かない。


 人は愚かだ。わたしは心理学ほかモロモロの本に触れてきたのでその"事実"を知っている。断っておきますが、わたしは心理学に関する資格をもっているわけでもないし、ましてや心理カウンセラーや公認心理師の資格をもつわけでもありません。


 逆だ、逆なんだ。よく勉強して資格取得できるレベルでなければ人間がわからないのではなく、ほんの少し、ささやかながら心理学等の本に触れただけで"人間は愚かな生き物だという事実がわかる"のだ。ひねくれてるわけでも斜に構えてるわけでもない。単なる事実を述べただけ。


 さらに深く書けば"脳が"ということになるが、ここまで深堀りすると余裕で1万文字を超えるので割愛。


 具体的な話をしましょう。あれこれ考えるよりまず『人は愚かな生き物なんだ』という知識をもっておく。これがすべての玄関口になる。自覚なき人よりある程度前進することができる。


 あとは脳のシステムを理性側に切り替えるだけ。心理学的用語ではシステム1/システム2と呼ばれています。ざっくり書けば『直感/推論』。日常的なことばにすると「ちょっと立ち止まって考えてみよう」といったニュアンス。


 さらに深堀りすれば『クリティカル・シンキング』という言葉もご紹介。日本語訳だと批判的思考。みんながイメージする"批判"は、なんか文句言うようなニュアンスだけど実際の批判という言葉は『物事の真偽を理性的に判断すること』を指す。


 難しいことじゃない。とりあえず「ほんとうにコレ・・が最善なのか? 他に道はないのか?」と考えてみましょう。ワンアウトランナー1類。相手はバントの構え。じゃあバントだ前進守備にしろ! と直感的に判断してしまいそうですが……ちょっと立ち止まってみよう。


 その打者の打撃成績はどうでしょう? 連続でヒットを放っているならバスターもあり得るのでは? 一塁ランナーの走力は並以下なので盗塁の可能性は低い。なら打者の調子も相まってヒットエンドランも警戒すべきでは? ――こうやって推理する。


 スーパーの安売りでついつい手が伸びそうになったとき「その商品は本当に必要なのか?」と自分に問いかけてみましょう。ついつい購入してしまったアレ、まだ部屋の隅っこに置いたままになってませんか?


 かんたんなようで難しい。でも、できたら人生がちょっぴりだけおもしろくなる。






 作家は経験したことしか書けないだって? そんなワケないじゃん! ――そう片付けてしまってもいいけど、そこから「なんでそう考えるのかな?」「衝撃的な実体験があったのかな?」など想像を膨らませていくと、もの書きさんにとって有意義な時間を過ごせるのではないかと思います。


 さらに考えればより興味深い結論に辿り着けそうな気もするけどめんd文字数を増やしすぎるのもよろしくないと考えるので、今回はここで終わらせてしまおう。さいごに、この文章を最後まで読んでいただけたアナタに質問したいことがひとつ。


 表現カタくなかった? もうちょいくだけた書き方のがいいかな? 新しいサイトでお初に書き始めるもんだからどーゆう文書がいいのかわからんくてとりあえずおカタめ文書にしてみたんだけどどう?


 あと文章の長い短いとかどう? もっとゆるい感じで書いてとかこんなんでいいんじゃねとか、なんかいろいろありましたら遠慮なくご意見ご感想をどうぞ。専門的な話しすぎるものアレかなぁ思て専門用語なるべく使わんかったけど「そういうのも書いて!」ってあればリクエストいただければありがたし。


 今後ものんびりやっていきましょう。アナタの人生に幸多からんことを。

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