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第11話 ロボット少女は挫けない1

 放課後になり、俺はひとりで基地にへと向かっている。

 なぜかというとだな.....放課後になり、橋田が近づいてきてこう言ってきたんだ。

「ちょっと用事を済ませてくるので、先に行っておいてください。ああ、そうそう。何処かでお菓子とジュースをたくさん買っておいてください。」

 ジュースとお菓子。それは一体誰がお金を出すのか。それは明確であり、それをわざわざ聞くのも愚か者であった。

 そう、俺だ。

「あ、そうそう。大塚も遅れるから先にパーティ.....ゴホン、会議の準備をしていてください。」

 今パーティーって言わなかった?

「ではではー!」

 言いたいことだけ言って橋田は何処かに行ってしまった。全く、俺をパシリ要因か便利屋だと思っているのかよ。

 だが手ぶらで何も持たずにそのまま行くってのもまずいだろうし、橋田の言いなりになるのは癪であったが俺は最寄りのスーパーにえと向かって、菓子類を買い揃えた。ああ、そうだよ。奴隷精神上等だよ。


 両手にビニール袋を引っ掛け、俺は悠々と基地にへと向かっていた。ちょうど財布に入っていたクーポンが今日までだったので使ったのだが、かなり安くなったのだ。

 そう思いながら俺は基地に着き、扉を開ける。

 そこには我がファミリーの天使枠、シロネさんがそこに居た。椅子に座り、静かに本を読んでいた。その様子は目に入れても痛く無いような、素晴らしいと言える景色であった。

「あ、こんにちは璃くん。」

「どうも、シロネさん。」

 シロネさんは笑顔で挨拶をしてくれた。俺は挨拶を返し、椅子に座った。やはり、この組織の重要癒し要素である彼女は俺のモチベーションにへと直接干渉をしてくるではないか。ウヒョっす最高だ。

「他お二人はまだ来られないのでしょうか?」

「ええ、なんか遅れて来るらしいですよ。なんか、パーティーでもするのかして。あっ、お菓子も買ってきました。」

「そうですか。ありがとうございます。」

 シロネさんはとびっきりの笑顔を見せ、もうすっかり惚気気分になっていた。

「お茶でも飲みますか?」

「はい、頂きます」

 そう言うとシロネさんは立ち上がり、お茶を淹れる準備をしている。俺はシロネさんを暫くバレない程度に凝視していた。そして、眺めているうちに昨日の事を思い出していた。

 昨日カゲと対峙している時にシロネさんの腕が変形し、銃器に代わっていた事。気になる。

「あの、気になる事があるんですけど。良いですか?」

「はい、何なりとお申し付けください」

「昨日のカゲと戦っていた時に気になったんですけど、あの腕が変形していたのは.....」

 シロネさんはお茶を淹れてくれて、俺の前に置いた。俺は速攻でお茶にありついた。

「ああ、そう言えば璃くんに伝えていませんでしたね。私の腕が銃器にへと変わる。違和感を感じるのは無理もありませんよね。では、簡潔に申し上げます。実は私は人間ではなく、ロボットなんです」

 俺は飲んでいたお茶を止めて、自分の耳を疑った。それと同時にカレンダーに目をやる。今日はエイプリルフールだっけ?と。そう思いながら日付を見てみたが、そもそも今日は4月ですら無かったのだ。

「冗談のように思われるのも無理はないでしょう。勿論、橋田さんや大塚さんに打ち明けた時もお二人はビックリしていました。」

「本当ですか?でも、俺には貴方がロボットには見えないんですよ。ほら、こうやってなんの違和感もなく喋ってますし、思考だってあるでしょう。」

「私は本当はここに居ない。私は蘇った死人なのです。」

「それってどういうことですか?」

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