遠くで咲く名もない花は
太陽のようには見えないけれど 大きく
海のようには匂わないけれど 広く
「どこかに存在しているはず」
止まないその願いを集めている
何があろうと 何が起ころうと
変わらずに いつもの姿で
ぶれない芯を 持ち続けてくれている
名もない花 だからこそ
皆の心を 大きく 広く
占めてしまうのだろう
それは薄く漂っているだけ かもしれない
しかし気付ける者にはわかる
それだけの存在
太陽の光が目に映ると
その瞳は太陽に等しく 強い眼差しになる
海の波が乱れた心を打つと
水平線へ引き離して 新たな律動で打ち寄せる
遠くに咲く名もない花は 太陽も海も及ばない
小さな思いに 無言で寄り添ってくる
皆がそのことに気付く そのときまで
遠くで咲く名もない花は 消えないで
次の花を いつものように咲かせてくれるのか
誰もそれを確かめることはできないけれど
皆にはその存在を 無くしてはならない存在として
何の見返りもないことを申告した上で 推薦したい