「いやー食った食った」
焼肉店「ハンガン」の前で背伸びをするキム。
「すいません・・・・・・。ごちそうになって」
キムの叔父に頭を下げる岸本。
「いいっていいって。腹減ってたんだろ?ブンの友人ならごちそうしなきゃな」
そう言ってキムの叔父・忠成は大きな声で笑った。
三鷹市内を歩くキムたち3人。
辺りはすっかり暗くなっていた。
「そういや、お前三鷹駅で降りたのか?」
ハンがキムに向かって言った。
「ああ、そうだが?」
「そこに蛇腹3人いなかったか?」
ハンが続けざまにキムに聞いた。
「あ~。そいつらなら、俺がボコしといたから安心しろ」
「まじか!?」
ハンと岸本は驚いた。
「あんな、怖そうな人たちを1人でよく倒せましたね?」
岸本はキムに興味津々になった。
「まぁ、奴ら後ろ向いてたし。もちろん、殴る前に肩をポンッと叩いて俺の存在に気づかせてはやったけどな」
「それでも3人を1人で何て・・・・・・。す、すごい」
あの東京中の不良の頂点にいる国士館を1人で相手するだけでもすごいのに、倒してしまうなんて。
岸本は素直に驚嘆した。
「しかし、奴らお前の事血眼で探してるだろ。この後どうすんだ?」
岸本の羨望の目をよそに、ハンがキムに聞いた。
「う~ん。まあ、それに関してはもちろ───」
「いたぞー!!!」
キムたちの会話に割って入るかのように、三鷹駅周辺を捜索していた士官生・下田が、キムたち3人を発見。
三鷹駅に向かって大声をあげた。