人生の勝ち組って言われてさ、どんな奴を思い浮かべる?
俺はね、やっぱ金があって実力があって、若くして成功してる奴だと思うんだよね。
そう、例えば俺のような?
大学時代の友人と一緒に立ち上げたベンチャーが当たって、二十半ばで若手社長。従業員はそこそこだけれども、中央区のタワマンに住んでいる時点で勝ち組確定だと言っても間違いではないだろう。
おーっと、大事なことを抜かしていた。
俺にとって一番の自慢は、童顔美女なのに巨乳な優しくて掃除も料理も完璧な幼妻、
俺好みの露出の多いミニスカにフリルたっぷりのエプロンを付けて、可愛いったらありゃしない。
波留の姿を見ただけで、身体中の血液が下半身に集まって元気100倍になってしまいそうだ。
「もう、
「そんなことを言ったってさー。波留ちんが可愛いのがいけないんだよー。なぁなぁ、波留……社長がこんなに興奮したままじゃ、部下に舐められると思うんだ。社長夫人として、どうするのが正解だと思う?」
彼女の太ももに下半身を押し当てて、羞恥心を掻き立てるように耳元で囁いた。真っ赤になった顔でフルフルと唇を震わせて、可愛い過ぎる。堪らないなぁ。
プルンプルンのFカップを両手いっぱいに持ち上げて、重力がのし掛かる。なんて幸せな重みなのだろう……!
「もう大智さん、朝からそんな、オッパイを揉まないで……!」
「波留がいけないんだよ。こんなに可愛くて、エロくて、おっきなオッパイを揺らしてさ……」
「それは大智さんが、家では薄着でって言うから」
エプロンを外して、服の中に手を入れ込んで、直接揉みほぐす。チュッ、チュとキスをしながら彼女をソファーに押し倒そうとしたその時だった。
「うわぁぁぁぁぁん! わぁぁーん!」
「わっ、ココちゃん!」
奥の部屋で泣き喚く一歳の娘。そんな娘を心配して走って駆けつける妻。
チッ、せっかく良いところだったのに。
すっかり水を差されて気分を悪くした俺は、面倒くさそうに二人の元へ向かった。
「ごめんね。今、オムツを替えているから。少し待っててくれるかな?」
ご飯を作り終えて、思春期の男子のように発情した夫の相手をしながら娘のオムツを替える妻。
俺は頭を掻きながら、大きな溜息を吐いた。
「波留……
「大智さん、ありがとう。それじゃ、よろしくお願いします」
うんうん、大変だもんなー。愛する妻の為なら、オムツの一つや二つ朝飯前だ。俺は慣れた手付きで替えたのだが……。
(あぁ、いつ見ても不細工だな、コイツ。なんで俺に似てないんだ?)
波留のお腹の中に赤ちゃんが来た時は、涙を流して喜んだし、胎教代わりに沢山話しかけたし、お腹も沢山撫でた。
しかし、生まれてきた心を見た瞬間、俺は絶望した。俺も波留もパッチリ二重なのに、心は一重の横綱顔だった。
赤ん坊の顔は変わるからと言われているが、二歳になった今でも、俺にも波留にも似ていなかった。
だが、こんなに俺のことを愛して尊敬している波留が浮気をしていたなんてあり得ない。そもそも妊娠時も俺が独占して、男を近付けないようにしていたのだから、万が一もないはずのだが——……。
「ふぇ……っ、パンパ、マンマァー!」
「あー、早く替えてやるから泣くなって。チッ、面倒くせぇな」
波留に聞こえないように小さな声で呟く。
誰もが羨む地位、タワマン住まい、可愛くてエロい巨乳妻。
その中で
———……★
「この旦那、一番苦手なタイプの男です(苦笑)」