「シンデレラ! なんなんだあいつは! あんな銃を振り回す赤ずきんなんて聞いたことないぞ!」
王子の姿をした青年が、シンデレラと呼ばれた黄金のドレスの着た女性の方を向き言い放った。
「そうですね……おそらくは
静かに目を閉じながら黄金の美女は答えた。
「
「ええ、さすがに
王子はイライラしたかのように、足元にある小石を蹴り飛ばしていた。どうもその容姿と性格は一致していないように見える。
「そうだ、
期待の眼差しでこちらを見る王子に、シンデレラは静かに首を横に振った。
「いいえ、それはできないのです」
「何故だ! 赤ずきんにはできて何故お前にできない!」
「以前にも説明しましたが、魔法使いが出てくるのは
そう言うとシンデレラは自らの足元にある金の靴を王子へと見せつけた。
「ならどうする! こちらの
「戦いようはあります。赤ずきんが銃を使うということはその主人たる
そこではっと王子は気付いた……というより思い出していた。
「確かに、あの男に接敵した時、あいつは銃を取り出して撃ったりはしなかった。赤ずきんが代わりに邪魔をしてきたが……」
「ええ、つまり赤ずきんが銃を使っている時は
「ならば、赤ずきんとあの男を分断できれば勝機はあるな……身体能力的には
シンデレラは少し悩んだような顔をした。その悩む姿はその美人な容姿も相まってかとても絵になるようなものであった。
「
「そういえば、赤ずきんもあの男を逃がそうとしていたな」
王子はシンデレラの横へと座るとその肩を抱いた。
「私が赤ずきんの注意を惹き
「いいだろう。あの男を殺せば赤ずきんも大人しくなるのか?」
王子の手が肩からシンデレラのその豊満な胸元へと移動する。
「ん……、ええ。姿を保てなくなり
「そうか。ならよし。勝ったも当然だな!」
楽観的に答えた王子とその手つきにシンデレラはそっと王子から顔を背け、嫌悪感を露わにしていた。