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第21話 僕は悪くない! 悪いのはその女だ!

 日当side……


 妻と結婚して二十数年経ち、息子も大学に進学して子育ても一段落してきた。


 妻との関係は良好とは言い難いが、夜の相手をしてもらえない分をに相手してもらっているので性的にも何も問題はない。


(はじめは頼りになる大人の男として近付いて、飽きてきたら妻に浮気がバレたって言えば、大抵の女は恐れて別れてくれる。しかも妻に打ってもらって慰謝料を請求して貰えば、お金も手に入って良いこと尽くしだ)


 特に今、狙っているのはスーパー勤めのパートで、気が弱くて強引に押せば簡単に弱みが握れそうな女だった。

 美人な上に巨乳。見ているだけで、つい虐めたくなってしまうのが俺の悪い癖である。


「あー、メロと別れてから風俗でしか抜いてないからなぁ。早く木梨とヤりたいな」


 手首に手錠をつけて自由を奪いながら、泣きじゃくる彼女に腰を振りたい。なぁに、まだ二十歳前後の女……一度抱いてしまえば、あとは俺のテクニックで簡単に落ちるはずだ。


 確か旦那はベンチャー企業の社長だとか言っていたな……。旦那に知られたくなければ金を出せと言えば、簡単に払いそうだ。


 今日はどんな言葉責めをしてやろうかな。

 そう思いながら、いつものようにスーパーの裏口から入店したのだが、どうも様子がおかしい。

 いつも俺の機嫌をとるように声をかけてくる社員やパートのおばさんたちが全く近付いてこない。俺がきていることに気づいていないのか?


 まぁ、いい。俺の一番のターゲットは木梨波留ちゃんだ。今日は出勤している日だろうか?


 だが、いくら当たりを見渡しても彼女の姿は見たらなかった。どこに行ったんだ? キョロキョロと見渡していると、遠くからスーパーの主任が歩いてくるのが見えた。


「おぉ、これはこれは千倉主任じゃないですか。今日は皆様の姿が見当たらない気がするんですが?」

「日当さん……、あなたという人は何ということをしでかしたんですか?」


 哀れみを帯びた視線に、俺は思い当たる節がなくて露骨に顔を顰めてしまった。おいおい、良いのか? そんな偉そうな口を利いて……。


「パート勤務である木梨さんから、あなたからセクハラを受けていると相談されたんですが……」

「——は?」


 まさかまさかの質問に、思わず不機嫌な表情のまま主任に反論した。セクハラって、何を言っているのだ?

 旦那にすら相手にされなくて枯れた生活を送っている彼女に潤いを与えようと、俺は善意で声を掛けてあげているというのに!


 人の好意も理解しようとしない木梨に嫌気がさした。あのアマ……っ、今度会った時には徹底的に分からせてやる!

 俺はバレないように奥歯を噛み締めて、必死に負の感情を押し殺した。


「何をおっしゃっているんですか? 私がセクハラなんてするわけがないでしょう? 悩みを聞いてあげているだけで」

「言い訳は私じゃなくて、弁護士さんにしてもらえませんか?」


 融通の効かないセリフに、次第に汗が滲んできた。


「奥の部屋に弁護士さんが待っていますので、すぐに行ってください」


 そう主任に言われ、無意識に奥のドアを覗き込んだ。あぁ、嫌な感しかしなかった。できることなら逃げたいのに、足が動かない。


 俺は主任に連れられるように奥の部屋へと歩き進めた。


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