イエドは、自分がコドの時間を持っている気がしてきました。
そして、夢の中と分かっていても、時間が過ぎて、窓の外の光景が移り変わることを知ったイエドは、行動を決意しました。
「コドさん。ボクが戻るまで、行かせない」
イエドは立ち上がり、通路側に立ち
「おれは、自分の行き先が分からない立場でしかないけれど……、ボクがコドさんと一緒に行き着く所は、まだ先だと思う。もう一度、一緒に、日の出を描いて、……やり残したこと、……忘れ物がないか教えてくれるかも――。
それか、コドさんと……コドさんとの別れの準備くらいはしてさ、見送りをする時までは……」
イエドはボクの心を想像しながら、自分の言葉を
説得力の欠けらもない……。
イエドは、自分の考えが疑問に思えました。
「おれは、何を分かっていて言った? この感じは〝虚像〟なのか? おれにはそういうボクの心しか、見えていない――」
悩んでいるイエドをよそに、コドは窓の外を眺めながら言いました。
「ボクちゃんは、大いに
悩めるイエドや。そんなおまえの思いと近いんぢゃ。わしも、ボクちゃんをさっき言ったくらい知っとる。これよりもっと
すると突然、船が短い
船が激しく揺れだしました。
イエドは通路の
コドは、ただ
「ここで……停まるか」コドは言いました。
船は重たい振動を響かせ、停まりました。
「わしはここで
そして、コドは立ち上がり、窓に向きました。イエドは
「ま、待つんだ。それに、そこから出られるはずは――」イエドは立とうとして、腕を座席の
しかし、届きません。脚には力すら入りませんでした。
「脚が?——まさか、こんな時に!」
イエドは
「脚さえ、動けば……」
すると、コドは余裕が
「……おお? こりゃあなんとお!」
イエドは、いつか聞いたようなこの声を再び耳にして、すっかり
「なんとおなんと、イエドも立てぬ脚を持っとったんかい!
イエドはそれに対して、ただ苦く笑うしかありませんでした。
「
コドは、窓の外側から
イエドはそれを
イエドの表情が
「わしはこの脚で、ちょっくら行って来る」コドは言いました。
そして
イエドの視界は、光に
その中は