【依頼者】
教えてください。どうしても周りの目を気にしてしまうのですが、どうすれば気にしないで済みますか?
【相談員の意見】
あなたの丸い眼球を、四角に変えるつもりで、見方を変えてみましょう。
自分の常識を破りましょう。その常識を抜け出し、あなたは小さな檻を出て間も無く、さらに外側のだだっ広い、猶もあなたを閉ざそうとする、より頑丈な檻に眼が泳いでしまうことでしょう。
――ですが、そんなあなたを見る世間の眼が、周りを泳いでいても慌てないで。
産熱工場の心臓から身体中を流れる、赤い血流燃料の中に、魂という透明の精神を流してみましょう。
あなたは震える拳で、眼下にある孤島を滅亡させてください。
孤島は、あなたを取り巻いていた狭小な世界なのです。
しかし、その巻き添えで檻の外に変化を起こすのです。
その変化はハンディファンの送風か、ハーリケインの嵐か、それはわかりませんが、
――バタフライエフェクト!
なんとなく掛け声みたいに思えたので、そのつもりでお願いします。
とにかく、世紀末の混乱、動乱の果てに、あなたの求める日常があると信じましょう。
今までも、幾度も世紀末を、この世の終わりをこえて、この日常に至っただけですから。
今、どこかで、誰かの孤島が滅亡しているかもしれない。
それでも、わたしたちにはどうしようもないこと。
要は、滅亡後のそこに、自分で何を築けられるかが肝心ではないですか?
あるいは、その島を見限って大陸へ進出するのもありですよ。
…【依頼者から】
いろいろな意味で、長いトンネルの中から外へ抜け出せた気がします。