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第49話 韓国学園とチョーコー、血の同盟 その6

そこには、都内の不良たちから、チョーコーの番と言われている、キム・ブントクがポケットに手を突っ込みながら、仁王立ちで立っていた。

左頬に少し紫色のあざがあった。




「いてて・・・・・・」

「だ、誰だったんだあいつ」

(恐ろしくつええ・・・・・・)


山内ら蛇腹3人組は、三鷹駅前で倒れていた。

何者かに殴られて、3人ともその場にうずくまっていた。


「君たち大丈夫かい?」


サラリーマンらしき30代男性が、へたりこんだ山内たちに近寄る。


「うるせえ!触んじゃねえ!」


邪険に扱われたサラリーマンらしき男性は、気分を害しながらその場を離れた。


「あっ!」


富永が何かに気づいたように大声をあげる。


「なんだようるせえな!いちちち」


殴られた左こめかみを抑えつつ、山内は、富永に怒鳴った。


「い、いや・・・・・・」

「なんだよ。言えよ」


何かを考えている富永。

下田は、富永が中々言わないのでやきもきしている。


「振り返った瞬間に殴られたんでよく顔見えなかったんだが、あいつ・・・・・・金(キム)三兄弟のキム・ブントクだ」




「キム・・・・・・ブントク」


ハンは、路地裏の入り口辺りで立っている男を見てそうつぶやいた。


「キム・ブントク?知り合いか?」

「ああ・・・・・・チョーコーの番長だよ」

「ば、番長!?」


岸本は驚いた。

岸本は、チョーコーと言えば、都内で暴れまわってる悪名高い不良高校だと認識しており。

彼らのテリトリーである、十条周辺は極力近寄らないようにしていたのだ。

岸本の学校の不良ぶってる奴らも、「朝鮮高校だけは手を出すな」と言ってるくらいである。

そんなヤバい高校のさらに番長である。

岸本は完全に別世界の住人(まるで芸能人)を見るかのように、キム・ブントクを見ていた。


「お前は韓学だよな?名前は?」


キム・ブントクがハンに質問した。


「ハン・シュウイチだ。文句あるか!?」


キムの問いに、威嚇しながら応対するハン。

相手はチョーコーだ。

同じ在日といえど、舐められるわけにはいかない。

そんなハンの精一杯の威嚇だった。


「おーおー、威勢がいいな。嫌いじゃねえよ」


ハンの威嚇を受け流すキム。


「で、隣のお前は?チョッパリだよな?」

「き、岸本です・・・・・・」

「岸本か。俺はキムっていうんだ。よろしく」

(ほっ・・・・・・。どんなヤバい人かと思ったら、意外と普通だ)


岸本は、内心安堵した。

チョーコーの番長というくらいだから、どんな狂犬かと思っていたのだ。


「ここじゃあなんだ。ちょっとツラかせよ」


アゴを背後方面に向けてクイッとするキム。

それにピクッと反応するハン。


「ああ、いいぜ・・・・・・」


岸本は、前言撤回した。


(こいつら、いきなりあった瞬間喧嘩する気かよ~・・・・・・)


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