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第3話 2 十年目 春 -Heaven Can Wai- 前

 二日間家に閉じ込められた。この時期に雨がこんなに続くなんて珍しいことだ。雨降りの間はずっと家の中。とても幸せそうな顔のミイは、俺が少しでも退屈さを顔に出すたびに食べ物を出したり酒を出したり、甘えてみたり。勿論、そんな仕草のひとつひとつはみんな、抱きしめて甘噛みしたくなるぐらいに可愛いくて、それを独占している俺はおそらく街の中でも指折りに幸せな奴なんだろうけれど、二日は長い。正直なところ、何度かはルールを破って雨の中出かけようかと思ったぐらいだ。

 何かあったんじゃないかと心配した―あからさまに嘘くさい―らしいクサカから電話があったりもした。「ミイとしりとりをしたり転がりっこをしたり」と現状を教えてやったら、「明日も晴れなかったらお前の家で飲んでやろう、喜べ」だと。ちょっと真剣に晴れを祈った。そのおかげなのかどうかようやく晴れて、夕刻、外へ出た。

音楽スタジオとライブハウスの機能を併せ持っている、〝ミュージックハウス ヘブン〟は、十一番通りの中腹にひっそりと建っている。裏手が、十番通りでも一番の巨大飲み屋だから、余計に〝ひっそり〟が強調されて、遠くから見ると廃屋のようにすら見える。

 地上二階、地下一階。くすんだ壁と、数か所が割れている看板。沢山のポスターやビラを剥がしては貼り、また剥がしを繰り返した糊の跡が建物のいたるところを埋め尽くしている。

 ミカミに「久々に練習しましょう」と声をかけられたのが、雨があがってすぐのことだった。俺の性格をちゃんと把握しているミカミだから、俺が行き先を決めてしまう前に予約を入れておくつもりで電話してきたらしい。奴の目論み通り、雨上がりの庭を眺めながら、さて何処へ行こうか、と考えていた俺だったから予約は正常に受理され、俺はこうしてスタジオに来たわけだ。時刻は夕方五時過ぎ。いつもより少し早めの外出にミイが頬を膨らませて、出かけるのに少し苦労した。



 一階は受付と待ち合いスペース、それに、ピックや弦を販売する小さな売店。練習スタジオが地下に三室、ライブ用のステージが二階にある。俺が店内に入ると、もう受付スペースにミカミ、ダー君、トシオ君が揃っていた。ダー君は相変わらず爪磨きで、トシオ君は、愛用のドラムスティックを器用にくるくると回している。ミカミは五線譜に向かって、熱心に書き込んでいた。

「受付するんでちっと待ってて下さい」

 空いていたらしく、すぐに入れた。

 重い防音扉を開いてスタジオ内に入るとすぐに、機材から発せられているのか何だか実態は分からない、ツンとした匂いに出迎えられる。練習の匂い。

 ギターのミカミは手際よく機材をセットし、チューナーで調弦していく。ダー君は、演奏前に爪が割れるのは不本意だから、と手袋をはめて準備する。トシオ君はドラムセット前で、それぞれのドラムの高さや、ハリを調整。俺は、マイクをすぐに使えるように機材につなぎ、それから、音の調整をする。何度か声を出し、ミキサーのゲインランプの光を確認する。トシオ君の準備が完了しているのを確認して、フリーに叩いてもらう。それに合わせて音量を上げていく。しばらくそれを繰り返しているうちにダー君とミカミの準備も終わって、二人も音量調整に参加する。ベストバランスは、ドラムがちゃんと全員に聞こえる状態の中で最大の音量。そこから、ギターを気持ち、下げる。大体十分ぐらいでそういう準備作業が終わる。

「じゃあ、最初はレパートリー、通しでやっていきますか。一曲目から」

 ミカミがそう言うと、トシオ君が、特に確認することもなくカウントを入れる。〝一曲目〟は俺達が四人で最初に創ったオリジナル曲。タイトルは『Glorious City』。曲をミカミが作ってきて、それに俺が歌詞をつけた。街の、音楽好きの連中が俺達のことを気に入るきっかけになってくれた一曲。街と、自由と、俺達の歌。


 狭すぎるこの街で、俺達が出会った理由?

 考えても仕方が無い。

〝これから〟にこそ意味がある

 失くしたものを数えたところですぐに飽きる

 明日がすぐそこまで来ているのなら、出来ることはそんなに無い

 Glorious City 出口などいらない

 夢見る俺達が今、歌うべきは

 Glorious City 明日の過ごし方とお前について

 自由について 

 夢と、その価値について

 Glorious City

 終わらない日々を憂い、夜から逃げたこともある

 出会いと別れの日々に、涙を拭いたこともあった

 今、この瞬間、此処に俺達がいるんだ

 別れのその時に、無意味な後悔をしたくないから、歌うんだ

 Glorious City 声を音楽にのせて

 夢の続きを俺達は今、歌にする

 Glorious City 明日は何処にいる

 何を求めてる?

 夢は何処にあって、どんな色をしてる?

 そのうち分かるさ

 明日がすぐそこまで来ているから

 俺達は今しか出来ない事をするんだ

 Glorious City 何もいらないんだ

 俺達がいて、歌が此処にある

 Glorious City 今、歌うべきは一つ

 俺とお前の目の前にある、広大な自由について

 夢の叶うその日について

 この偉大なる街、俺達がこうしていることについて

 Glorious City

 Glorious City   



 何度も曲を合わせて、三時間。スタジオの片隅に置いてあるランプが点滅をはじめたら、片づけ開始の合図だ。使った機材を戻し、ボリュームやその他のツマミを全部ゼロの位置に戻す。外に出る。室内のこもった空気とはまるで違う外気に少し違和感を覚えながら受付に戻り、代金を支払って外に出る。

「ちっと、上見ていきますか」

 ミカミの発案で建物の二階、ライブスペースへ。今日のライブは、トシオ君の昔からの知り合いがギタリストをしているらしいバンドのワンマンで、場内は猛烈な熱気で埋め尽くされていた。ちょうど、そのギタリストが凶暴そうな顔つきでソロを弾いていた。ディストーションの効いた音。早いフレーズ。音が連なって、暴れる。その裏側に、ベースとドラムがどっしりとした足場を築いていく。ヴォーカルの奴は、右へ左へとステージ上を歩きながら観客を煽ったり、水を飲んだり。

 やがてソロが明ける。ヴォーカルが野太いシャウトを会場内にばら撒き、観客が揃って、それに答える。音楽が好きで、激しいロックが好きで、身体を揺らしながら自由を味わいたい奴らが集まる場所なのだ。そんなに広くないライブハウスで、人が密集すると季節に関係なく汗の飛びちるような気温になる。ステージ側から放たれる照明が、赤、青、黄色と色を変えていき、観客達は皆、意識の半分ぐらいを蒸発させながら飛び跳ね、声をあげ、拳を突き上げる。

 最後の曲だったらしい。演奏が終わり、ヴォーカルが威勢の良い挨拶をし、ギタリストがギターを、ドラマーがスティックを観客席にそれぞれ放り投げて帰っていった。観客側の照明が灯された。いきなり飛んできたギターで頭を打ったのか、床に倒れて悶えている奴がいた。そいつを打ちのめしたのであろうギターは、もう既に持ち去られていて何処にも見当たらなかった。



 その翌日、快晴。バーに行くと、例によってクサカがいたのは別にどうでも良いとして、その横に、仕切りにクサカに話しかけている男がいて、面白いぐらいに無視されていた。この界隈で、犬猫すら相手にしないようなくだらない詩を書いている自由市民、サカダとかいう奴だ。俺と同じぐらいの年かっこうで、いつでも何処でも青白い顔をしているような奴で、ほどほどにアル中――毎日決まった時間に決まった量を飲まないと震えだしたりする程度だから、それほど重症じゃない――だ。四六時中飲んでいて、酒が抜けている時なんか殆ど無いクサカは、果たしてアル中なのだろうか。ふと、そんなことを考えた。あまりにもどうでも良かったから、すぐに考えるのを止めたが。クサカがアル中じゃないなら、街中のアル中呼ばわりされている連中全員、激怒することだろう。

「こいつがさっきから煩いんだがな」

「クサカさん、そんなこと言わないで、貴方のための詩をひとつ、やらせてくださいよ」

「とりあえず、酒、おかわりだ」

 横で懇願するサカダを完全に無視して、クサカが俺にグラスを突き出す。受取ろうとすると、そのグラスが不意に弾かれて、床に転がった。

 立ちあがったサカダが、クサカの手にあったグラスを弾き飛ばしたのだった。そして、そのままの勢いでクサカの肩に手を回し、俺に毒づいてきた。

「あんだよ、てめえ、邪魔すんのかよ!」

「おいタケシタヒロシ、何とかしろ」

 こんな年中無休で酔っぱらいの奴の何処がそんなに気に入っているのやら、俺にはまるで理解出来ない。悪い奴じゃないのは分かるが、手がかかって仕方が無いと思うんだが。

「邪魔をする気はねえよ。お前の力不足だろ」

「お前が来なきゃ上手くいきそうだっただろうがあ」

 クサカを捕まえていた手を離して、サカダはそのまま俺に掴みかかってきた。俺の胸ぐらをつかんで、口から唾を飛ばしながら、ああでもない、こうでもない。何を言っているのか殆ど分からなかった。こっちはまだ一口も酒を飲んでいないのに、最悪だ、こんなの。面倒くさくなって、ついうっかり。横顔を思い切り殴りつけてやった。

「お、やるじゃないか、お前」

 クサカがケラケラ笑って喜ぶ。マスターが面倒くさそうにこちらの様子を窺っている。サカダは、カウンターの角に腰をぶつけたらしく、しばらくの間、床でうめいていた。

「なんだこのおかしい奴」

「悪いね。まあ、バーって場所にゃ三日に一度ぐらいのペースでどっかおかしい奴が来るんだ」

 どういうわけかマスターが謝ってきて、俺の前にビールの入ったグラスが置かれた。

「お詫びの一杯だ」

「おおおお! このような暴虐がどうして許されようか! 正しき愛の前に立ちはだかる障害を私は取り除かなければならぬ。なぜならばそれこそが、我々が最後にたどりつくべき正義なのだ! 自由とはなんだ! 市民とはなんだ! 我々は一体、何処の誰に正義を誓えば良いのだ! おお!」

 ビールを一口飲んだところで、ようやく立ち上がれたらしいサカダが、今度は何処からどう聞いてもおかしな事を叫び出した。なんだ、正義って。

「おいタケシタヒロシ。もう少し痛めつけてやれよ」

 クサカはサカダの方に一瞥もくれずそう言った。そう言われて、つい俺もそうしたい気分になった。

 その後はもう、大乱闘だ。次に店に入ってきたのがサカダが普段から仲良くしている絵描き――スズノだったか、スズヤマだったか、スズシロだったか、そんな名前だ――で、そいつがサカダに加勢したせいで、普通の喧嘩から乱闘に格上げとなったのだ。マスターが何処かへ電話をかけているのが見えた。俺は適当な酒瓶をこっそり拝借して投げつけたり、カウンター席用の椅子をぶん回したりして応戦した。クサカも、自分が飲みほした酒瓶をめちゃくちゃに振り回して参加していた。そんな状況でもずっと笑顔なのがクサカだ。きっとこいつは、何があってもおかしくて仕方がないのだろう。サカダが額から血を流し、絵描き、スズなんちゃらは何処を切ったのか、右手の拳を血だらけにしている。俺も、血こそ流していなかったけれどあちこち殴られて、身体がギシギシと鳴いていた。もう最悪だ、こんなの。気持ちを一言で表現するなら、〝こいつら、絶対許さん〟。

「面白いから来てみろってマスターから電話もらったんだけど、ああ、こういうことなのね……」

 次に店に入ってきたのはミカミだった。マスターはどうやら、手段問わずの即時解決を希望しているらしい。俺もその方針を全力で支持する。

「こいつらシメてる途中でな、手伝ってくれよ」

「まあ、タケさんに〝手を出すな〟って言われても断るんで、ご安心を」

 ミカミの喧嘩上手と手加減知らずは、街でも有名だ。平気な顔して喧嘩相手に全治一カ月以上の重傷を負わせる。そこらへんにあるものは何でも使う。何かを壊すことなんか、何とも思っていないのだ。そういうわけで、大乱闘は最終的に、ただの暴力へと化した。

 結局、ミカミが参加して僅か五分、サカダ達が逃げ出して事態は終結した。床は割れたビンやグラスだらけだ。少し動くだけでじゃりじゃりとそれらが鳴った。どこか、俺達を非難しているようにも聞こえる。ミカミはともかく、俺は普段、喧嘩なんか殆どしないのだ。痣なんか作ったらミイに無駄な心配をかけることになる。

「なんだよ、俺まだ殆ど何もしてないんだけど」

 そんな文句を言いながらカウンター席に座ったミカミは、つい一分前までスズなんちゃらの上に馬乗りになってボコボコにしていたと思ったが、どうやらあの程度では面白くもなんともなかったらしい。

「店への損害は思ったほどじゃなかったからいいさ。すまなかったな」

 マスターのその一言が事態終結の宣言で、俺はそのまま店を出た。うんざりし過ぎていて、酒なんか飲みたくなかったのだ。



 九番通り、色街の一番奥に〝こころや〟という古くからの遊女屋があって、二、三週間に一度行く。此処が俺の最後の逃げ場だ。面倒事やうんざりする出来事に遭遇するたびに来たくなるけれど、ミイは俺が九番通りに出入りすることを嫌うからこれ以上来店頻度を上げるわけにはいかない。今日ぐらいうんざりしていれば良いだろう。

 呼ぶ女の名前は、アオ。遊女として街に組み込まれていて、青みがかった髪をしているからアオと呼ばれるようになったらしい。肌が壊れ物のように白い。細く長い指の先に、白くて冷たい、可愛らしい爪がついている。少し顎が尖っている。大きな目をしている。笑顔が下手だけれど、俺は欠点も長所も関係無くこいつの全部を気に入っている。それは間違いない。通うようになって九年弱、つまりこの街で暮らしはじめて間もないころから、ずっとアオ。俺は気に入ったものは長く愛用するタイプだ。

 〝こころや〟の個室は狭くて、いつでも濃厚な香が焚かれている。すりガラスのはまった小さな窓が一つある。雰囲気重視の照明として、ぼやりとした行燈の灯りが一つ。菜種の香りが焚かれている香に混ざり、それぞれが好き勝手に室内を漂っている。

「あたしね、最近思うんだけど、ここに来る子の半分はなんでもいいから欲求解消したいだけの子でもう半分はあたしじゃないと嫌だって子なのよ。顔見ているとね、大体分かるの。ただ、ひろは例外。面倒くさがってあたしにしているだけ」

「お前がいなきゃ此処には来ないんだから俺も例の中に含めてくれよ」

「嘘。他でハズレを引く可能性があるのが嫌なだけのくせに」

「お前だって、俺がこうして他所に行かないでたまにだけど来れば嬉しいだろ?」

「そういうことにしておいてあげる……で、花はどう? 咲いた?」

「咲かない。相変わらずだ」

「しょうがない子……痣まで作って、喧嘩したのね。おいで。慰めてあげる」

 頭を掴まれて引き倒され、強引に膝枕に寝かされた。アオの指が、俺の耳の少し横をすり抜けていく。冷たい指の通るその軌跡にかすかな熱が生まれると、俺は目を開いているのが億劫になってきて瞼を下ろした。視界が塞がると、アオの囁くような声が全てを支配していくのを俺は感じる。とても優しい、街のあらゆる不条理を受け入れられるような気持ちが体中に広がっていく。

「で、喧嘩の原因は?」

「別に何でもねえって。たまたまその場に居合わせて、巻き込まれただけだ。いちいち報告するような話でもねえ」

「ひろはいい子だから大丈夫。嫌なことの分だけ良いことあるよ、明日にでも。花だって、そのうちきっと」

「……子供扱いすんなって。客だぞ俺は。あと、花のことは言うなよ。出来るだけ忘れていたいんだから」

「ふふ。あたしがどれだけ長く此処に居ると思ってんのよ。あなたたち市民なんかみんな子供みたいなもんなんだから。良い意味でも悪い意味でも、ね。だけど、ひょっとしたらこういうのもそのうち終わるのかも」

 塞がれたままの視界の向こう側で、アオの声がほんの少し翳ったのが分かった。それはこれまで俺があまり聞いたことのない声で、この場所にあまり似合わない空気だった。

「なんで急にそんなこと言ってんだよ」

「そんな気がするだけ。前はそうでもなかったんだけどね、最近暇になると考えるのよ。もし、いつかこの街がなくなったら、そのときどうなるんだろうって。それにね、最近お客さんに変なのが混ざってるのよ。なんだか、街は本来あるべき姿に戻らないといけないとかどうとか」

「変化がどうとか本来とか……はやってんのかね、最近。大体さ、本来もくそも、街は街だろ? それに仮に街がなくなったら見張りの奴らも流石に外に出してくれるんじゃないか?」

「そりゃひろ達はそうかもしれないけど、あたしは無理じゃない? 街の一部よ」

 そういう言い方するなよ、とだけ俺は返し、ずっと俺を撫でつづけていたアオの手に触れた。つるりとした感触のそれを、少し強めに握ってやった。アオの手が止まり、かすかな笑い声が聞こえた。

「ミイちゃんが嫌がるからなかなか来れないのも分かるけど、待ってるんだからもっと来なさい。嫌な事とか、あたしがちゃんと忘れさせてあげるから」

 起き上がり、少し強引に唇を合わせた。意味なんか無い。そうするのがこの場では一番適切なのだ。心配も不安も余計な言葉も、本当だったらこの場所には必要が無い。この場所だけじゃない。俺の周囲には必要ないし、この街にだって必要無いのだ。

「ひろは何処から来たの?」

 唇を離し、アオが言った。

「どうしてひろはずっと此処にいるの?」

「お前に会うためにずっと遠くから来たんだ。お前が居続けるから俺も居続ける」

 会って最初のキスの後に必ず交わすやり取りで、俺達が互いを必要としていることを確認する儀式。勿論此処は店で、俺は客。アオはプロだ。嘘の言葉で、嘘の情がこの場にはある。アオはきっと他の客にも似たようなことを言い、似たような優しさを分け与える。俺だって、友達付き合いの一環で他の店に行かざるを得ない時はあるし、そこでこの〝儀式〟ほどでは無いにせよ、はりぼてのような愛情を口にすることだってある。そんなの、ひとつずつを気にしたところで仕方のないことだ。

「あたしも、おんなじ」

 アオがそう言って、灯りをふっと消してくれる。こじんまりとした部屋に深くて優しい闇が舞い降りる。その上を温かで穏やかな夜が、すうっと通り過ぎて行く。



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