目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第28話 白崎の本気

白崎先生はゆっくりと首を鳴らした。


「……よし、じゃあ"本気"を見せてやるか」


そう言った瞬間——


ズドンッ!!!!


圧倒的な衝撃波が周囲に広がる。


「……ッ!」


俺は咄嗟に腕をクロスさせて防御したが、衝撃で足が数センチ浮き、地面にめり込むように着地する。


(……な、なんだ今のは!?)


まるで爆発でも起きたかのような衝撃。でも、白崎先生は一歩も動いていない。ただ、拳を握りしめただけ——それだけでこの威圧感。


「これが……先生の本気かよ」


俺は冷や汗をかきながら呟く。


「まだまだこんなもんじゃねえぞ」


白崎先生の体から"蒸気"のようなものが立ち昇る。筋肉が膨れ上がり、血管が浮き出る。その目は鋭く光り、まるで獣のようだった。


(……ヤバい)


本能が告げる。


「——来るッ!!!」


ドンッ!!!


視界から消えた。


「……!!」


(どこだ!?どこに——)


「遅ぇよ」


背後——!?


ゴッ!!!!


衝撃が背中に突き刺さる。


「ぐああっ!!!」


俺の体が宙を舞い、コンクリートの床に叩きつけられる。


(くっそ……!!背後を取られた……!?いや、それだけじゃねえ!スピードがまるで違う!!)


「どうした?さっきまでの勢いは?」


白崎先生がニヤリと笑う。


「まだ……終わっちゃねえ……!!!」


俺は歯を食いしばり、再び立ち上がる。


だが、白崎先生はもう目の前にいた。


「遅い」


——次の瞬間。


俺の意識は、真っ白に弾け飛んだ。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?