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第47話 韓国学園とチョーコー、血の同盟 その4

国士館3人組が徐々に、ハンと岸本に近づいてくる。

それを見ながらハンは岸本に再度耳打ちした。


(立ったらドアの所で待ってろ)

(わ、わかった)


岸本は、ビビリながらも相槌した。


「お!?なんかの作戦会議か?」


国士館3人組の中で最前列にいた背の低い男(163cm)・山内が怪訝な顔で、ハンの耳打ちに反応した。

それを無視して、ハンと岸本が立ち上がる。


「やーっとやる気になったか!シュ!シュ!」


山内は、2人が座席から立ったのをみて、ハンが喧嘩を買ってくれると判断。

がぜんやる気になりシャドーボクシングを始めた。


ササササ。


岸本は、立つと同時に近くのドアまで移動した。


「なんだ?そこのぼっちゃんは喧嘩買ってくれねーのか!ビビリちゃんでちゅね~」

「お前らごとき、俺1人で十分だ」

「なに!?」


ハンと山内のメンチの切りあいが始まった。


「まもなく三鷹ー三鷹ー、お出口は~」


メンチを切りあう2人の背後で、中央線電車が三鷹にまもなく到着するというアナウンスが車内に流れる。


プシュー。


電車のドアが開いた。

と、同時にそれが開戦の合図となった。


「おらぁー!」

「ふげ!」


電車のドアが開いた瞬間、ハンが態勢を低くすると、自分の頭頂部付近を山内のアゴめがけて思いっきり、タックルしながらぶつけた。

いわゆるチョーパン(朝鮮人パンチ)である。

ハンのチョーパンは、見事に山内のアゴに命中。

山内は後ろに悲鳴を上げながらのけぞり、後ろにいた2人・下田と富永にもたれかかるようにぶつかった。

ちなみに、日本人相手に、このチョーパンは面白いように決まった。

14話でも少し触れたが、元来頭が固く、打たれ強い朝鮮人たちにとって、このチョーパン(頭突き)攻撃は非常に相性がよく、接近戦、つかみ合い時でのやり取りで無類の強さを誇り、いつの間にか、日本人たちの間で恐怖と共に朝鮮人パンチと恐れられるようになる。

そして、現在それを略してチョーパンと言われるようになったのだ。

話を戻す・・・・・・。


「逃げるぞ!きしちゃん」


チョーパンが当たった瞬間、ハンはすぐ反転。

ドア付近にいた岸本の所までダッシュしながら逃げるよう声をかけた。


「わ、わかった!」


ハンと共に岸本も慌てて、開いたドアからホームへ脱出。

ホームから改札へ向かって一目散に走りだした。




「まてこらぁー!!!」


三鷹駅ホームを全力で走る2人組。

ハンと岸本。

それを怒号を飛ばして追いかける、蛇腹3人組。


三鷹駅の鬼ごっこが始まった。

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