白崎先生の目がわずかに細められる。
「……随分と成長したな、佐倉」
「先生が強すぎるだけだろ」
息を整えながら言い放つと、白崎先生は微かに笑った。
「だが、それでも終わりだ」
次の瞬間——
ドォンッ!!
先生の周囲の空間が激しく"歪んだ"。
「っ……!」
重力が一気に"増した"のを感じる。
(これは……動けない……!?)
まるで巨大な手が俺の身体を押さえつけているような感覚。
「君の能力がどれほど成長しようと、この"重圧"からは逃れられない」
白崎先生が手を振る。
その瞬間——
ズンッ!!!
圧倒的な力が俺の身体を地面に叩きつけた。
「ぐっ……!」
視界が揺れる。
床に膝をつき、動こうとしても——
身体が重すぎる。
「佐倉!」
ひかりの声が聞こえるが、顔を上げることすら難しい。
(このままじゃ……やられる……)
白崎先生が、ゆっくりと歩み寄る。
「君の力は、まだ未完成だ」
俺のすぐ目の前で足を止めると、先生は静かに言った。
「だからこそ——ここで終わりだ」
そう言って、先生は手を振り上げた。
——その瞬間。
「違うよ、先生」
俺はニヤリと笑った。
「まだ、"手"があるんだよ」
白崎先生の表情がわずかに変わる。
その瞬間——
パァンッ!!
俺の全身から、"力"が弾けた。
(——見える!)
白崎先生の動きが、未来が——"完全に"読める。
——そして、次の瞬間。
俺はその"重圧"を振り払った。
「——なっ!?」
白崎先生の表情が初めて驚きに染まる。
「……俺の"覚醒"、ここからが本番だぜ」
そして——
"本当の戦い"が始まる。