下田は、慌てて三鷹駅に走る。
「ちっ。もう見つかっちまったか」
キムは、頭を掻いた。
「どうします・・・・・・。逃げません??」
岸本が慌てながら提案した。
「この辺の地理はよく知ってる。俺なら奴らを撒けるぞ」
ハンが、下田がいた方向とは逆の方に体を向けて言った。
ドドドドド!
ハンと岸本が逃げようとしている時。
少し離れた場所から、地響きが聞こえてきた。
明らかに、自分たち3人よりも多い数。
10人近くはいるであろう人間たちが、こちらに走って向かってきてる地響きである。
「こっちだ!」
「キム!韓学!覚悟しろや!」
怒号も地響きと共に聞こえてきた。
完全にやる気満々である。
「ハン、岸本!」
逃げようとする2人に大声をあげるキム。
「今逃げると、蛇腹から永遠に逃げ続ける事になるぞ」
続けてキムは言う。
「俺たちがわざわざこんな喧嘩してる理由はなんだ?」
「いたぞ!あれだ!」
10人近い士官生の群れが、キム達3人組を視認。
一目散にこちらめがけて突撃してきた。
「後輩たちに、俺たちの様な差別を味わわさせたくねーからだ!」
キムはそう言うと、10人近い士官生の群れに突撃していった。
「ちっ!頭おかしいんじゃねえか!てめー!」
ハンは、キムの無茶な行動にまたも毒づきながら、後を追うように士官生の群れに同じく突撃していった。
「う・・・・・・、うおー!」
突撃するその2人を震えながら見ていた岸本も、持っているバックを捨て、雄たけびをあげながら士官生に突撃した。