「……覚醒?」
白崎先生の目が鋭くなる。
「はっ……お前の"未来視"は完全ではないはずだ」
「確かにな。でも……今なら"見える"んだよ、先生の動きがな」
俺はニヤリと笑いながら拳を握りしめる。
バチバチバチッ——!!!
全身から"電撃"のようなエネルギーが弾ける。
(——来る!!)
白崎先生の動きが"予測"ではなく、"確定"した未来として俺の脳内に流れ込む。
「——っ!」
先生が動いた瞬間、俺も同時に踏み込む。
——その結果。
「なっ……!」
先生の拳が俺の顔の横をすり抜ける。
「……外した?」
白崎先生が驚愕の表情を浮かべた。
(そうだ、先生……"俺はもう見えてる"んだ)
次の瞬間、俺の拳が先生の腹に突き刺さる。
ドゴォンッ!!
「ぐっ……!!」
先生の身体が後方へ吹き飛ぶ。
ゴォォォンッ!!
壁が砕け散る。
——俺は、勝てる。
初めて、そう確信した。
***
白崎先生がゆっくりと立ち上がる。
「……やるな」
口元から血を拭いながら、先生は微笑んだ。
「ならば、私も"本気"を出すしかないようだな」
「……先生の本気、見せてもらうぜ」
俺は拳を握り、再び構えを取る。
——そして、戦いは"最終局面"へと突入する。