「ところでさ。俺たちの任務って、3ヶ月間この星で生活して、体に異常が出ないか調べることなんだよな」
「そうだよ。何いってんの今更」
「さっきさ、地球人の映像みたじゃん。まんま俺たちと同じ姿だったろ? しかも、こんな風に話したり出来るんだよな。情が移っちゃうんじゃないかって、心配になってきてさ」
正直なところ、私もそう思い始めていた。リオから地球のことを教えてもらうまでは、生物がいたとしてもタコやトカゲレベルの生き物だと思っていたからだ。
「だから、僕たちは調査だけとし、侵略自体は本隊に任せるのだと思います。――この星の人間だって、食すために動物を飼っているそうです。自分たちの命をつなぎとめるには仕方ないことなんですよ」
「――確かにそうだな。俺たちは淡々と、3ヶ月ここで過ごせばいいだけだ。余計なことを考えるのはやめにしよう」
その後の会話は弾まず、15分も歩いた頃、初めての地球人に出会った。
「ちょっと君たち、この辺じゃ見ない顔だね? ――どこから来たの?」
後ろから来た車が、私たちの真横で停車した。中にいた男性が、訝しげな顔でそう問いかけてくる。白と黒のツートンカラーの車。インストールされたプログラムによると『パトカー』とのことだ。
「ど、どこからですかって? ――ど、どこからより、どこに行くかの方が大事ですよね? ぼ、僕たちここに行きたいんです!」
リオは強引な理屈でそう言い切ると、持っていたメモを男に差し出した。車から降りてきた男は、さっきより険しい表情でリオのメモを音読した。
「
「きょ、今日から住むんです、僕たちそこに」
***
「いやあ、すまんかった! 最近、田舎の家を狙った若いやつらの犯罪が多くてな。3人揃って同じ服を着てるのってのも珍しいし、怪しい匂いしかしなかったんだよ。本当に申し訳ない!」
大木という警察官は、パトカーで家まで送ってくれるということになった。疑ってしまったことへの償いの気持ちらしい。
「ちょうど鳥居さんから聞いていたところなんだよ、隣の空き家に若い子たちが引っ越してくるって。いやあ、俺も嬉しいよ、この町に若い子たちが来てくれるってのは。――そうそう、本当はパトカーをこんな風に使っちゃいけないんだ、これは内緒にしておいてくれよ」
大木への相槌はリオにまかせて、私は流れる景色を眺めていた。
そっか……この星では皆が同じ服を着るっていうのは、珍しいことなんだ……