白崎先生の冷徹な眼差しが俺を捉えている。
だが、今の俺にはその視線が、何も恐ろしいものに感じられなかった。
むしろ、戦いの中で感じたこの“変化”に、少しの期待すら抱いている自分がいる。
「覚悟はできてるか?」
白崎先生がそう言うと同時に、再び拳が俺に向かって飛んできた。
しかし、今度はその動きに、以前感じたような速さの恐怖を感じない。
俺はその攻撃を、呼吸を合わせて、わずかな遅れで右手で払うように受け止める。
「なんだと…」
白崎先生が一瞬だけ驚いた顔を見せる。
だが、それもすぐにいつもの冷静な表情に戻る。
「なるほど、お前の反応速度が一気に上がったか。だが、それだけではまだ足りない」
そう言いながら、先生は再び力強い右ストレートを放った。その拳を避けることができるだろうか?
いや、今回は避けるだけではだめだ。
俺は全身に力を込め、拳を突き出す。
ゴン!
お互いの拳がぶつかる。衝撃が腕を駆け巡り、体全体が震えた。
だが、今回はその震えを俺は止めなかった。
むしろ、その震えを力に変えるように意識した。
白崎先生が一歩後退し、その目が鋭く光った。
「よし…これでお前の本気を感じた。だが、ここからだぞ」
そう言って、白崎先生は再び攻撃を仕掛けてくる。
だが、その攻撃に、俺は以前のような恐怖を感じなかった。
むしろ、冷静に動ける自分がいる。
「来い!」
俺は両足をしっかりと踏みしめ、白崎先生の攻撃を待つ。やがて、拳が俺の顔を狙って迫ったその瞬間——
ズン!
その拳を俺は掴んだ。
腕を曲げ、力強く握りしめたその瞬間、白崎先生が少しだけ驚いたように目を見開く。
「お前、まさか……」
その驚きの声が、俺の体に力を与える。
今、俺はただ反応するだけではない。攻撃を避けるだけではない。
「……うぉりゃっ!」
その一言と共に、俺は白崎先生の腕を引き寄せ、その隙間に素早く膝を打ち込んだ。
ドスッ!
その膝が白崎先生の腹部に入る。
一瞬、白崎先生の体が硬直したように感じられた。だが、すぐに反応し、俺の膝を払いのけようとする。
その瞬間、俺はすぐに自分の体を引き戻す。
そして、次の一手を考える。
「まだだ!」
白崎先生が反撃しようとしたとき、俺は素早く前に出て、今度は彼の足を狙う。
「き、きたか…!」
その攻撃を読んだかのように、白崎先生はすぐに後ろに飛び退く。
しかし、その動きには以前ほどの余裕は感じられなかった。
俺はその隙を逃さず、すぐに追い込んだ。