白崎先生はゆっくりと首を鳴らした。
「……よし、じゃあ"本気"を見せてやるか」
そう言った瞬間——
ズドンッ!!!!
圧倒的な衝撃波が周囲に広がる。
「……ッ!」
俺は咄嗟に腕をクロスさせて防御したが、衝撃で足が数センチ浮き、地面にめり込むように着地する。
(……な、なんだ今のは!?)
まるで爆発でも起きたかのような衝撃。でも、白崎先生は一歩も動いていない。ただ、拳を握りしめただけ——それだけでこの威圧感。
「これが……先生の本気かよ」
俺は冷や汗をかきながら呟く。
「まだまだこんなもんじゃねえぞ」
白崎先生の体から"蒸気"のようなものが立ち昇る。筋肉が膨れ上がり、血管が浮き出る。その目は鋭く光り、まるで獣のようだった。
(……ヤバい)
本能が告げる。
「——来るッ!!!」
ドンッ!!!
視界から消えた。
「……!!」
(どこだ!?どこに——)
「遅ぇよ」
背後——!?
ゴッ!!!!
衝撃が背中に突き刺さる。
「ぐああっ!!!」
俺の体が宙を舞い、コンクリートの床に叩きつけられる。
(くっそ……!!背後を取られた……!?いや、それだけじゃねえ!スピードがまるで違う!!)
「どうした?さっきまでの勢いは?」
白崎先生がニヤリと笑う。
「まだ……終わっちゃねえ……!!!」
俺は歯を食いしばり、再び立ち上がる。
だが、白崎先生はもう目の前にいた。
「遅い」
——次の瞬間。
俺の意識は、真っ白に弾け飛んだ。