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第33話 闘志の火花

白崎先生が後退するその隙を、俺は迷うことなく追い詰めた。


一歩、また一歩と間合いを詰め、攻撃のチャンスを探る。

だが、白崎先生もただ下がっているわけではない。

彼の目が鋭く、俺をしっかりと捉えている。


「お前、確かに強くなった。しかし、まだ足りない。」


その言葉に、俺は思わず足を止めた。

まだ足りない? その意味が分からないわけではない。

白崎先生の闘志が、俺のそれを試すように伝わってくる。

次の瞬間、白崎先生は素早く前に出て、鋭い回し蹴りを繰り出した。

バシュッ!

その蹴りが俺の肩をかすめ、風を切る音だけが耳に残る。


「くっ…!」


その勢いに、俺は少し後ろに揺れるが、すぐにバランスを立て直す。

だが、どうしてもその動きが遅れ気味だ。白崎先生の攻撃の精度、速さがすべてを圧倒してくる。


「今のが効いたか?」


白崎先生は軽く笑いながら、次の攻撃を仕掛けてくる。

今度は両足を使って、激しい連打が続く。

俺はその攻撃を受け止めることができない。

とっさに、反応しようとしたが、白崎先生の拳が次々と俺の体に襲いかかってくる。

ガシャン!

それでも、白崎先生の攻撃の一つを片手で受け止め、ようやく反撃のチャンスをつかんだ。

だが、まだ俺の力は足りない——


「はっ!」


今度こそ、俺の動きが白崎先生の隙間にぴったり合う。

ひとたびその隙を突けば、少しの力でもその体勢を崩せる。

俺は全力で左膝を放ち、先生の腹部に叩き込む。

ドゴン!

白崎先生の顔が歪み、一瞬だけ動きが止まる。

だがすぐに、彼は冷静さを取り戻す。


「ふっ…お前、少しは本物になったな。」


その言葉とともに、白崎先生は笑みを浮かべる。


「だが、まだまだだぞ。」


そう言うと、先生は素早く俺の背後に回り込んできた。

その動きはまるで風のように速く、僕は一瞬何もできなかった。


ガシッ!


その瞬間、先生の手が俺の肩をつかみ、強引に体をねじ込む。


「うぉ!」


その強引な動きに、俺は一歩も動けなくなった。だが、それでも気力だけはまだ失っていなかった。


「まだ、だ!」


俺は全身に力を込め、白崎先生の手を振りほどこうとする。

しかし、その動きが思いのほか重く、耐えるのが精一杯だった。


「お前、そう簡単には崩れないな。」


白崎先生が何度も俺を試すように動きを変える。だが、その度に俺の体はついていく。


「……来い!」


俺は最後の力を振り絞り、白崎先生の力強い手を打ち払う。

瞬間的に、俺の周りが静まり返るような気がした。

その静寂を破ったのは、次の瞬間、白崎先生の一言だった。


「これが、お前の限界か?」


その言葉を聞いた瞬間、俺の中に何かが爆発した。


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